見出し画像

2021年春②新幹線の多目的室

父の病気を聞いて1日がたった。https://note.com/panda31/n/n762e23794274

私は4か月になる赤ちゃんと新幹線のホームにいた。赤ちゃんにとっては初めての新幹線そして長旅。実家にかえるかな?どうしようかな?という迷いは一切なく、「実家に帰る」という意思が働いた。

前日の夜、荷造りをしていたら、旦那がそっと軍資金をくれた。私がいまどこに向かおうとしているのか、黙って見守ってくれていた。実家に帰る意味を考えると泣けた。

赤ちゃんの必要物は段ボールで郵送、私自身は身軽にいけるようにベビーカーではなく抱っこ紐で、私のリュックには母子手帳とミルクとお湯とおむつをつめて新幹線に乗った。そして、事前に新幹線の多目的室を調べておいた。東北新幹線の多目的室は5号車の近くにある。赤ちゃんの授乳や具合が悪くなった際に使えるとのこと。赤ちゃんとのはじめての旅は緊張する。多目的室を利用させてもらおう。

新幹線に乗ってしばらくは指定席で静かにしていた。授乳時間になり、多目的室の前に移動した。ここは、駅員さんに鍵をあけてもらえないと入れないから、駅員さんが通るのを待っていた。なかなか、通らない笑。どうしよう、、、警備さんにきいてみようかな?

私「多目的室利用したいのですが?」

警備さん「駅員さん呼んできますね」

しばらくして駅員さん到着。鍵をあけてくれた。抱っこ紐をほどいて、からだと心が「ふぅ~」と安堵したのを覚えている。ミルクにおむつに抱っこを存分にした。「どうか膵臓癌がよくならないか」赤ちゃんをぎゅっと抱きながら、思った。

「まもなく~~」車内のアナウンスが聞こえ、多目的室を後にした。(写真は多目的室)

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?