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#10 あなたの愛人の名前は | 島本 理生

どきっとするタイトル…誰の発した言葉なんだろう。
「不倫」「浮気」「愛人」とかそういう道徳的でない(とされている)ものへの批判は少し横においておいて…
いろんな世界に生きているいろんな人がいて、いろんな心の不安定さに堪えている、、という現実が描かれている
島本さんは「幸せなはずの女性の心中に潜むモヤモヤしたものを描き出せたら、と考えました」と語る
罪悪感がほしくなったり、自分を傷つけたくなったり
満たされているようで、足りなさも感じている
でも一体その虚無が何かわからない
なぜそれを感じるのか自分自身でもわからない
実際に罪悪感を感じて、自分を傷つけてみてはじめて、自分がそうしたかったことに気づく
理解されづらいかもしれないけど、そういう感覚がある、ということ
人間っぽいなぁ、、といとおしさを感じた
でも、そうやって「足りなさ」を感じても、それをどうやって埋めるかわからない人たちの感情の不安定さはどこに向かうのだろう…

島本さんの本には、重くてずしんと響くような言葉が多いけど、最後にはやっぱり少し光が見える感じがあって、本当に好きです!

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