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2021年春①(4月) 膵臓癌

昨年秋に第一子を出産し、子育ても落ち着き、コロナがおさまったら2年近く帰れていない実家に帰りたいなと思っていた。いつ帰れるかコロナのニュースを横目に母と電話をしていたある日、父が市のがん検診を受けてることを知った。

「なんかね、胃にポリープみたいのがあるみたいで、2次検査しているのよ。大丈夫かしら?」と母。

「大丈夫だよ。ポリーフだよ。とればいいんだよ。2次検査なんて大げさだね」と私。大丈夫だよと言いながら「再検査 誤診」などの情報を探したりしていた。

3次検査になったときは、「3次検査の8割くらいがなんでもないことが多いみたいだよ。」と何かネットで探してきた定かでない情報を話してはみたものの「何にもなければいいな」とよぎった。

3次検査の結果がわかると話していた水曜日。時間的にはみんな家に戻っているころだろう。でも、実家に電話をするけれども誰も出ない。おかしいな?もう結果が出ているはずだぞ。なんどか電話をする。携帯に、実家に、ラインに「おーい、どうだったんかね~?」と結果を求める。

夜、ようやく母と電話がつながった。「結果、どうだったん?」聞くと「今度ね」とのこと。今教えてほしい、、、と思ったけれども、それ以上追及できるわけもなく電話を切った。翌朝、母が父が庭で紅茶を飲んでいる写真を送ってきて「今日はいい天気です」とコメントしてきた。母と父が一緒にいる今が検査結果を聞くチャンスだとすかさずテレビ電話をして「昨日、どうだったの?」と聞いたら一瞬顔を曇らせてから「ちょっと今度な」と少し微笑みながら二人とも言葉を濁した。これは何事かと、一緒に住んでいる兄に、ラインで聞いた。兄からは「父の体力勝負次第」とかよくわからない返事がかえってくる。意味が分からない、と兄電話をして、結果を聞いた。


頭の中が、真っ白になった。それほんとう???と聞くと兄は
「今、お父さん寝ていると思うから電話して、励ましてあげて」と言ってきた。さっきまで庭で紅茶を飲んでいたであろう父に電話をした。

「お父さん聞いたよ」

父「やっちゃった。」

私「何、どういうこと、6月に一緒に温泉行く予定たてているんだけど」

父「やっちゃった。膵臓癌」

私「レベルは?」

父「よく知っているな。レベルは4、、、、4b肝臓にもある」


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