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瞳のなかの一等星

お刺身を手渡すときの 魚屋さん
お会計した本を渡すときの 古書店のお兄さん
茶葉のことを教えてくれた 中国茶屋のお姉さん
台湾のジューススタンドの おばあさん

物静かに働くみなさんの手がとまり
こちらをむき顔があがり
目があうとき

瞳が輝いてた 
キラキラだった

一等星くらい
一等星よりもあたたかく
彗星よりもゆるやかに

輝いていた

魚がすきなんだなぁ
本がすきなんなぁなぁ
お茶がすきなんだなぁ
この生活がすきなんだなぁ

この瞬間に輝けるということ
いいなぁって

その瞳を向けてくれたこと
嬉しいなぁって

あなたという宇宙の誕生
あなたのなかの星のきらめき
何億光年もかけて やっと会えたね


ひとは宇宙よりもひろいと思う
だれにも侵略されちゃだめだと思う
だれにも奪われないように

あなたの好きなものが
あなたの中で すきなだけ
輝き続けますように

生まれたばかりの星も
大小関係なくいつか
一等星の輝きとなりますように


そっと祈った

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