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サクッと雨の日の養生

雨の日の養生法は、湿気によって生じる「湿邪(しつじゃ)」から身体を守ることです。中医学では、「湿邪」が体に入ると、消化機能の低下や気血の流れの滞りが起こりやすく、これが様々な不調につながると考えます。湿気は特に脾胃(ひい)に影響しやすく、これが体のだるさ、むくみ、消化不良、頭重感、関節の痛みなどの症状を引き起こします。そこで、雨の日には湿邪を防ぎ、体内の気血の巡りをスムーズに保つ養生が重要です。


まず、食事は、体を冷やさず、温めるものを選びましょう。雨の日は湿気と共に冷えも体に入りやすく、冷たい食べ物や飲み物は体を内側から冷やしてしまいます。生姜やネギ、にんにく、シナモンなど、体を温める作用がある食材を積極的に。これらの食材は気の巡りを促進し、湿邪による滞りを防ぎます。特に、生姜を使ったスープやお茶、鶏肉や根菜を使った温かい煮物などはおすすめです。反対に、脂っこいものや甘いもの、冷たい食べ物は湿邪を助長するため、避けるべきです。

湿気が多い日には消化機能が弱るので、消化に負担がかからない軽い食事を心がけてください。例えば、おかゆやスープなどの温かくて消化に良い食事が適しています。また、豆類やとうもろこし、ハトムギなど、利水作用があり体内の余分な水分を排出する効果がある食材も、湿邪の排出に役立ちます。

運動

適度な運動を取り入れることも重要です。雨の日は外に出て体を動かす機会が減りがちですが、軽いストレッチやヨガ、気功や太極拳など、血をめぐらせるゆったり運動がおすすめ。湿気が体にこもると、気滞(エネルギーの停滞)が生じやすく、これがさらに不調を引き起こします。特に下半身のストレッチや軽い歩行運動は、気と血の巡りを良くし、体内の水分代謝を助けるので、屈伸やスクワットもいいですよ。運動による発汗も、湿邪を排出する効果があるため、無理のない範囲で体を温め、汗をかくことが養生に役立ちます。

環境

雨の日には室内の環境にも注意が必要です。湿度が高いと、体内の湿気がさらに増し、不快感やだるさが強まることがあります。適度に換気を行い、室内の湿度を調整することも大切です。除湿機やエアコンを使って湿度を50〜60%程度に保つと、湿気による身体への負担が軽減されと言われています。また、体が冷えないように足元を温めることもお忘れなく。

メンタルケア

精神的なケアも重要です。中医学では、精神状態と身体の気の流れは深く関係すると考えるので、特にいらいらや思い悩みなどから生まれる緊張があると気の巡りが滞りやすくなります。雨の日は気圧の変化や日照不足で気分が沈みがちになりますが、リラックスできる時間を持ち、ストレスをためないことが大切です。深呼吸や瞑想、アロマなどを取り入れて、心を落ち着かせることが、気の流れを整える助けになりますよ。

服装

衣服にも注意を払いましょう。雨の日は外気が冷たく、湿気と共に冷えが体に入りやすいです。特にお腹や腰を冷やさないように、温かい衣服を着用し、傘やレインコートなどで体を保護することが大切です。濡れたままの状態を放置すると、体が冷え、湿邪が侵入しやすくなるので、濡れた場合は早めに乾いた服に着替えることも忘れないようにしましょう。

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