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#14 星のように離れて雨のように散った |島本 理生

大好きな島本理生さんの小説
やっぱり、ずしん、と重くのしかかります
でも、必ず、前向きなラストがあります

きちんと仕事をして、お金を稼いで、社会の一員の“大人”としての自分
一方で、ある側面では、大人になりきれず、未熟な部分を残している自分
社会的な部分はすぐにある程度うまくなれるのに、どうして内面では未熟な部部分がまだ残ったままなのだろう

恋愛関係になると全て受け入れられたような錯覚に陥る
でもそうでない関係で向き合った時、自分の弱さや未熟な部分がさらけ出されているようで、怖い
だから「恋愛(男)に逃げる」という言葉が生まれたのかなぁ
そういうときは、私も春のように、とにかく相手を自分の中から排除する
守っている、とも言えるし、逃げている、とも言える
どちらでも悪くない、と私は思いたいけど…

吉沢さんの「言葉にしなさい」「言いたいことがあるなら、言ってみなさい。上手く言えないところは、こっちで書き足すから」という言葉が心に残る

「救済とは、理解のことなのだと。」
という島本さんの言葉が、この小説をしめくくっているのも素敵です

「銀河鉄道の夜」を読んだことがないということを強く後悔…
読んだ後にもう一度読むと、また違った感情が湧くのかな、、と思いました

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