マガジンのカバー画像

武庫川ありす詩集

36
自然、孤独、愛、慈悲などの 詩を書いてます。
運営しているクリエイター

2021年7月の記事一覧

伝説のボクサー

彼は伝説のボクサー 今だかつて負けたことはなかった 特にその動体視力は優れ 相手のパンチ…

1

夏の落ち葉

夏の風に吹かれて からからと 落ち葉が足音を響かせる 灼熱の太陽 せっかく逃れたアスファ…

1

乳母車

ある昼下がりのこと 彼が交差点で信号待ちしていると 乳母車を押す若い女性が 彼の隣に来た…

1

悪い人間

悪い人間ではない ただ、どうしようもないほど 馬鹿なだけ 無知 不注意 思慮不足 判断力…

1

貧しさ

貧しさはいいことです お金がたくさんあれば 道に迷うでしょう 進める道が枝分かれして い…

1

この心は何模様

この心は何模様 とらえがたい自分の心は 頭では理解している 許せなかったことも ひとつひ…

3

思い出の場所

思い出の場所に 久しぶりに行った 昔から好きな場所だ 心が苦しい時 いつもここへ来た 青い空が広がり 川がその空を映し流れてゆく 夏の太陽はあちこちに 美しい木漏れ日を作り出す 全ては移り変わるもの なのに何も変わっていないように見えて あの頃、心慰められた日と同じく 雀や鳩はえさを探して歩く その表情は明るく 嬉しい労働といったところ 目の前の大きな一本の木は あの頃と変わらず そこに立ち続けている この暑さの中 日陰に入らず 歩き疲

異国の歌姫

必死で覚えた言葉だから 大切に思い 心を込められる 異国の歌姫よ その美しい歌声で いつ…

3