【和訳】英国国防省 ウクライナ情報 26.02.2024
日本語訳
ウクライナとの戦いの全期間、ロシアはエネルギーを武器として使おうとしてきた。ウクライナのエネルギー施設へのロシアの物理的な攻撃によって、ウクライナ全土で広範な戦力不足が生じた。その間、世界に向けて、ロシア大統領ウラジーミル・プーチンは、国際的なエネルギー安全保障を掘り崩す目的で、エネルギー政策を利用してきた。
欧州へのガス放出量を削減することによって、そして、パイプライン経由の輸出を制限し、支払い条件を変更することを通して、プーチンはロシアによる合法性に欠く戦争に反対する欧州全体の連帯を損なおうとしてきた。
ロシアによるエネルギーの武器化は、今後も強制力をもつ道具であり続ける可能性が高く、ロシアの安全保障政策とエネルギー政策が結びついていることを示している。世界経済のなかで利益を得るために、また、国際的に政治的影響力を及ぼすために、ロシアがエネルギーを武器として使い続けていく可能性は極めて高い。このことは、エネルギー面での目標、安全保障面での目標、政治的目標、そして軍事的目標の結びつきを示唆している。
図表:年表日本語訳
2014年2月27日:クリミア併合
2015年2月1日:ロシア、黒海のガス・プラットフォームを占領
2021年:ガスプロム、備蓄を減らさせる目的で欧州向けガス放出量を削減
2022年2月24日:ロシア、ウクライナに侵攻
2022年2月24日:ロシア、チョルノービリ原子力発電所を占領
2022年3月:ロシア、ガスのルーブル決済を要求
2022年3月4日:ロシア、ザポリッジャ原子力発電所を占領
2022年5月以降:ロシア、ヤマル・パイプライン経由のガス放出量を大幅削減
2022年8月29日:ロシア、ノルドストリーム1経由のガス供給を削減
2022年11月10日:ロシア軍、ウクライナのエネルギー施設を広範かつ反復的に攻撃目標にする
2023年5月24日:黒海にあるトルコ・ストリーム及びブルー・ストリームの両パイプラインに向けて、ロシア軍艦艇が展開
2024年1月:ロシア、ウクライナ国内のエネルギー施設を損なう取り組みを継続
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?