Daily Life - Vol.015 - 長谷園愛#1

「長谷園(ながたにえん)の土鍋がとてもよくて〜」と話すと、反応はだいたい2つに分かれる。


「えっ、永谷園って土鍋も出してるの??」

お茶漬けや麻婆春雨を思い浮かべた顔をしている。あたまのなかの検索エンジンに参照先が味一筋永谷園様しか引っかからないらしい。うん、土鍋の話はやめとこうと判断する。ここまで15秒。

あまり、台所道具や料理にはこだわりがないようなので、このあと土鍋でご飯を炊いていることなどを話すと、「#丁寧な暮らし」をすぐに貼り付けられてしまいそうで、話を切りかえる。永谷園の麻婆春雨のCMって、ドラえもんの時間によく流れてたよねと言う。この間わずか30秒。



そしてふたつ目がこちら。

「わぁ♡長谷園!(オメメキラキラァ)」
「わぁ、土鍋きになってるんですぅ〜♡」

あぁ、キタキタァ〜。となる瞬間。喜。

喜びと開放感から、あばばばばrrrと話したくなる身体を、興奮する犬なでるようにどうどぅ〜としながら、しっとりめのリコメンドをこころみる。いつもより多めに喋っているのは分かる。

こういうとき相手が無水鍋派なことが多い。先日、バーミキュラで米が炊けると聞いてとても興味がわいた。沸いた。米の食べ比べをしようと誘うのを忘れた。


おなじBPMを感じるときには、はじめちょろちょろ、なかぱっぱな調子で、中盤すごく早口になってしまう。まず米がばつぐんに美味いとか、米で米が食べれそうになったとか、土鍋で炊いた肉じゃがが美味しすぎるとか、そんな話だ。それでお話もふっくらたけて満足なんだと思う。


こういったことが、炊飯器をすてて土鍋御飯で生活をしている2019年から続いて、4年。わたしの生活には土鍋御飯が必需品になっていて、4年も経過してみると、せっかちなのに美味いものが食べたい私には、土鍋がとてもあっているなぁ〜と日々思う。

だから最近は、春雨のはなしに切りかえるのも、そうせず土鍋ごり押しするのも、土鍋をめぐった話題が豊富で面白いなぁと感じる。まだ出会ったことはないけど、台所道具Lover第3形態みたいな、めちゃめちゃ道具詳しいかたから見た土鍋ののよさとか、得意なことも聞いてみたいなぁと思う。

違いが気にならなくなってきた時って、身体や生活にほんとうに馴染んだ時かもなぁ〜と思う。


そして今年。あたらしくむかえた長谷園の粥鍋が最&高で、コンロがDJデッキに見えかけたし、台所がダンスフロアだったし、ODORE〜!って感じだったけど、踊っていたのは釜の中の湯だけで、わたしは静かに見守っていました、という話をまたどこかで。


きょうは小雨です。

傘を持って、暖かくして、行ってらっしゃい。

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