Russian Offensive Campaign Assessment, June 17, 2024, ISW ⬇️
ウクライナ側が指摘するロシア軍の火砲と砲弾に関する問題
戦争研究所(ISW)報告書の一部日本語訳
報道によると、ロシアは現在、砲弾製造と一部の砲兵器システムの製造に関する問題に直面しているとのことだ。ウクライナ人軍事アナリストのペトロ・チェルニクは6月17日に、ロシアはおよそ8,000本から9,000本の砲身を保有している可能性が高く、ひと月あたりだいたい15万発から17万発の砲弾を製造する能力を有していると指摘した。その一方で、ロシアはこれらの砲弾に使われる爆発物の不足に悩まされていることもチェルニクは指摘している。不足している爆発物は、特にニトロセルロースだとのことで、この物質は、火薬や爆発物を製造する際の中間材料として使用されるものだ。チェルニクよると、ロシアは自走式ロケット砲システムの使用から牽引式システムの使用へと徐々に移行しているが、このような火砲を牽引するのに必要な牽引車両に関する何らかの問題に悩まされているとのことだ。2S35「コアリツィヤ-SV」や2S34「ホスタ」のような、より新型でより高性能な自走砲システムの増産をロシアができない見込みであることを、チェルニクは指摘した。その理由に、この種の兵器システムを製造できる機械類がロシアにはたった5~6台しかないことをあげている。一方で、スカイ・ニュースは5月26日に、米国基盤のコンサルティング企業ベイン・アンド・カンパニーの公開情報調査を引用して、ロシアの国防関連製造業者が2024年に生産したり改修したりできる砲弾が450万発になる可能性が高いことを報じた。この報道は、ロシアが改修している砲弾数が、新規生産分以上にある可能性を示唆している。また、米国当局者は最近、中華人民共和国がロシアの国防産業にニトロセルロースを供給していることを指摘した。
報告書原文の日本語訳箇所(英文)