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原爆とお笑い

吉本興業のお笑いコンビ「アップダウン」さんが、2021年8月11日に長崎市で長崎原爆をテーマにした演劇を初上演します。

漫才の題材に原爆を持ってくるとは何という不謹慎な話であろうかと思ったのですが、「長崎被災協 被爆二世の会」の山崎和幸会長(68)から長崎原爆を漫才で表現してほしいと依頼を受けたそうです。

なぜそのようなことを依頼したのでしょうか?

それは被爆者二世だからこその思いなのです。長崎原爆の悲劇を伝え続けなければいけないことはわかっているのですが、若い世代に伝え続けることへの難しさを感じ模索する中で、「お笑いだけでない、社会に訴えるエンタメを」の思いで、アイヌ民族や鹿児島知覧の特攻隊をテーマにした劇を全国で上演してきた「アップダウン」の二人を、昨年7月、長崎原爆被災者協議会(長崎被災協)が招き、被爆者や被爆二世と交流したのです。

その席で依頼を受けた「アップダウン」は取材を重ねて漫才を完成させました。

私が注目したのはお笑いの力です。原爆の話を聞いてもらうために、

笑い、話、笑い、話、笑い と原爆に関心を持ってもらう話の構成の中でお笑いが入るのです。原爆に関心を持ってもらうことが目的で原爆をお笑いの対象にするのではないのです。

さりとて、戦争と無縁の話をしても伝わりませんから悲惨な話もするのです。不真面目な取り組みで戦争を語ることは危険です。お笑いは不真面目なものだと思われがちですが、緊張、緩和の緩和の部分がお笑いです。

太平洋戦争時も日本軍は、吉本興業の作った慰問部隊「わらわし隊」を利用しています。

原爆とお笑いと戦争に関心を持つことから始めましょう。