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「異邦人」を読んだ

「異邦人」カミュ、窪田啓作訳
●手に取ったきっかけ
実家にあったが、内容をまったく覚えていなかったので。読んで忘れたのか、読まなかったのか…平成11年ごろ買ったらしい。

●読書期間
2021年5月中旬〜下旬

●あらすじ
アルジェリアのアルジェに暮らす主人公ムルソーの元に、母の死を知らせる電報が、養老院から届く。母の葬式のために養老院を訪れたムルソーは、涙を流すどころか、特に感情を示さなかった。葬式の翌日、たまたま出会った旧知の女性と情事にふけるなど、普段と変わらない生活を送るが、ある日、友人レエモンのトラブルに巻き込まれ、アラブ人を射殺してしまう。ムルソーは逮捕され、裁判にかけられることになった。裁判では、母親が死んでからの普段と変わらない行動を問題視され、人間味のかけらもない冷酷な人間であると糾弾される。裁判の最後では、殺人の動機を「太陽が眩しかったから」と述べた。死刑を宣告されたムルソーは、懺悔を促す司祭を監獄から追い出し、死刑の際に人々から罵声を浴びせられることを人生最後の希望にする。(wikipediaより)

●ビブリオバトルで発表する?
しないです。みんな読んでそう(笑)再読させるほど魅力的な発表をできる自信がない。

●考えたこと
主人公は過剰防衛により殺人の罪に問われるが、その罪ではなく、「母の死の際に感情をあらわさなかった」「母の死後も生活態度を一切変えなかった、けしからぬ人間」として裁かれる。法は人を裁くのではなく、罪を裁くもの。しかしこの作品が発表された1942年当時のフランスにおいて、そうでなかったのだろう。

いや、それどころか、今の我々はどうなのだろう?さまざまな場面において。誰かが犯したちょっとした間違いを、過度に責め立てたり、社会的制裁を加えたりしていないか?ムルソーに起こった出来事は、我々にも起こりうる。身につまされた。

●作家への感謝の一言
カミュさん、すみません。難解でとっつきづらい作品だと思い込んでいまして…あと、ムルソーいけすかない!と最初は思ってたけれど、最後は「快なり!」と。キリスト教において、神を信じないということの意味は、我々日本人の無宗教よりもずっと重みのあることでしょう。それでも、魂の叫びは受け取ったつもりです。「ペスト」も読みます!


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