本記事は、戦争研究所(ISW)の2023年11月20日付ウクライナ情勢評価報告の一部を抜粋引用したうえで、その箇所を日本語に翻訳したものである。
要点(Key Takeaways)
報告原文抜粋(英文)
日本語訳
ロシアはフィンランドとの国境で人工的に難民危機をつくり出すという、ハイブリッド戦争の戦術としてよく知られている戦術を展開している模様だ。
ロシア・フィンランド国境でロシアが用いている模様のハイブリッド戦争の戦術は、ロシアとベラルーシが2021年にポーランド国境でつくり出した難民危機と同様なものであって、その当時と同様に、NATOの不安定化を企図したものである可能性が高い。
アルメニアがロシアとさらに距離を置き、西側諸政府との各種合意をいっそう進めているようにみえるなか、ロシア軍事ブロガーは関係悪化が進むロシア・アルメニアの2国間関係についての怒りの心情を、引き続き表明した。
ロシア国防省が、ロシア軍「アフリカ軍団」の募兵を公式に開始したと伝えられている。国防省による元ワグネル要員の直接的な引き抜きの試みは失敗したとされており、その後に国防省は、アフリカにおけるワグネルの活動を同省傘下に収めるため、このような動きに出ている。
予想されたことではあるが、ロシア・ストレルコフ(イーゴリ・ギルキン)運動(RDS)は、2024年ロシア大統領選挙への出馬意志を、ギルキンが11月19日に公式に発表したことを支持した。
チェチェン共和国首長ラムザン・カディロフは、ロシア情報空間において自身を目立たせる努力を続けており、ロシア連邦の地方自治体の長とロシア大統領ウラジーミル・プーチンとの間にある、おおむね受け入れられている権限境界を侵犯している。
ロイド・オースティン米国防長官が11月20日にキーウを訪れている最中、米国国防総省は新たなウクライナ安全保障支援パッケージを発表した。