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アイドルの卒業@クラポエンカウンター
歩いて来た道の途中で分かれ道があれば、同じ仲間と同じ道を進む。もしくは別の道を一人で歩く決断をすることもある。私たちは、将来の選択肢を全ては選べない。どちらに行くのが正解なんてことは無く、ただやっぱり寂しい感情は避けられない。誰もが直面することだからこそ、これまでの活動に感謝を伝えるので精一杯だ。
2020年9月27日、約10ヶ月ぶりにCROWN POPの単独ライブが行われた。
この単独ライブの活動を持って、メンバーの山本香織さんが卒業することを2週間前に知らされた。直接ライブには行けなかったものの、配信された映像のアーカイブを視聴した。現地に行けなくてもほぼ同時期にライブを観れるのはありがたい。とても暖かくていいライブだった。
私が彼女たちを知ったのは2年ほど前で、CROWN POPは結成から5年の月日が経つ。今の彼女たちと2年前のライブ映像を見ると、明らかにパフォーマンスや見た目の華やかさが違うことは素人目にも分かる。メイクや歳を重ねて垢抜けたといった理由だけじゃない、努力し人前で魅せることを積み重ねて来たからこそ滲み出る光。
5年間活動を続けるということは、本当にすごいことだと思う。
特に夏Sからスタプラフェス、そして今に至るまでの進化は目を見張るものがあった。知らず知らずのうちに1曲からグループの存在を知り、メンバーを知り、今では全員の個性とクラポチームが好き。続けたからこそ出る輝きで、今後もCROWN POPはより多くの人を魅了していくのだろう。
特別なライブの映像を見ていると、どうしても色々なことに想いを巡らせてしまう。映像からメンバーそれぞれの想いを勝手に感じ取る。艶がかった青と白の衣装、客席の頭上にシャンデリアや照明がステージを照らして眩しい。
最初から女優さんのようなオーラを持っていたかおりんが、観客側を見ながら踊る姿は余裕があるように見えてかっこいい。かと思えば、自分のパートじゃないところも口ずさむ姿とか可愛い瞬間を見つけると嬉しくなる。
人との出会いは縁だと思うけど、こうしてアイドルとファンとの出会いもまた縁だと思う。だからこそ、できるかぎり応援したい。
映像から見た会場は声を出して応援をすることができないことに最初はもどかしさがある中、コールのタイミングに合わせて盛り上げる手拍子に一体感が生まれていく。
「夏キラリ」という曲は底抜けに明るくて、聴いていると元気が出る。
サビに入る瞬間に「行くぞーーーーーーーー!」と煽る定番のかおりんの声が響く。元気に張り上げた声が聴こえるのは嬉しいのに、涙が出そうになる。この声を聴くだけでライブを観てよかったと心の底から思った。そのタイミングでいぶいぶの潤んだ瞳が映る。こんなに楽しくて明るい曲なのになんて切ないんだろう。何度も歌って来た曲だから、思い出させるあの時あの場所。
アンコール後に披露された「またね」を歌いながら涙を流す姿が美しい。泣きそう、でも、泣かずにやり切りたい、全員のそんな想いや笑顔と涙がライブの最初から詰まっていた。
その次に流れたのは「手のひらに青空」。私はこの曲が大好き。曲中でいぶいぶが歌い上げると同時に上げた右手を取り、歌いつなぐかおりんのシーンにはグッと来た。どの曲も1曲1曲がよかったけど、特に「手のひらに青空」は個人的に好きな曲ということもあってあっという間だけど時間がゆっくり流れているような感覚もあった。
最後の挨拶のシーンで、かおりんは「自分で決めたことなのに少し寂しいなと思う。」と漏らした。当たり前にそう思ってもいいよ!と言いたくなった。誰だって自分で決めたことでも、素敵なメンバーとの活動を離れるのは寂しいに決まってる。
決断をする側の辛さは、本人にしか分からない。別れの決断をできる人は、強い人でもあると私は思う。
かおりんの卒業に対してメンバーがコメントをするシーンは少なかったけれど、全員で考えたというセットリストを見れば全員がかおりんのためにも、前向きに楽しくライブをしたいんだと分かった。最後の曲をかおりんのソロ曲Crossoverを6人で振り付けもつけて披露したことも、そうだろう。
ずっとこの瞬間が続けばいいのに。そんな時間だった。愛理ちゃんが涙で言葉に詰まり、この言葉を言えばライブが終わるという時に、本当に終わるんだな、終わって欲しく無いなと思った。
寂しいけれど、幸せな空間・・・それぞれの新しい道を応援したくなるこの場は、まさに"卒業"という言葉がふさわしい。
このライブが、全員にとって新しい門手になりますように。
*新体制でもある5人でのライブは、10月4日のTIF!こちらも見逃せない。
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