生命の溢れる地球を未来へ

動物園にはさまざまな動物がいますが、その野生の種は絶滅の危機に瀕しているということが結構あります。動物園の人気者が地球から姿を消すかもしれない、というのはショッキングな話ですよね。そうさせないためにも、今我々に出来ることは何かを考えていきます。まず、それの参考となるのでSDGsという考え方を見ていきましょう。

〇SDGs について

2015年に国連でSDGsが採択されました。SDGsというのはSustainable Development Goals のことで持続可能な開発目標と日本語で訳されます。どういうことかというと、美しく住みやすい地球を未来の世代にもつなげていくために皆さん一人一人がどうしていくべきなのかを示すガイドラインのようなものと捉えれば良いと思います。ここで大事なのはこの目標は皆さん一人一人が達成しようとしないといけない、ということです。誰かがやってくれるからいいや、国に任せればいい、という考え方はいけないということですね。

SDGsには17個の目標があるのですが、今回は生物を守るために今私たちにできることを考えていきたいので、目標の13〜15個目について特に考えていきます。


〇絶滅が起きたら…

そもそも、もしこの世界から動物が消えてしまったと仮定したときに一体何が起きるのでしょう。私が好きなトラを例にして考えていきましょう。

 トラはインドやベトナム、マレーシアなどに生息していて、それらの地域の生態系のトップに君臨します(トラは草食動物などを食べて生活しているので食う・食われる関係の“食う”側だということ)。「そんなトラがいなくなるなんてことが起こったとしたら、“食べられる”側である動物たちにとっては万々歳ではないか!」と思う人もいるかもしれませんが、ほんとうにそうでしょか。

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トラがいなくなってまず起きるのは、草食動物が増えることです。すると、草食動物は草を食べるのでもちろん草がなくなっていきます。それによって、森林がなくなっていき、地球温暖化がさらにすすかもしれません、草食動物が食べるものがなくなり数を減らしていくでしょう。

こうして見てみると、トラが絶滅したというたったひとつの出来事がまるでドミノのように連鎖的に多くの思わぬ悲劇をうむということが分かりますね。

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〇関係ないでは始まらない

 今、私は絶滅が及ぼすさまざまな影響を考えました。しかし、これを身近な話として考えることが出来る人は少ないのではないでしょうか。多くの人がこういう話を聞いたときに頭の片隅で、どこか遠い国で起こっている自分にはあまり関係の無い話と思っているのではないでしょうか。生物の絶滅の話以外では、例えばジェンダーの問題(女性への差別など)を耳にしたとき「そんなことはやってはいけない!」と思いつつ何をどうすればいいのか分からない、なんてことはよくありそうです。この問題では、普段我々が子どもに対してなにげなく考える「女の子はおままごと、男の子はヒーローごっこ」というイメージも十分ステレオタイプ的で身近な問題と言えるのですが、そういう問題よりもニュースなどを見てると、「アメリカで〜」とか身近でない問題を取り上げているものが多い気がします。(身近に存在している問題は案外捉えづらいのかもしれません)

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しかし、こういう考え方をしているといつまで経っても他人事です。SDGsの目標を達成なんて到底できないでしょう。他人事で終わらないためにも、日本でなにが起こるかを考えてみましょう。

〇日本も例外ではない

 絶滅によって日本ではどのようなことが起きるのでしょう。例えば、花の受粉を助けてくれるミツバチなどが絶滅すると穀物が生産できなくなってしまいます。穀物がなくなれば、私たちの食卓からさまざまな料理が失われるでしょう。他にも、先ほど述べたとおりトラなどの生物が消え森林がなくなれば地球温暖化がすすみ、日本の夏は暑くなっていきます(2100年には夏に40度越えが当たり前になってしまうという考えもあるそうです)。このように絶滅がもたらすものは計り知れません。

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〇我々にできること

 問題がもたらすものが分かったのなら、我々が今後どうすればいいのかを考えてみましょう。

絶滅の原因には様々なものがありますが、ここでは密猟を考えてみます。密猟を防ぐためにはどうすればいいのでしょう。密猟なんて私たちにとってはそれこそ他人事になってしまいそうですが、むしろ密猟こそ私たちのような先進国の人々が考えなくてはいけない問題です。どういうことかを説明するために、そもそもの原因を考えてみると次の理由があげられます。

  1.ペットとしての需要があるから

 ペットとして飼いたいと思う人が沢山いる(ペットとしての需要がある)場合、その動物を捕獲すればたくさんのお金が手に入るので密猟がふえるというのは想像に難くないと思います。

例えば、ウーパールパーという名前で日本では知られているメキシコサンショウウオ(ウーパールパーはそのアルビノ個体です)は、ペットや実験用として多くの個体が捕獲され現在では野生はほぼ絶滅状態だそうです。

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2.装飾品として使うため

 ユキヒョウやシマウマなどの動物はその美しい毛皮がみんなが欲しいために密猟されてしまうことが多いようです。(ちなみに、先ほど例に挙げたトラですがその個体数の減少の理由としてもこの毛皮などへの需要が挙げられます)

まだまだ密猟の原因はあるのですがとりあえずここまでとします。ここからどうすれば密猟を防ぐことができるかを考えます。1、2で共通していえることはどちらもみんなが欲しいと思うから(つまりそれが売れる(儲かる)からこそ)人々は密猟を行うということです。ということは、私たちがその製品を買わなくなれば密猟も減るということです。よって、私たちはかわいいからといった安易な理由でペットとして飼ったり、綺麗だからといって生き物の命と引き換えに作られた商品を買うことは避けた方がいいといえます。

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絶滅の原因は、なにも密猟だけではないのでまだまだ不十分なのですがここまでで日本人である私たちにも考えれば、生物を絶滅させないためにさまざまな活動ができると分かったでしょう。他にもこの記事では紹介しきれなかった対策はたくさんあるので、またの機会にお話しします。

〇生物の絶滅を止めるため

 生物の絶滅、これを他人事にしてはいけません。絶滅したらどうなるかを考えれば、それは自明的なことです。なので、私たちは今自分たちにできることを考えて、取り組んでいくべきなのです。

〇おわりに

 この記事では、生物を守るためにできることを考えましたがSDGsではこれ以外にもさまざま目標があります。しかし、それを一気に考えると大変です。なので、自分が興味のある分野に関する問題から見てみるなど工夫するといいと思います。SDGsの考え方では皆さん1人1人が主役です。他人事で終わらせずに、今回見てきたように広い目で見て自分なりに調べて少しずつ取り組んでいきましょう!

〇参考文献


『未来を変える目標 SDGsアイデアブック』(2018)


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