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#22 やめるときも、すこやかなるときも|窪 美澄

物語の始まり方が、少し重め
ドロッとした大人の恋愛ものかとおもっていたが、壱晴の記念日反応や、真織の存在から、話がどんどん爽やかな切ない、人間的で、苦しい純愛物語と変わっていった
読後感がよかった
誰かと寄り添って生きていくこと、受け入れること
ひがんだり、ひねくれたり、そういうことをしている時間はない
好きな人に好きだと言って、自分の心に従って、素直に生きていくこと
壱晴と桜子が、お互いを理解しあえるようになるまでの過程、二人はほとんど言葉を交わしていないけど
でも特に壱晴のほうが、桜子も自分と同じ気持ちでいると確信をもって、哲先生のことや、椅子の作業を続けていく
桜子のほうも、気持ちのアップダウンを繰り返しながらも、寄り添う道を選んだ
桜子は、あまり恋愛に慣れていなくて、自分の心の安定が保てない状態になっている
心の不安定さ、自分への問いかけがとても理解できて、自分の心境にも重なり、心が痛くなった

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