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【和訳】英国国防省 ウクライナ情報 21.10.2023

Latest Defence Intelligence update on the situation in Ukraine – 21 October 2023

日本語訳:

  • 2023年10月18日、ロシア大統領ウラジーミル・プーチンは、ロシアが黒海東部で戦闘機による哨戒飛行の実施を開始する予定であることを発表した。これにはKh-47M2「キンジャール(短剣の意)」空中発射型巡航ミサイルを搭載したMiG-31I迎撃機が投入されるとのことだ。

  • 地中海東部に展開する米海軍戦力がここ最近、急増したことを引き合いに出して、プーチンは行動の正当化をしたが、そこには公開性能上、最大2000kmの射程をもつ兵器が使われるというリスクに、米艦艇をさらしておくという意図がある。今回の発表は国内世論向けの典型的なロシアのレトリックに沿ったもので、西側は侵略者であると示す一方で、ロシアの行動は自国防衛の必要性に基づくものと位置づけている。

  • プーチンがキンジャール・ミサイルとその性能に関して特に言及したことに、戦略的なメッセージ発信の意図があるのはほぼ間違いなく、ウクライナでの戦いが続いているにも関わらず、ロシアは新たに開発した兵器を生産・運用することが、依然としてできることを示そうとしている。

  • 実際のところ、キンジャールはテスト運用状態のままであって、これまでのウクライナにおける戦果は乏しい。キンジャールは書類上、極めて高性能ではあり、超音速飛行ができ、最新の防空システムをかい潜ることができるとされているけれども、この兵器の潜在力を発揮するためには、使い方の点での相当な改善が、ロシアに必要とされているのはほぼ間違いないだろう。

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