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リモート時代のエンジニアチームビルディング、失敗したこと、成功したこと。

こんにちは!キッチハイクでエンジニアをしている izmipo です👩🏻‍💻 フロントエンドチームのマネージャーをしています。

キッチハイクは、ほぼ完全リモートワークに体制を変更してから約9ヶ月が経とうとしています。そんななか、新しいメンバーが5人もジョインしてくれました 👏 リモートネイティブな彼らとともに、オンラインでのコミュニケーションが標準になりつつある環境で、強く楽しいチームを作っていくことは、リーダーの至上命題といえます。

では、いったい何をすれば、コミュニケーションの効果を最大限引き出せるのか?
年納めということで、うまくいったこと / いかなかったことを、それぞれご紹介したいと思います。

前日譚: 顔を合わせて雑談の限界

今思えば、私たちのコミュニケーションは、テキストだけでは補いきれないものに支えられていたと思います。

「他人と食卓を囲む」これは、キッチハイクのサービスの根幹にあたる振る舞いです。私たちは、日常としてオフィスで実践していました。そこで偶発的にうまれる会話や、何気ない相談事、そしてそこで共有される表情や雰囲気・・・それらがいかに、日々のチームビルディングやプロジェクトの進行の補助線になっていたかということを、在宅に移ってはじめて実感しました。

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オフィス時代と同じ取り組みをオンラインでもやろうとしましたが、生活リズムの重心がオフィスから自宅になったことで、うまくいかないことも多いと分かりました。例えば、家族と共に過ごすメンバーは、どうしてもzoomランチに参加しづらかったりだとか。

そんな欠けた「何か」を補うため、試行錯誤を始めました。

失敗編1) 全員参加のMTGで、司会者しかしゃべらない

現在、エンジニアチームは9人で構成されており、週初めの朝MTGは全員参加としています。

基本的にキッチハイクは情報をオープンにする文化です。さらに週初めは、経営層の動きのキャッチアップなど、重要コンテンツが盛りだくさん。あれもこれも伝えたい...!と共有事項を増やした結果、約45分のMTGのほどんどを、司会者1人(私)が喋っている状態にしてしまっていました。

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この状態、リモートに限ったことではないと思います。MTGの目的が100%上司からの共有であれば問題ないと思いますが、私はもっと双方向性の割合を増やしたいと思いました。また全員の貴重な時間を使う場なので、1人1回はなにかの発言をするような場にしたい、と構成を見直すことにしました。

失敗編2) チームの朝会で、個別の相談まで踏み込む

どんな組織でも、日々のタスクの進捗など具体的な共有・相談をする場があるかと思います。私たちはそれをフロントエンドチーム(エンジニア4人 + デザイナー1人)でやっていますが、対面の朝会が120%効果を発揮できていない、というジレンマがありました。

その原因は、以下2つの時間のもったいなさにありました。

1. 共有目的の情報はテキストをみればわかるのに、同じ内容をなぞって話す
2. 個別の相談をはじめると、画面越しにずっと会話に参加しないメンバーがでてくる

こうした振り返りから、チームの朝会はドキュメントベースに切り替えました。相談は、ドキュメント内にコーナーを設けて、当事者間で概要の共有とスケジューリングできるようにしています。効果を120%にするにはまだまだ改善が必要ですが、そこそこワークしています。

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成功編1) もちまわりでプレゼンする「15分ミニ朝会」

「15分ミニ朝会」の構成は、5分間のラジオ体操と、10分間のプレゼンタイムです。内容は技術の話題から各自の興味・関心など、みんなに話したいことならなんでもOKで、エンジニアチーム全員でのもちまわりでやっています。

これは、我ながら今のチームにかなり良い形でフィットしています!

- 目には見えない、各メンバーの頭の中や嗜好、人となりを知れる
- 自己研鑽の補助線になる
- 忙しいプロジェクトの合間のリフレッシュになる
- まわってくる頻度がちょうど良い

実際に、これまで出たテーマをいくつか紹介したいと思います。

ウィンドウとタブを探し出すChrome拡張を自作した話

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今年呼んでよかった、おすすめ文化人類学本の紹介

12_16 ミニ朝会

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無題のプレゼンテーション

成功編2)背景をそろえて、全員で「今週はどんな1週間」宣言をする

失敗編1)では、「1人1回はなにかの発言をするような場にしたい」という改善点を掲げました。そこからの具体的な改善案になります。

まず、MTGにおける共有の割合を減らし、20%ほどをこの各メンバーからの宣言タイムに充てるように変更しました。先週よりも今週の成長をめざすため、「今週はどんな1週間か」をひと言でまとめてもらい、翌週はその達成度を振り返るようにしています。

また、emochan というカードゲームが提供してくれているzoomの背景画像で、メンバーの週初めの気持ちを可視化するようにしました。

この取り組みの採用のきっかけは、クラシコムさんのnoteです。

まだ始めて間もない取り組みですが、なかなか良い感触です!MTG導入の会話の材料にも貢献してくれています。

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我々は海から陸上への適応途中

これまでの試行錯誤の間には「なんだか思ったようにうまくいかない...」が無数に生まれ、チームのことを考える立場としてはなかなか苦しい状況でした。それはさながら、海から陸へ初めて適用しようとする生き物のようだと感じます。

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ただ、これまでの失敗 / 成功でみえてきたものがあります。リモートで欠けた「何か」= 補いたいことは、"ふとしたこと"からのメンバーへの興味・関心なのではないかと思います。

例えば、生身の相手と会う時は多くの情報が近距離で入ってくるので、真新しい靴をはいていたり、表情の細かい機敏から、相手への関心を自然と生むことができます。
一方で、リモートは画面以外は基本的に「個人」の世界です。そうなると、何かしらの補助線を引かないと、関心がどんどん内に閉じていってしまうのだと思いました。

また、当然ですが、良いコミュニケーションには相手の協力が不可欠です。そこで意識したいのが、傍観者にならず、参加者になること。相手への興味関心をつくる試みには、これまでよりもエネルギーが必要なのは確かです。でもそこを1歩踏み込んでいけると、オンラインだから...が理由にならないくらいコミュニケーションに温度が生まれ、物事が進みやすくなることは間違いないと思います。

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この記事が、コミュニケーションに悩むリーダーのみなさんにとって、少しでも助けになれば嬉しいです。組織の規模や文化によってベストプラクティスは千差万別だと思うので、みなさんもぜひ、成功・失敗をオープンにしてみてください!私たちも引き続き、より良い形を目指していきたいと思います。

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今回、リモート環境下でのコミュニケーションに関する考え方や表現は、シリコンバレースタートアップ Chomp, inc. のCTO @tomoaki_imai さんのスライドを参考にさせていただきました。コミュニケーションの緩急、ってすごく良い言葉ですね...!

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キッチハイクではサービスミッション「もっともぐもぐ、ずっとわくわく」を掲げ、食とコミュニケーションを軸に豊かな社会づくりに日々邁進しています。

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