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【和訳】英国国防省 ウクライナ情報 2024.11.29
Latest Defence Intelligence update on the situation in Ukraine - 29 November 2024.
— Ministry of Defence 🇬🇧 (@DefenceHQ) November 29, 2024
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Latest Defence Intelligence update on the situation in Ukraine - 29 November 2024
日本語訳
2024年11月24日にロシアはドニプロにあるウクライナの軍需工場を目標にした攻撃を行い、その際、史上初めて中距離弾道ミサイル(IRBM)を実戦投入した。なお、このミサイルのコードネームは“オレシュニク”という。IRBMに分類されるのは、最大射程が3,000kmから5,000kmのミサイルである。ただし、今回の事例では、目標までの飛行距離は800km強しかなかった。
2019年2月にロシアは、中距離核戦力全廃条約に定められた義務の履行停止を発表した。なお、この条約はIRBMの開発及び製造を禁じていたものだ。だが、この義務履行停止の前から、オレシュニクの開発が進められていたのはほぼ確実である。このミサイルがRS-26“ルベジ”弾道ミサイルの派生型の一種である可能性は極めて高く、RS-26の初実験は2011年に行われている。
このミサイルは6個の弾頭を積むことができ、そのそれぞれが6個の子弾頭をもち、合計で36個の子弾頭を有しているものとみられている。各子弾頭は着弾前、超音速(マッハ5超)で落下してくるが、これはこのタイプのミサイルにとって例外的なことではない。IRBMと大陸間弾道ミサイルの弾頭はすべて、大気圏内への再突入の際、超音速の速度で飛来することになる。
この試験中の兵器システムを使用した意図が、ロシア領内に向けてウクライナが西側製ミサイルを使用したことに続く、戦略的なメッセージの発信にあるのはほぼ間違いない。オレシュニクはまだ量産されておらず、ロシアの手元にあるオレシュニクが、一握り程度の数しかない可能性は極めて高い。それゆえ、ロシアが現在、ウクライナに向けて使っているオレシュニク以外のミサイルと比べて、このオレシュニクがかなり高価なものである可能性は非常に高い。