no.26 義母、空へ還る(その1)
義母の介護を通して、実感したことがある。
ひとつは、看取り期に入ると「食べられなくなる」というより、
「呑み込めなくなってしまう」ということ。
義母の場合も、呑み込む力が足りないために、いま食べたものがノドの奥から先へ進まず、行ったり来たりしていた。
もう一つ。
在宅介護は、ふだんの暮らしの傍にあるのだな、ということ。
在宅介護をしている間も、私は仕事に行き、夫は家事をし、義母の食事の介助をしていた。
義父は義母のとなりで、いつものように、大音量でテレビを観ていた。
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