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トラブル続きの仰天トラベル。「やっぱJリーグ最高やな」【スポーツ報知 岡島智哉記者 インタビュー後編】

先週OWL magazineから公開された、スポーツ報知 岡島智哉記者のインタビュー前編は、皆さん楽しんで頂けたでしょうか?読者の皆さんからの「岡島記者は、おじさんじゃなかった」という反応を見るたびに「しめしめ、やったぜ!」という気持ちでいっぱいでした。
今回は、皆さんお待ちかねのインタビュー後編になります。岡島記者が世界中を旅しながら、様々な国のフットボール事情を目の当たりにした結論はいかに?事前にTwitterで募集させて頂いたサポーターの皆さんからの質問にも答えて頂いています。


その前に少しだけ、五十嵐が何故スポーツ報知の岡島記者にインタビューをしようと思ったのかをお話しさせて下さい。「岡島記者のインタビュー、早く読みたいよ!」と思っている方は、すっ飛ばして本編へどうぞ!


寄り道してくださった皆さん、ありがとうございます。OWL magazineの五十嵐メイです。昨年私は、このOWL magaineでアントラーズサポーターのライターとして活動を始めました。OWL magazineの代表である中村慎太郎さんをはじめとする、サッカーメディア界の諸先輩方の後押しのお陰もあり、未経験の初心者ながら華々しくデビューをさせて頂きました。

OWL magazineの読者の方は温かく、掲載させて頂いた記事をいつも楽しく読んでくれています。けれど月額700円の有料マガジンということもあり、自分の心の隅に抱いていた「私が書く記事になんの価値があるのか」という疑問が日に日に大きくなっていきました。
マガジン内ではそこそこのヒット作も飛ばし、編集部内においてはメンバーからの期待も常々感じていましたが「もう書けないです」初めて中村さんに伝えたのは、7月初頭でした。
どうしても自分の中で自分が書く記事の価値を見つけられず、書きたいテーマも思い浮かばない日が続きました。コロナの影響で、サッカーの試合がなかったことも少なからず影響していたのかもしれません。そんな時に、岡島記者から「メロンの記事読みました。面白かったです。」と感想を頂きました。私は目を疑いました。私の知る限り岡島智哉という人物は、スポーツ報知で型破りな寸評を書いている岡島記者しか思い当たりませんでした。

「はて?岡島記者は私の知る限りだと、めちゃくちゃ面白そうな人だし、私なんかが書いた記事が面白い訳なかろう。これは、お世辞だな」

今までもサッカーメディア界の先輩たちから、感想を頂く機会がありました。その度に、読んで頂けた感謝の気持ちでいっぱいで、心の底から嬉しく思っていました。しかし、何故かその時の私は素直に受け取ることができず、半ば食い気味に「どこが面白かったんですか?」と尋ねました。

すると、間髪入れずに「メロンの産地に注目するあたりは、サポーターならではの目線で面白いなと思いました」と返してくれました。その返答がすぐに返ってきたことで「ちゃんと読んでくれていたんだな」と嬉しく思ったのを覚えています。鹿島の記事を楽しく読ませて頂いていた読者の立場からすると、プロの新聞記者の方がサポーターの目線を面白いと思ってくれたことに驚きを隠せませんでした。スポーツ報知という大手の新聞記者さんにも関わらず、書き手がサポーターだから、プロのライターだからといった目先の事に拘らず、面白いと伝えてくれた岡島記者に対して、「書き手の立場」や「記事の価値」に囚われ過ぎていた自分がちっぽけで、とても恥ずかしくなったのを覚えています。

そもそもOWL magazineは、代表である中村慎太郎氏の著書である「サポーターをめぐる冒険」が大元になっています。この本は、FC東京のサポーターである中村氏が初めてJリーグ観戦をした時のことを本にしたもので、2015年にはサッカー本大賞を受賞しています。マガジンのコンセプトは「サポーターによるサッカーマガジン」。サポーターの気持ちは、サポーターにしか書けないという中村さんからの言葉を思い出して、再びペンを手にとりました。

スランプ中に岡島記者が一冊の本をお勧めしてくれました。田中泰延さんの『読みたことを 書けばいい。』という本です。早速アマゾンで購入し、県立カシマサッカースタジアムに向かう途中の高速バスの中で読み耽りました。代表の中村さんからも「数字は気にせず、君が話したい人と話しておいで」という言葉を頂いたのをいいことに、本を読み終わった私はすぐに「岡島さんのインタビューが読みたいので、取材をさせてください」とメッセージを送りました。

私が読みたいという衝動だけで書いたので、今回のインタビュー自体の意味を問われると、全員が納得する答えを回答する事はできないと思います。だけど、書き手の読みたいサッカーの記事を、とにかく自分が楽しんで書く!という一風変わったウェブマガジンが、世の中にひとつやふたつ有ってもいいのかな?なんて思ったりもします。読者の皆さん、いつもお付き合いありがとうございます。

前置きが随分と長くなってしまいましたが、それでは後編になります。


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ー 後半は大学を卒業後に出発した「世界中のフットボールを巡る旅」について、詳しくお伺いしたいと思います。いつからスタートして、どのくらいの期間旅に出ましたか?

岡島 2014年の5月からスタートして、11月に一時帰国しました。お金がなくなってしまって……。11月に一時帰国をして1ヶ月間働いて、お金を貯めました。その後、12月から3月まで再び旅に出発しました。

ー 何があったんですか?

岡島 W杯の期間中に滞在していた、ブラジルで泥棒にあってしまいました。日本円にすると13万円くらいですね。宿に置いておいた鞄の中に入れていましたが、10歳くらいの女の子が忍び込んで盗んでいる姿が防犯カメラに映っていました……。

ー かなりの大金ですね。10歳の女の子が旅行者の宿に盗みに入る……。日本では滅多なことがない限り、考えられない事件ですね。

岡島 ブラジルでは街を歩いている時に、後ろから羽交い締めにされて、あわやパスポートの入ったバックを盗まれそうになったこともあります。その時はW杯期間中だったので警備も厳しくて、警察官が直ぐに駆けつけれくれたので無事でした。


(割と世界のどこでも泥棒にあいがちな岡島記者……。良くぞご無事で)

ー 世界中を回る旅の資金はどのくらい必要でしたか?地球規模の旅というのは想像がつきません……。

岡島 旅のスタイルにもよると思いますが、僕は宿舎や料理にあまりお金を掛けなくても良いタイプです。ベッドと食パンがあれば良いので、かなり安く済んだと思います。トータル120万くらいで、35か国行きました。その後、2015年の3月に帰国して就職活動を始めました。

ー 世界旅行中に思い付いたという新聞記者の仕事は、どのタイミングで閃きましたか?

岡島 日本に帰ったらサッカー絡みの仕事がしたいと思っていたので、何かビビッとくる職業が無いか考えながら、海外を転々としていました。そんな中で突然ふと、旅の途中で新聞記者になりたいなと閃きました。きっかけは、ブラジルに行った時に自分が受けた取材ですね。

僕が受けたのは、現地の日系人向けのサンパウロ新聞の取材です。ワールドカップでブラジルに来た日本人の中に、世界中を駆け巡りサッカーを観たり、現地の子供達とサッカーをしている面白い人がいるということで、インタビューを受けました。その記事が掲載された新聞は、ブラジルから実家のある福岡まで送って貰ったのですが、両親もそれを読んですごく喜んでくれました。

その時の体験を通して、新聞記者は面白そうだなと思いました。元々文章を書く事は得意だったので、その特技を活かせそうだなとも思いましたね。
そういう訳で、日本に帰国してから新聞記者を目指して就活を始めました。

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ー 世界中のサッカー事情を知ろうと思って旅に出た結果、岡島さんが出した結論は?

岡島 世界には、Jリーグのように運営できない国が沢山ありました。例えば、ボリビアに行った時は、試合の日程を公式サイトで確認したにも関わらず、試合会場に行くと試合が中止されていました。

ー それは何でですか?

岡島 スペイン語だったので、理由までは読めませんでしたね(笑)

パラグアイで見た試合は、節電で試合開始の1時間前まで真っ暗でした。ブラジルでは、防犯対策でチケットオフィスが石に囲まれていて牢屋みたいになっていました。日本のチケット売り場のように、担当者の人の目を見て話す事はできません。下の方に、チケットを受取るための、縦横5センチくらいの郵便ポストみたいな窓口があるだけでした。

ー W杯の泥棒騒動に始まって、聞いているだけで、胸焼けしそうなエピソードだらけだなと思うのですが、良く無事に帰ってこれましたね(笑)

岡島 他にもまたまだあります。僕はお酒が飲めないので、影響はありませんでしたが、イングランドでさえ、暴動対策でお酒が飲めないことになっています。フーリガン対策ですね。

ー そうだったんですね。UEFAチャンピオンズリーグの試合を見るために、エミレーツスタジアムまで行ったことがありますが、記憶が曖昧です……。スタジアムの外では、しこたま飲んだ覚えがありますね。最初は、チケットを売ってくれなくて……。粘ったら出てきました(笑)最前列のチケットだったんですけど「なんだ、有るじゃん」って。

岡島 チケットと言えばイタリアでは、チケットを買うときは現地の人も必ずパスポートなどの身分証が必要になります。記名式になってるのですが、これはマフィア対策の為です。

ー なるほど。国によって、チケット事情も様々なんですね。

岡島 そうですね。

イタリアつながりで言えば、ナポリというチームのサポーターは荒くれ者しかいませんでした。子供も、年配の方も、女性の方も近づける雰囲気ではありませんでしたね。

ー スタジアム全体がそういう雰囲気なんですか?例えば、浦和レッズの北側のサポーターからは「女性と、子供は危ないから避けたほうがいい」という話を聞いたりしますが、メインスタンドやバックスタンドは、家族連れや女性だけの方も沢山いたりします。そういう感じで、ブロックで分かれているとかではないんでしょうか?

岡島 スロバキアで行われたスロヴァン・ブラチスラヴァvsナポリの試合だったので、ナポリはアウェイサポーターの立場でしたが、もうとんでもなかったです。ナポリのサポーターが危ない人達ばかりだったので、スタジアムの周りは戦車で囲まれていました。軍隊みたいな人達が、銃を持って警備をしていました。

ー いやいや、怖過ぎませんか?そんな雰囲気だと、年齢とか性別に関係なく、サッカーを観てる場合じゃないですよ……。帰りたい。

岡島 とんでもなかったですね(笑)

ハンガリーでは、リーグの首位攻防戦も見に行きました。スタジアムはユーロの為に作られたので、新しくて綺麗。設備もすごく良いと聞いていたので、とても楽しみにしていました。

ー 今度は何があったんですか?(笑)リーグの首位攻防戦と聞くと、めちゃくちゃ盛り上がりそうなので、戦車以上のものが出てきそうですね。

岡島 サポーターが300人くらいしかいませんでした。

ー え?逆にですか?

岡島 ハンガリーは、そのくらいサッカーの人気が落ちてしまっているんですね。スタジアムは凄く設備がいいのに、勿体ないと感じました。
様々な国のサッカー事情を目の当たりにして、日本って平和でいいなって思いました(笑)「Jリーグ最高やな」これが僕の出した結論です。

ー 今はコロナの影響で旅ができませんが、OWL magazineのライター陣には、海外までサッカーを見に行く為に毎月出国してるような方もいます。なので結構色々な話を聞いてきましたが、岡島さんの話は想像を遥かに超えていました(笑)引き出しが多過ぎて、開け切れないですよ。

岡島 もちろん、ドイツの応援の迫力は凄まじかったし、FCバルセロナのサッカーは言葉にするまでもなく完璧だった。サッカーの母国であるブラジルの盛り上がりも、日本とは比べ物にならないくらい盛り上がっていました。そういう点を比べてしまうと、日本は劣っているかもしれないですが、サッカーを観る環境を考えたら、Jリーグ最高だなって思いました。これは前に、記者コラムで書いたことがあります。

現役記者にじっくり聞いタロウ

ー そんな Jリーグ愛に溢れる岡島記者宛に、サポーターさん達から質問を頂いているので、答えていただいても大丈夫ですか?

岡島 どんな質問が来ているのか楽しみです!

岡島記者はグランパスくんは好きですか?

岡島 グランパスくん……。好きでも嫌いでもないです。だけど、マスコットってすごいキーパーソンだなって思っています。人じゃないですけど……(笑)。新しいファン層を取り込むという部分であったり、マスコットの果たす役割の大きさはこの仕事に就いてからすごく感じています。

ー 岡島さんの推しマスコットはいたりしますか?

岡島 ヴィヴィくん?でしたっけ?長崎の試合に行った時に、ちょうど雨が降ってきたので2人で雨宿りをしました。羨ましいでしょ?(笑)
スタッフさんがヴィヴィくんにカッパを着せてあげてたんですけど、僕もお手伝いをしたらヴィヴィくんが喜んでいました。

ー 岡島さんもヴィヴィくんのあざとさには敵わなかったわけですね(笑)

今まで書いた記事の中で会心の出来だなと思っている記事はありますか?

岡島 うーん……。鹿島アントラーズで通訳をしていたキム・ヨンハさんの記事ですね。

ー あの記事大好きです!クラブのスタッフさんに焦点を当てる記事がすごく好きなんですよね。スタッフさん達の愛とか熱量ってすごいなって思っていて、あの記事を読んだ時に「こういうのが書きたい」って思ったので、すごい印象に残ってます。

岡島 ヨンハさんの記事は、今までの取材の成果と自分の想い、ヨンハさんの想いが上手く表現できたかなと思っていますね。

今まで多くの取材をしてきたと思うのですが、取材した中で心に残っているコメントはありますか?

岡島 「人間は生きるために1日に2,3回の食事をします。それはクラブも同じです。タイトルととって腹を満たすのです。アントラーズというのは、常にその意識で取り組まなければいけない。生きていけませんからね。」

ジーコさんです。2018年のACL決勝の前にメディアの囲み取材で答えていた言葉です。原稿をスクショして残しています。

よく耳にする「ジーコスピリット」という言葉は的確な表現が見当たらない、ぼんやりとしたものだと思っていました。「鹿島る」という言葉もありますが、そういった言葉で上手く表現できるかというとそうでもない。僕自身も、ジーコスピリットに関する記事や、ジーコさんが戻ってきたからチームが強くなったという記事は全然書いていませんでした。だけど、ジーコさんのこの言葉を聞いた時に、タイトルへのこだわりや執念を感じ「これが鹿島アントラーズなんだな」と思いました。

ゼロックスで敗戦後に「リーグ戦じゃないから」とか「いい勉強になった」というコメントを見かけたりすると、納得がいかないと感じるようになってしまいました。「タイトルを逃しているんだぞ」って。鹿島を2年間担当して、気がついたら僕も「ジーコ脳」になってしまっていましたね(笑)

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1記事あたりにかける時間はどのくらいですか?

岡島 内容にもよります。720字くらいであれば10分くらいで書き上げる事はできますが、締め切りまで時間があれば時間をかけて書きます。

ー 話題の採点と寸評はどのくらいかかるんですか?

岡島 実際にパソコンと向き合っている時間は1時間もないですね。点数は試合終了と同時に先に付けてしまいます。余計な概念を持ち込まずに、試合を見た直感で付けています。

試合中は取材ノートに、こんな感じでメモを取っています。

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ー 試合の展開だけではなく、サポーターのチャントについてのメモもある!試合内容だけではなく、スタジアムの雰囲気もメモしてあるんですね。名古選手に関して「ドリブル楽しそう」とありますが?

岡島 これは寸評用のメモです。寸評は今の時期だと1試合15、16人くらい書いていますが、実は20分くらいで書き上げていますね。

ー 岡島さんの寸評は捻った表現が多いので、すごく時間がかかってるのかと思っていました。

岡島 最初は勢いで書いているので、もちろんぐちゃぐちゃです。書き終わったら、そこから少し時間を置きます。お風呂に入ったり、散歩したりして、その間にいい表現がないかな考えていますね。ふとした瞬間に、パッと閃いたりするので、そこからまたパソコンに向かって、修正していきます。

ー 記者コラムはどのくらいの時間をかけていますか?

岡島 2時間くらいで書き上げてしまいます。出来れば少し日を置きたいタイプなので、短時間で書き上げて移動中に原稿の事を考えたりしながら、締め切りギリギリになってまた書き始めます。

ー 岡島さんの記事は、表現に工夫が多く見られますよね?記事を読んでいて、同じ表現でもこんな表現の仕方があるんだなってちょっと悔しくなったことがあります。そういった部分は、どうやって培ってきたんでしょう?

岡島 スポーツ紙の記者と言っても、そのスポーツだけ詳しければいい訳ではないと思います。サッカーの事を書ける人は沢山いますが、書いた記事に深みを出すのはサッカー以外の要素だったりする場合もあると思います。
映画を見たり、本を読んだり、バラエティ番組を見る、旅に出ても良いと思います。その人自身にサッカー以外のことで、誇れることがあると書いた記事に活きてくると思います。

ー 岡島さんの誇れる要素はなんですか?

岡島 僕自身は、無類のお笑い好きです。1週間でバラエティ番組は12、13本は見ていますね。今は芸人さんのラジオも、3本聞いています。コメディ映画は欠かさず見ています。僕自身、笑うことが大好きなんですよね!これからサッカーライターを目指す方は、サッカー以外の部分も充実させる事をおすすめします。

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ー 最近の鹿島の寸評にも、お笑いのネタが仕込まれていましたよね。1番好きなお笑い芸人さんは?

岡島 くりぃむしちゅーさん。尊敬してます!元々くりぃむしちゅーさんのラジオを聞いて、お笑いが好きになりました。上京してどこに住もうかなって迷っていた時に、京急線のCMにくりぃむしちゅーさんが出ていたのが決め手で、京急線沿いに住むことにしました(笑)

大笑いさせたい訳ではなくて、自分の記事を読んで「この表現上手いな。ふふ」って笑って貰えたらいいなと思っていますね。ギャグを挟むだけではなく、ちょっと流行りのドラマのセリフ、今だと半沢直樹を持ち出してみたりします。今の流行りだけではなくて、少し前に流行った言葉を入れてみたりすると「懐かしいな」って気持ちになったりすると思います。サッカー以外の自分の好きなことが、僕の原稿には散りばめられていると思っています。

原稿で親父ギャグを挟んで笑いを取りにいき過ぎたので、おじさんのイメージになっちゃったんですかね?(笑)

記者としてTwitter始めて良かった事はありましたか?

岡島 Twitterを始めてから世界が広がりました。というのは、今の時代は、サッカー好きの方が書いてる戦術分析ブログが多く存在します。そういうのを目にする機会が増えましたね。

ー 岡島さんから見て、気になる方はいたりするんですか?

岡島 います。名前を意識して見ていないので、パッと出てこないんですけど、読んでいて分かりやすいなって感心したりすることもあります。逆に、もっと身近な例えを用いたりして分かりやすく書いてみたら良いのになって思う事もありますね。ポジショナルプレーとか、5レーンとかカタカナ言葉がずらずらと並んでいたら、ちょっと分かりづらいなって思います。

ー たしかに分からない単語が並ぶと、読むのが嫌になっちゃいます。学生時代の教科書じゃないけど、一箇所つまづくとそれから先を読もうって気持ちが萎んじゃって、パタンって閉じてしまいますね……。

岡島 せっかく書いてるのに、勿体ないって思います。僕はサッカー好きの方が書いたブログを読む事が、結構楽しみだったりしますね。メディアの人も、選手もそういったブログを、結構読んでたりします。ふふ(笑)

マリノス激動の時期に岡島記者の冷静かつ的確な記事に私は何度も救われました。ありがとうございます。
・マリノス担当時代に印象深かった選手/スタッフの言葉を教えて欲しいです。
・マリノスの試合の中で特に印象深かった試合を教えて欲しいです。

岡島 印象深かった試合か……。どうしよう3試合出てきちゃいました(笑)。うーん……。2017年の開幕戦 浦和レッズVS横浜F・マリノス(埼スタ)2-3でマリノスが勝った試合ですね。ゴタゴタがあった中、マリノスが再出発した1戦です。あ!その時も僕が書いた記事が、炎上してますね(笑)

ー 何が原因だったんでしょうか?

岡島 「マリノスは結構やると思う」と感じた事を記者コラムに載せたら「そんなわけねえだろ」という風に、yahoo!のコメント欄が荒れていました。この記事は賛否でいうと、否定が多かったですね。でも僕は、マリノスの練習に通って取材をしてきた中でそう導き出して書きました。

対戦相手の浦和は前の年の2016年、年間を通しての勝ち点が1番多かったチーム。強い浦和相手に「絶対勝てるわけがないだろう」ってみんな思っていたんだと思います。当時は僕もまだ若かったので、記事への批判に対してすごくイライラしていた時期でもありました。そんな中、後半ロスタイムに前田直輝選手のゴールで勝ち越す劇的な勝利でしたね。

ー 横浜F・マリノスで印象深かった選手、スタッフの言葉は?

岡島 うーん……。モンバエルツ監督がいつも四つ葉のクローバーを探していたのは、可愛かったです。なんで探しているのか真意は不明ですけど、特技だと言っていました。

選手だと中澤佑二さんですね。2017シーズンの天皇杯、マリノスは決勝に進出して、セレッソ大阪に延長戦で負けてしまいました。試合後の取材で、来年の話になった時に「あんまり期待されてもあれなので、予想順位は10位で頼みます。あんまり持ち上げすぎないで」って言われました。それで僕は次の年の予想を、本当に10位で出しましたね(笑)

ー ありがとうございました。

岡島 結構仕事の質問が多いですね。もっとプライベートな質問が来ると思っていました(笑)  

ー サポーターの皆さんも、記者の仕事に興味があるみたいですね。私もそうでしたが、どんな仕事をしているのか?なんとなく知っているけど、漠然としている方も多かったのかなと思います。本日は貴重な機会をありがとうございます。

鹿サポ五十嵐、岡島記者から寸評を貰う

  
ー 最後は五十嵐からのお願いなんですが、岡島さんに今日お会いしたら絶対お願いするぞって決めてたことがあります。いつも選手の皆さんが羨ましかったんですが、今日のインタビューの採点と寸評を頂けないでしょうか?

岡島 ちょっと待ってくださいね(笑)

五十嵐メイ【7.0】レオシルバ級にグイグイ。クォンスンテのような柔和な笑みを交え、鈴木優磨と同等のギラギラ感を醸し出しながら、内田篤人レベルの視野の広さで柴崎岳のパスを彷彿させる鋭い質問。五十嵐半端ないって。一応プロの記者に対してめっちゃズバズバくるもん。そんなんできひんやん普通

ー ありがとうございます!評価がすごい高いです……。いいのかな?めちゃくちゃ嬉しいです。

手荷物検査の意義を問う。世界最恐ダービー

ー 最後になりますが、OWL magazineは旅とサッカーを紡ぐウェブマガジンなので、旅についての質問で締め括りたいと思います。世界中でサッカーを見た中で、強烈に印象に残っている国はどこですか?

岡島 セルビアが1番印象的でしたね。セルビアでは火のついた発煙筒を投げつけられました(笑)

世界最恐ダービーと、UEFA EURO 2016の予選 セルビアVSアルバニアの2試合を見ましたが、どちらもとんでもない試合でした。

この記事は「旅とサッカー」をコンセプトとしたウェブ雑誌OWL magazineのコンテンツです。サポーターの目線で書かれた、様々なサッカー記事を月額700円で12本程度読むことができます。以下は有料部分になります。

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