ケーキの話

お誕生日という日は自分がいかに恵まれているかを感じられる日である。それは受け取るお祝いメッセージの量なんてことではなく、1人でも自分がこの世界に誕生したこと、無事育ってきたことを祝ってくれる人がいるだけで幸せなことだと思うからだ。

こんなことを書くのはこの3月に無事に誕生日を迎えることができたからだ。

お誕生日といえば

振り返って考えてみると私は圧倒的に前者を気にして生きていたと思う。中高生、そして大学時代前半も何人がこの春休み中の誕生日を覚えてくれているのかを気にしていた気がする。

ただそんな考えも年々変わり、今となっては過去を振り返り1人ぼっちで過ごした誕生日がないなんて本当私は幸せ者なのだと噛み締める。今年も嬉しいことに友人がお祝いをしてくれた。でも、これからは一人ぼっちの誕生日の方が多くなるだろう。そしてそれが普通に、人がお祝いしてくれるのが特別になるのかと思うとなんだか寂しい。

今までのお誕生日

私は小さい頃からみんなのお誕生日をお祝いする「お誕生日マスター」と言っても過言ではなかった。みんなのお誕生日を4月から覚え、お祝いしつつまだかまだかと自分のお誕生日を待った。いうまでもなく自分のお誕生日が来る頃には自分のお誕生日を覚えてくれている人はごくわずか。誕生日プレゼントもあげる専門だった。これが早生まれ特に3月生まれの宿命だと思う。でも私はそれも嫌いではなかった。

そんな私にも幸せなことに毎年お祝いしてくれる素敵な人がいる。家族である。共働き家庭ながらもきちんと毎年ご馳走とケーキを用意してくれた。

お誕生日ケーキが嫌いな人なんていない

クリームが嫌いな人はたしかに嫌いかもしれない。ただお誕生日ケーキが嫌いな人なんてこの世の中にいるのだろうか。

私にしてみればあの電気が消えて暗い中ろうそくのオレンジの光がきらめき、バースデーソングを周りが歌い始めた瞬間、「私が主人公だ!」と「生まれてよかった!」と何度も思った経験がある。(話を聞いてもらいにくい末っ子ならではかもしれないが)

そんな私が感動で覚えているケーキは中学生の終わりか高校生時代の誕生日ケーキだ。たぶん本人は覚えているのかわからないがその当時、非常に仲が悪かった兄弟が新宿のタカノフルーツでイチゴのケーキを買ってきてくれた。

そのサイドストーリーだけで私のお誕生日というメインストーリーが霞んで見えるくらい嬉しかったのだった。だからタカノのケーキの味は残念ながら覚えていないけど、ケーキのドーム型の形状や色はしっかりと目に焼き付いている。

皆さんのお誕生日

こんな話をしていると終わったばかりなのに来年のお誕生日が今から楽しみになっていく。ただ来年はもしかしたらひとりぼっちかな。そしたら自分のために豪華なケーキをホール買いして切らずに食べてしまおう。あとかっこつけてシャンパンとか?

皆さんのお誕生日の思い出はなんですか?

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