お菓子を食べる、おやつを探す④

ふと、遊びらしい遊びをしたいと思った。十年くらい前から娯楽は外食や買い物になり、オトナしい大人になってしまったと時折ハッとする。小学生のわたしは何をして遊んでいたんだっけ。クラスの仲良しグループでケイドロ、縄跳び、一輪車、ポケモンカード、ゲームキューブ。お菓子はもぎもぎフルーツやねるねるねるね、ジューCやチロルチョコ……うーん。特に案が出ないまま、夕食の材料を買いに近所のスーパーへ向かう。なんとなくお菓子売り場をうろついていると、玩具菓子の隣のたのしいおまつりやさんという箱が目に入った。これだ！！水に粉末を溶かしてチョコバナナやりんご飴（模造品）を作るらしい。こういうの、久しくやっていない。

スーパーから帰って時計を見ると、夕食の時間までまだ余裕があった。いっちょやりますか。他の購入品をテンポよく冷蔵庫に入れ、袋に残った箱を取り出す。作り方の手順は箱の裏側に印刷されていたので、しっかりと読む。プラスチックのパーツを丁寧に切り離したら、準備万端だ。まずはひたすら記載された通りにやるが、これが存外難しい。特に成形の段階が至難で、とうもろこし（模）がキャッチーな麺棒（謎）のように。落ち込んでいても仕方がないので、残りも黙々と完成させる。皿に並べるとミニチュアver.夏祭りの食べ物、が出来上がった。食べてみるとこれまた存外美味しい。チョコバナナとりんご飴はその味で、ポテトととうもろこしは形容しがたい味だったが、それもまた一興。ウェブで検索すると、同じシリーズでおすしやさんやハンバーガーもあるらしい。いくらを作る過程、かなり興味ある……せっかくだから制覇しようか、オトナらしく大人買いで。