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極悪女王 80年代女子プロレスの物語①

 いまさらながらNetflixにはまりだした。きっかけは空前のブームとなっている「地面師たち」の反響をもとに、遅ればせながら視聴し、評判通りの面白さですっかりはまってしまった。
 
 もともとテレビドラマが大好きで毎クール数本のドラマを見ているが、Netflixという新たな楽しみを手に入れてしまった。おかげで時間がいくらあっても足りない。

 「地面師たち」は評判通りかなり面白く1日で全エピソードを視聴してしまった。やめ時が全然見つからず、朝早起きしてみたつもりが全部見終わった時にはすっかり夜になってしまった。地面師たちは今度ゆっくり感想を書こうと思う。他にも昨年クランクアップされた「サンクチュアリ」という本格相撲ドラマも見たが、これも面白く一気に見てしまった。

 そして9月19日に新たに配信されたのは「極悪女王」である。こちらも期待大だ。

 「極悪女王」とは1980年代の女子プロでは史上最凶の悪役レスラー、ダンプ松本(松本香)の半生である。46歳の私にとってダンプ松本や全日本女子プロは思いっきり世代である。今の若い人には信じられないかもしれないが、もしかすると男子の全日本や新日本プロレスよりも全女のほうが人気や勢いがあったのではないかと思われる。80年代プロレスではジャイアント馬場もアントニオ猪木も健在で、男子のプロレスも凄いのだが、それをもしのぐのが女子プロだったといえる

 この人気絶頂の女子プロで抜群の存在感を放っていたのがダンプ松本だ。ブラウン管の向こうで竹刀を振り回している姿を見て、子供の私は泣き出してしまうぐらいだ。
 男子よりも体が大きくて口の悪い「まつもと」という女子はもれなく「ダンプ松本」という称号を与えられていた。

 第1話ではそんなダンプ松本が全女の門を叩くところから始まった。そして、全女の門を叩いたダンプ松本(松本香)は体こそ立派ではあるが、プロレスラーとしてはあまりにも心優しく、闘争心のかけらもなかった。運動神経や体力も他の同期よりも劣っていたが、女子プロへのあこがれだけで必死に食らいついていた。

 松本香が全女の門を叩いたころは空前の女子プロブームであり、全女のスターはビューティーペアだった。プロレスラーなのに二人ともスタイル抜群で歌って踊れるアイドルだ。すべての女子たちのあこがれは、ビューティペアの2人だ。

 しかし、ビューティーペアの二人は実はあんまり仲が良くないし、マキ上田はリングの上で歌を歌いたくないし、パートナーのジャッキー佐藤とのコンピを解消したいと思っている。ビューティーペアは全女のアイドルであり、カリスマだ。下手すると当時のトップアイドル山口百恵よりも女子人気があったのではと思われる。そんなビューティーペアを解散させるわけにはいかない。

 マキ上田とジャッキー佐藤のシングルマッチが行われた。コンビ解消どころか負けた方が引退となるとんでもないカードだ。ジャイアント馬場とアントニオ猪木が対決するようなものだっていうのはさすがに言い過ぎか。

 こうして、ジャッキー佐藤が世紀のシングルマッチを制し、敗れたマキ上田が引退した。

 この世紀の一戦をアリーナで見ていた松本香は女子プロレスラーに憧れ全女の門を叩く。この時の同期は北村智子(ライオネス飛鳥)と長与千種がいた。北村智子は持ち前のセンスで早々とプロデビューを決めた。一方で長与千種はなかなかプロテストに合格せず、松本香とともにあきらめずに食らいつく毎日だ。この時は3人とも全女のベビーフェイスだ。

 主人公のダンプ松本はゆりあんレトリィヴァーが演じ、ライオネス飛鳥を剛力彩芽、長与千種が唐田えりかが務める。

 後のクラッシュギャルズの二人、なんか知らんけど訳ありの二人がやるのはどういうことだ。一昔前にドラマやCMに出まくっていた時には何とも思わない二人だが、今では物凄い期待の二人だ。それ以上勘ぐってはダメか

 こうして第1話を通じて、ダンプ松本が全女の門を叩いた。あのダンプ松本が優しすぎてプロレスラーに向かないと言われた時代があったとは……

 70年代のビューティーペア、私にとっては伝説でしかないけど、全女の雰囲気と勢いを感じることができた

 これから、ダンプ松本が凶悪になるだろう。

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