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広告漫画・作画リメイクのご依頼をお受けしました。【依頼主様向け記事】

こんにちは、2020年から広告漫画を細々と生業にしているわたくしです。
広告漫画家とは名乗りません。絶対に。

さて今年に入ってから、「既にある広告漫画の作画をリメイクしてほしい」というご依頼が立て続けにありました。

私はもともと、「広告漫画が上手かろうが上手くなかろうが、商品の売れ行きには関係ないだろう」と思っていた人です。
いや実際、一番大事なのは“商品そのもの”でしょう。

もちろん有名漫画家やインフルエンサーが漫画を描けば影響あるでしょうけど、“名もなき漫画家”であればそこまで大きな影響は無かろう、と。

しかし2024年になって作画リメイクが立て続けに来たということは、もしかしたら多少はクオリティが影響する時代になってきたのかな、と感じました。

* * *

※注※
タイトルにある通り、この記事は広告漫画を依頼する依頼主様向けに書く記事です。よって、クリエイターの方々には心に突き刺さったり、腹が立ったりする可能性もあります。

作画リメイクを良く思わないクリエイターさんもいらっしゃいますからね。

ちなみにクリエイターさん向けの記事はFANBOXに支援者限定で公開しておりますので(500円で読めます)、気になるクリエイターさんはよろしければどうぞ。↓

まあこっちの記事も心に突き刺さる可能性はあるんですけどね……。

けどクリエイターさんに優しい記事になっておりますし(終盤は)、広告漫画を描かないとしても、こういう業界で絵や漫画を描いていこうと思うなら、一読して損はないです。きっと。

* * *


◆実際、何をリメイク(修正)したのか

元々のご依頼は「セリフも構図も全くそのままで絵柄だけ変えてほしい」でした。

が、元漫画を拝見していてキャラクターの配置・構図が気になる点が多々あったので、けっこうな割合で変更・修正しています。

誰が(誰と)・どこで・何をしているかを表現すること、構図によって迫力を出したり感情を伝えたりするのは、この4年(主に自分の創作漫画で)必死に研究してきたことですからね。

もちろん、元漫画の構図がすでに素晴らしいものはそのままにしています。
良いものをわざわざ変える必要はありませんので。

また上記に関することですが、背景を細部まで描写したり、
 ↓

主人公の持ち物なども細かく描写しました。
 ↓

「えっこの程度で細かいの?」と思う方もいらっしゃるかもしれませんが……(でもそんなこと思うのクリエイターだけなので、だからクリエイターには読まれたくない)。

権利の関係で元漫画と比較することができませんので、“元々はこれよりも細かくなかった”と思っていただけると幸いです。

* * *

あと今回は恋愛・ラブコメシーンに力を入れております。
元漫画のかたが可愛らしく描いていらっしゃったので、その可愛さを消さないよう、さらにかわいい/かっこいい/キレイを目指しました。

これは非常に好きなシーンです。↑かわいい。
イケメン描くの苦手だったんですけど、この漫画は非常に楽しかったですね。

あとこのシーンの草野君は一番イケメンに描けました(自画自賛するタイプ)。↑

こちらは元漫画とほぼ同じ構図なのですが、手を取る仕草とか、実はエレベーターの「閉」ボタンを押している所とかをより細かく描写した感じですね。

◆何気に力を入れているリメイク:セリフ回し

漫画を描いたことのないかたは気付きにくい点ですが、実は漫画で重要なのは作画とともに“セリフ回し”もです。

私はもともとセリフの多い人間で、編集部さんに「小説読んでるみたいな気分になる」と言われるタイプだったので、これもまたこの4年でめちゃくちゃ修行しました。

いかにセリフを短くし、絵に描いて物事を説明・表現するか。

特に広告漫画は商品説明になると不自然に長文でわかりにくいセリフになりがちなので、その辺りは気をつけて修正いたしました。

私はもともとゲームのシナリオライターや漫画脚本もやっていたので、正直言って作画よりセリフ回しのほうが自信があります。

(今回の案件は商品を公開せずに実績紹介をする決まりになってるので、具体的に「このシーン!」と言えないのが残念ですが……)

……というか文章が得意なのは、このnoteでの膨大な過去記事を読んでいただければお察しいただけることですね😅

◆作画リメイクをした効果はあったのか

私は一介の漫画家なので細かいデータまでは教えていただいていませんが、「この絵柄に変更して、(広告)効果が高まった」とご依頼主様からご報告いただきました。ありがたいことです。

お金払ってリメイクして何の効果もなかったら悲しいですからね。

また、この3ヶ月で今回のものを含め3本の広告漫画をリメイクしましたが、どれも“元漫画の色が淡い”と感じました。

私の絵はご覧の通り色がハッキリしているので、目に留まりやすいのかもしれませんね。

今回の漫画は、個人的にはいつもより淡い感じにして色数を抑えたつもりですが、後から見返してみたらめちゃくちゃいろんな色使ってました。
抑えたつもり……とは……?

そういえば学研様から出版した時も、編集Mさんに「巴さんの絵は色がカラフルですよね〜」と言われたんですよね。

※下記記事参照↓

もうそれを自分の売りというか魅力にして活用していったほうがいい、と最近は思っています。
まさかそれが広告漫画に役立つとは思ってもいませんでしたが。

◆なぜクオリティが影響する時代になってきたと感じたのか

この記事の冒頭で「多少はクオリティが影響する時代になってきたのかな」と書きました。もちろん作画リメイクを頼まれたから、という単純な理由もあるのですが……もうひとつ理由があります。

私は時流を読むのが趣味です。で、“現代(令和?)はクオリティの高い漫画が無料でたくさん読める時代になった”と感じるのです。

私も広告で流れてきたさまざまな漫画を見て「絵、うっま!!」と思うことが多々あります。

あんまり人の漫画を読まない私ですらそうなのですから、もっと漫画を読む一般の方々は、画力の洪水に呑まれていることでしょう。

そうなると、おそらく広告漫画も“ある一定以上の画力”がないと目に留めてもらえないんですよね。

少し前までは、エッセイ漫画っぽいライトな絵柄で広告漫画を描くのが主流だった気がしますが……

画力おばけや野生のプロが氾濫するこのインターネット社会では、多分その画風だと目に留めてもらえないのです。

もちろん、絵を見ただけで「あの人だ!」と瞬時にわかるような、既に有名なエッセイ漫画家さんは別です。

また、誌面(紙面)だとそこまでの画力は必要ない気もします。
(液晶よりも紙のほうが人の目を引いたり記憶に残す効果があるため)
※その辺の詳しい話は下記記事参照のこと↓

つまり、インターネット社会に広告漫画を出す時だけ、“作家自身の名声”or“無名作家である場合は、ある程度の画力”が必要になってしまったのですね。

紙で広告出すよりコストがかからず、誰でも気軽に広告を出せるようになったお陰というか、弊害というか……。

私は自分で言うのも何ですけど、めちゃくちゃ画力の高い漫画家ではありません。(尊敬する井上雄彦先生と坂本眞一先生と比べているので余計そう思うのでしょうが)

しかしながら、

・背景や小物のディテールにこだわって作画できる
・カラフルな色で目を惹く作画ができる
・表情の表現や心理描写がうまい

(それはたぶん心理カウンセラーでもあるからでしょう)

という魅力はあると自負しています。
……いや、自称するのは恥ずかしいので、上記は友人や編集者さん等をはじめとする“人から言われた評価”です。

あと手フェチなので、“手での感情表現”が多い気がしました。面倒くさがって手を省略して描く人、意外と多いみたいなんですよね。
変態フェチもたまには役に立つものです。

* * *

色々ゴタゴタ言いましたが、ひとまず絵柄をリメイクして広告効果が上がったという結果は出ているそうですので……。

せっかくお手元に広告漫画があるのにいまいち効果が出ていない気がするお客様は、よかったらリメイクをご検討くださいませ。

ちなみに2024年7月中の受注は終了しましたので、広告漫画リメイクのご依頼は8月から再開します。
「8月分の制作を予約しておきたい!」というかたは、7月の時点でお問合せくださいませ。

本日の実績はサイトのほうにも掲載しております。
noteに載せていないシーンも載せていますので、よろしければどうぞ。
 ↓

お見積もり、お問合せはサイトのメールフォームからお願いいたします。
 ↓

それでは本日はこの辺で。
ごきげんよう、さようなら。

※下記に著書の紹介をしておきます。
あんまり広告漫画では頼まれませんが、猫の絵やちびキャラでも広告漫画を描くことはできますよ〜。

◎著書のご紹介

漫画家 兼 心理カウンセラーとして、心の整え方のヒントを解説した本を出版しています▼

株式会社Gakkenより刊行された本です。
上の本は紙版も電子版も上のリンクからご購入いただけます。Kindle Unlimited会員のかたは電子版を無料で読めますので、お気軽にどうぞ!

【自己出版本(同人誌)】

心理漫画「マンガでわかる!なぜあの人はキレ散らかすのか」

紙版↓

電子書籍版↓

オリジナル創作漫画「パパは暗殺者(アサシン)!」

紙版↓

電子版↓
(※電子版は紙版の1〜3巻までの内容が収録されています)

エッセイ漫画「おじさんとねんちゃん。」

紙版↓

電子版↓

自己出版本のほうもKindle Unlimited会員のかたは全て無料で読めますので、ぜひアンリミでお試しくださいね〜。
Kindle Unlimitedの無料体験や登録はこちらから行えます。

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