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がんばろう北陸⑨思わず二度見、そして「負けないで」

能登半島地震から4か月。
桜の季節も過ぎ、風薫る五月である。
私の周辺では、まだ少し地震の痕跡が残っているけれど、それを含めての新たな日常が始まっている。

例えば、気になっていたアスファルトのひび割れは、

補修を待つ間に、草が生えて、緑のラインになっていたり、

TOMMOROW3

補修をして、パッチワークようになっていたり。

パッチワーク風
←補修前 / 補修後→

ゆっくりとした歩みだけど、少しずつ前へと進んでいる。


軒を連ねた家が地盤沈下をした場所。ここはあまり変わりがない、改修はこれからという。


その中に、玄関の戸がガラスの引き戸になっている家がある。築60年ほどだろうか。ガラス戸なので、通りから、中の広い土間がよく見える。土間を車庫として使っておられたようで、エメラルドグリーンの軽四自動車が1台、取り残されていた。戸には「危険」の赤い張り紙。
あの車、どうやって出すのだろう?

道路と家との間のアプローチはほとんどない。しかも家と道路とは50cmほどの高低差がある。板を渡して車を出すというのは無理だろう。
その家の前を通るたび、「どうやって出すんだろう?」と、地下鉄漫才の春日三球・照代の三球師匠ように、考えてしまうのであった。

( ↑ 地下鉄ネタは3分25秒あたり )

ところが、数日前に、その家の前を通ったら、なんと!車がない!!なくなっている!!思わず二度見してしまった。どうやって?その方法は謎のまま。


ふるさとの町でも、液状化による地盤沈下が起き、電柱が沈み、家が傾き、道路がひび割れた。ここ数か月の間に、町を離れた人も少なくないと聞く。
友人の実家も解体された。名前のわかる人、顔が思い浮ぶ人、思い出のある場所が被災しているせいか、心に時折、雲がかかる。

駅前にある、明治創業の靴屋さん。数か月前は、鉄筋2階建ての建物にシートがかけられていた。お店の建物が傾いているのが見えた。
なんとなく、もうダメなんじゃないかという気がしていた。
その靴屋さんが、先週末、地元紙に載っていた。見出しは、
「液状化で床40センチ沈下、常連客の励ましで再開」
「え!?」思わず二度見した。
信じられない気がした。
皆、生活の再建に向け、必死で頑張っていたのだ。
それを傍から見て「どうするんだろう」とか、「無理なんじゃないか」とか、思ってしまっていた私。
「きっとできる」そう信じないでどうする、と反省。

遠くない将来、町が復興したら、そのときに目の前に広がる新しい景色は、私たちに大きな自信をもたせてくれるはず。それまで、寄り添い、励まし、信じて待とう。

久々にZARDの「負けないで」を聴く。このくらい一途に応援されたら、うれしくて、泣いてしまうかも。




ここまで読んでくださって、ありがとうございます。
今日も北陸の伝統工芸品をひとつご紹介します。


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