見出し画像

【SNS投稿和訳】エミール・カステヘルミ氏:ウクライナ軍クルスク攻勢の情勢報告とその評価分析(日本時間2024年8月14日03:44投稿)

上記リンク先から始まる一連のX投稿は、フィンランドの軍事史家でOSINTアナリストであるエミール・カステヘルミ氏によるウクライナ軍クルスク州進撃作戦に関する最新情勢報告とその評価分析です。

以下は、このカステヘルミ氏の連続投稿を日本語に翻訳したものになります。なお、記事中の画像は、カステヘルミ氏の投稿に添付されているものを使用しています。

日本語訳

クルスク攻勢の最新情勢。

作戦は継続中だ。ウクライナ軍は支配地域を広げており、リゴフ[Lgov]方面に北進するとともにベリツァ[Belitsa]方面へと東進している。

私たちは状況をよりよく表示できるようにするため、地図上の視覚化様式を一部修正せねばならなかった。

ウクライナ側の注力点の一部が、本作戦地域の南東部へと移った模様だ。具体的には、ベリツァ方面に移った模様だ。

ウクライナ軍はベリツァと州境との間に位置する複数の村落内に進入している可能性が高い。ただし、この地域からの情報は極めて限られているため、不確実な点がいくつか存在している。

ウクライナ軍のAPC[装甲兵員輸送車]分遣隊は、ベルツァの隣に位置するギリ[Giri]という村落まで何とか到達できた。[*注:上記リンク先の動画を参照]

けれども、この分遣隊は大きな損害を被った。そして、撤退を強いられた可能性が高い。ベルツァとそのすぐ周辺は、依然としてロシア側支配下にある可能性が極めて高い。

スジャ市[Sudzha]は、全部ではないとしてもそのほとんどが、ウクライナ軍支配下にある可能性が高い。

コレネヴォ[Korenevo]とその周辺の村落において、ロシア軍は今でも活発に防衛行動を行っている。ウクライナ軍は近づいてはいるが、同軍が大戦力でコレネヴォに突入した可能性を示す情報はない。

ウクライナ軍の複数の集団が、本作戦地域の北側でも作戦機動を続けている。ウクライナ軍がどの程度深く突破浸透できているのかは不明だが、ロシア軍はこの地区でかなり頑強な防衛線を、いまだに持てていない模様だ。

ただ、ウクライナ軍がリゴフを占領したいと考えているとしても、リゴフへの道のりは、まだまだかなり長い。

ウクライナは主導権を握っている。現在の取り組みを支える目的で、ウクライナが新たな方面を切り開いていく可能性は存在する。

クルスク州及びベルゴロド州の複数地点で、さまざまな越境攻撃が起きているものの、今のところあまり大規模なものは起こっていない。

多くの地点でウクライナが戦術レベルで前進しているいるとはいえ、クルスクにおける全般的状況はここ数日間、大きく変化していない。スジャやコレネヴォといった戦術的に重要な小都市がある地域では、今でも戦闘が続いている。

今のところロシア軍はあまり組織的に整っていない模様だが、ロシア軍はある程度、状況をコントロールできるようになっている。ウクライナがもっと大きなリスクを甘受し、もっと多くの将兵を戦闘に投入する覚悟ができている場合は特に、ウクライナはもっと多くの領土を獲得できるはずだ。

クルスク攻勢の進展にあわせて、想定できる目標とシナリオについて、近いうちにさらなる分析を行うつもりだ。

私たちのブラック・バード・グループは情勢を継続的にモニターしている。私たち制作のインタラクティブ地図は以下のリンク先で閲覧可能だ。

関連情報

関連記事

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?