SESで遭遇したひどい案件ワースト3

SESエンジニア4年目の自分が今まで参画したプロジェクトの中で、これはひどいと思ったものをワースト3形式で記述していこうと思います。
ちなみに、こんなことを言うのはなんですけど「運が良かった」方なので、これよりひどい現場はたくさんあると思いますし、20年前に比べたらかなり楽になってはいると思うので、こんなもんかーと思うかもしれません。
ただ、これからSESに関わる人にはぜひ読んで頂いて、「この程度なら大丈夫!」と思うか、「え…これはひどい」と思うか判断して、今後の自分のキャリア形成に活かしていただければ幸いです。

ひどいと思った案件 ワースト3

<デザイナー向けWindowsアプリの評価>
・専門用語飛び交いすぎて理解不能
・テスト仕様書がそもそも仕様書になっていない
・改善案はリーダーによりもみ消される

まずは、専門用語飛びすぎ問題の話ですが、これは自分のスキル不足(知識不足)の部分も大いにあるので、仕方のないことだと思います。
ただ、欲を言えば、そういう人でもある程度は理解できるように説明してほしかったなと思います。
次に困ったのはテスト仕様書がひどかったこと。
 ・項番がない 
 ・テスト結果が「〇、×、△、□」になっている
 ・集計表がない
レイアウトのことなどを突っ込み始めると書ききれないので、代表的なものを書いてみました。

<項番がない>
一般的にはテスト項目毎にNo.1~No.100などと番号を振っていき、不具合があった場合は、〇〇番の項目で不具合と記載する。

例)
1. ペンが正常に使用できるか
2. ブラシが正常に使用できるか
3. 消しゴムが正常に使用できるか

上記の場合で「ブラシが使えなかった場合は項目No.2で不具合あり」と伝えれば伝わりやすいし、誤解を招かずに済む。
JSTQBというテスト技術者の資格でも「項番、大項目~小項目、前提条件、手順、期待結果」は書くように定義されているのに、それがない。
集計を取る上でも、全体で何項目あるのかを調べるのに、項番があればすぐに分かりますが、ないので数えるしかありませんでした。

<テスト結果が「〇、×、△、□」になっている>
実はいろんなプロジェクトでこの書き方を見たりしているのですが、率直に言って分かりにくくないですか?
〇と×はまだ90%ぐらいの人が分かるかもしれないけど、△と□が何を意味しているか分かる人ってどれぐらいいるんでしょう。
ちなみに△は対象外で□は保留の意味合いで使ってました。
「OK、NG、対象外、保留」と「〇、×、△、□」はどっちの方が分かりやすいか一目瞭然だと思うのですが。
海外だと〇と×の意味が逆になることもあるし、改善してほしかったです。

<集計表がない>
自分はテスト仕様書をExcelで作ることが多かったので、
各シートのトップに集計表を作る」べきだと思っていました。
項目数が多い場合は別のシートにまとめた集計表を作ることもありましたが、各シートのトップにも必ず作っていました。
テスト実行者が現在の進捗を確認するのにシートの切り替えを行わずに済むし、リアルタイムで進捗が把握できるから、リーダーとしてもスケジュール管理をしやすいためです。
ただ、このプロジェクトではどこにも集計表がなかった
集計は手作業で数えるのが通例となっていました。
そして自分で集計表を作ってそれを見ながら進めていたら、「勝手なことをするなと怒られました」…

一番困ったのは、上記のようなテスト仕様書について不満があったり、作業効率についての改善案を提示したら、内部では保持するけど客先には見せられないというわけのわからないことを言われました。
客先からもらったテスト仕様書には項番や、手順、期待結果、集計表がなかったので、内部でテスト仕様書を作成して、そのテスト仕様書を使用してテストを実施するが、客先に提出するのは客先のフォーマットのを使用するという。
つまり、内部のテスト仕様書のテスト結果を全て客先のテスト仕様書に反映していく作業が追加されたわけです。
客先のテスト仕様書に合わせることに意味があるというのは何となく理解できますけど、だったらその理由を明確にしてほしかったですね。

ただ、残業時間は少なかったし、人間関係も悪くはなかったので、そこまで不満ということはありませんでした。
テスト仕様書を見るたびにストレスがたまるぐらいでした。

ひどいと思った案件 ワースト2

<金融系システムのテスト設計及びテスト実行プロジェクト>
・テスト設計のための仕様書が膨大かつ、まとまっていない
開発が遅れているのに、スケジュールの変更はなし
午前10時~午後10時が定時

単純な長時間労働が常態化しているのにPMは対応する気がなく、
昨日は午前1時まで仕事してたよー」(すでに昨日じゃないし)とか、「今月は残業100時間いかないから大丈夫!」とか意味不明な発言をしていました。
本人は仕事が楽しいからいいのかもしれないけど、こっちとしては苦痛以外の何物でもないのでやめてほしかった。
アジャイル開発(要件定義⇒設計⇒実装⇒テスト⇒改善の1サイクルを短期間で行い、それを繰り返すことで急な仕様変更などに対応できるようにする開発方法)に憧れていたのか知らないけど、そもそも金融系というシビアな品質を求められるサービスにアジャイルってどうなのって思いました。
実際にテスト設計からテスト実行している間に既に仕様が変更されていて、開発と評価チームの認識がずれているとか結構ありました。
そんなんだから、残業が当たり前になるし、みんな疲弊していくって気づいてほしいけど、当のPMはその状況を楽しんでいるのか改善する気配はなく、自分は2ヶ月で他の案件に移ることになりました。
ちなみに自分はテスト設計を主に担当していましたが、開発仕様書をぶん投げられて、その中から必要な情報を拾って頑張ってというむちゃぶりな要求をされたので、心療内科に電話するところまで追い詰められました
実際にはそのあと受診はしませんでしたけど。

ひどいと思った案件 ワースト1

<ゲームアプリのテスト設計とモニタリング>
理不尽なクレームを出される
ディレクターと喧嘩に発展
期日になってもお金が支払われない

なかなかひどい案件だと思います(笑)
理不尽なクレームは「確率0%の不具合を見つけろ」というものでした。
とあるキャラクターのドロップ率が0%になっているという不具合が、
リリースされてから発見されました。
それについてのクレームが「確率0%の不具合を見つけろ」ということでした。
まず、こちらの言い分としては以下がありました。
 ・評価期間中(依頼期間中)はドロップしていたことを確認済み
 ・確率を設定できるデバッグツールは先方のみ使用可能
 ・リリースした時に先方の開発担当者の設定ミスで不具合発生
うーん、見つけるの無理ですよね・・・

ディレクターと喧嘩したのは、実際に会ったわけではなく、
バグを報告する掲示板みたいなところ(通称バグトラ)に自分が要望を記載したところ、それが火種となりディレクターを怒らせたことが原因です。
自分が記載した要望を要約すると以下の通り。
レベルを上げるために必要な経験値が高すぎる、課金アイテムを使えば少しは軽減できるが、無課金ユーザーが毎日3時間程度プレイするとレベルを99まで上げるのにリアルで100年かかる
実際に、「毎日3時間プレイした時に獲得できる経験値の兵平均」と「レベル99になるまでに必要な経験値の総量」を比較して、具体的な数字付きで要望を出しましたが、結局ディレクター判断でこの要望は見送られました。
この時のディレクターの言い分としては、以下の通りでした。
 ・そんな調査は依頼していない
 ・そんなことをしている時間があったら不具合を探せ

ちなみに、実際にこの件についてユーザーからの不満が続出したため、後に改善されましたが、ディレクターは違う部署に飛ばされたそうです。(後日知りました。)

最後のお金が払われないは、もう普通に契約違反なので、説明もいらないと思いますが、結局資金繰りが上手くいかずに倒産したみたいです。
(ホームページなくなってるし、連絡つかないからたぶん倒産したのかなって思ってるだけですが。)

まとめ

自分が経験したプロジェクトはまだまだ氷山の一角ですので、もっとひどい案件もあると思いますし、もちろんもっと良い案件もたくさんあると思います。
SESは案件ガチャとも揶揄されるぐらい運に左右されてしまうので、おすすめできないという方も多いですが、いろんな経験ができるという意味ではチャレンジしてみてもよいのかなと個人的には思います。
ひどい案件の場合は哲学者になれるかもしれないし、良い案件なら幸せになれます。

今後SESの会社に入社される方の参考になればうれしいですし、現在SESで働かれてる方は「あるあるーw」とか思いながら笑っていただければ幸いです。

以上、お読みいただきありがとうございました。
それでは、また!

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