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no.14【義父の転倒】いつも何度でも…

土曜日、義母がベッドの柵に頭を押し付けられる事故が起きたとき、家にいなかった義父。

しばらくして、血だらけになって帰ってきた(°_°)
家の前で転んだ、らしい。
(黙って出かけていたからか、義父ははっきりとは言わない)

出血は、顔、とくに鼻の辺りと左手の甲から。
鼻の出血は、自分で拭ったのであろう。ただ、何事も適当な人なので、血をうっすらと(ところどころムラを作りながら)、ファンデーションのように、顔に塗り伸ばしたようになっている。

私もこの頃は、これ式のことでは驚かなくなった。何せ、把握しているだけでも、義父は3年間で8回、路上で転倒しているのだ。
その度に、通りかかった方が家まで車で送ってくださったり、救急車を呼んでくださったりと、見知らぬ方のお世話になっている…

出かけるときには杖を持つように、と言うのだが、義父は聞かない。
そして、また転ぶ。
転んで痛い思いやら、恥ずかしい思いをしたことまで、忘れてしまうのか。

初めての転倒は、3年前の5月。
小雨が降る日曜日の午後、市内の総合病院から電話があった。
まず、義父が総合病院にいることに驚く。
聞けば、義父は転んで、道端でうずくまっていたらしい。通りかかった方が、救急車を呼んでくださり、そのまま病院に運び込まれ、手当を受けたとのこと。手当てが済んだので、迎えに来てほしいとの電話だった。
当時は新型コロナの感染が急拡大中で、まだワクチンもなく、医療現場が逼迫し、大変なときだった。
迎えに行った夫は、頭を下げまくっているというのに、義父は知らん顔だったという。もともとの性格なのか。それとも、認知症のせいで、状況が飲み込めていないのか。
ちなみに、このときは、鼻の骨にヒビが入り、前歯が折れた。

思えばここから、義父の転倒の歴史?が始まったのであった。
今回は玄関前の段差で躓いたというけど、どういう状況だったのだろう。

顔の傷は、玄関前の階段に躓いた勢いのまま、玄関扉にぶつかって、できたのだと思う。毎回、左手にケガするのは、右手にスーパーの袋を下げているからだ。

でも、なぜ手の甲に傷ができるのかな。ぐーで手を着くから?
しかも、今回は、はずみで腰を捻ったらしい。
この先も、延々とこのようなことが続くのか。溜息が出る。

義母の小事故に、義父の転倒が重なり、わやわやと落ち着かない週末になってしまった。


月曜日、新しい週が始まる。
気を取り直し、まずはゴミ出し。
消費期限切れの食品が残っていないか確かめようと、義父の部屋の冷蔵庫を開ける。

真っ先に、目に飛び込んできたのは、血のついたスーパー袋(*_*)!
義父が転んだ時に右手に持っていたスーパー袋だ。うわ!
さすがに、後退ってしまった。

しかし、なんで?
叱られると思って、隠していたのかな。言いしれぬ不安が過ったのだった。


在宅介護*観察日記『義母帰る』

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