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【和訳】英国国防省 ウクライナ情報 08.07.2024

UK DEFENCE INTELLIGENCE:
Latest Defence Intelligence update on the situation in Ukraine – 08 July 2024

日本語訳

  • サンクトペテルブルクの私立教育機関、欧州大学の学術評議会は6月19日に、この大学の政治学研究科の閉鎖を決定した。2016年、ロシア連邦下院のヴィタリー・ミロノフ議員からのクレームを受け、この大学は学術機関としての許認可を剥奪された。このミロノフという議員は、欧州大学のジェンダー研究センターに反対していた人物だ。彼はまた、このような研究がカラー革命を支持する人間を用意することに用いられる可能性があると主張した。

  • 欧州大学はプーチンに仲裁を訴え、後日、再び許認可が与えられた。だが、2023年にこの大学は「過激主義」(クレムリンに対して批判的である可能性のある活動すべてに向けてロシア政府当局が総称的に用いる用語)の容疑で調査された。欧州大学はこれまで学問の自由の中心であった。それゆえ、2012年のプーチンの大統領職復帰と2022年2月のウクライナ侵略以降によりいっそう強まった権威主義への転回後、この大学は政府当局を苛立たせる存在になっていた。

  • ウクライナへの全面侵略以降、大統領府は各大学に対する管理を強めている。大統領府はロシア国家の基盤に関するコースを必修化するように強要し、戦争に批判的な学者を何人か解職した。また、クレムリンが反体制的とみなしかねない研究を扱うプログラムを、複数の大学が閉鎖している。

  • 開戦以降の孤立化がロシアの学問・科学にダメージを与えている可能性は高い。ヴェドモスチ紙の最近の記事は、ネイチャー誌による世界の学術・科学研究機関トップ500の調査結果を報じた。直近の12カ月間でロシア科学アカデミーは23位分順位を下げ、71位から94位になった。モスクワ国立総合大学も順位を落としており、現在、420位に位置している。6月末に開催されたサンクトペテルブルク国際リーガル・フォーラムでの議論は、教育に対する蒙昧主義的なアプローチを推奨しており、参加者に一部は外国語を学ぶという考えを批判し、「反国家的な」教科書を別のものと取り替えることを支持した。

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