虫
スマートフォンの光めがけて
飛ぶ
夜の虫のよう
そこに集まる
ひとびと
しるひともしらぬひとも
みんなそこにいる
すっぱだかかもしれない
泣いているかもしれない
笑っていないかもしれない
みんなそれぞれの
眠れない理由をもちよって
その理由については語らずして
日中でもいいことを
夜のせいにして
つぶやく
耳を澄ませてみたい
沈黙の向こうに
あなたの鼓動に
わたしの心臓に
ほんとうは触れていたい
やわもちクッションではなく
あたたかな皮膚に
母体に 甘えていたい
こんな気持ちがあるから
わたしはやっぱり虫にはなれない
どこまでも人間くさい人間
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