なぜ今、紙の本がいいのか。紙の本の利点
私は紙の本が好きです。
というか、読み物全般が好きです。
ただ、全ての読み物を紙で買っていると自室が破裂するため、最近は電子書籍もかなり利用しています。
なのにやっぱり紙の本が好きなので、つい紙の本を買ってしまい、本棚から溢れた本と格闘する日々です。
出版業界は以前より紙の本が売れなくなり、かなり苦しい状況だと聞いています。最初は紙で単行本が出たにも関わらず、売り上げが芳しくないので続刊が電子書籍のみになってしまった、という作家さんのお話も聞いたことがあります。
そんな「紙の本が売れない」今、あえて私は「なぜ今、紙の本がいいのか」を語りたいと思います。
似たような記事を書いている人がすでに何百人何千人といるんじゃないかという気もしますが、私の周囲では見たことがないので、自分なりの考察を書いていきましょう。
◆本当に必要とされていないものなら、既に無くなっている
わざわざこんな時代を逆行した記事を今書かんでも、と書きながらちょっと思っていますが、とはいえそんなに「大逆行」というわけでもない気もしています。
音楽業界だってダウンロードやストリーミングが人気なのに、レコードが未だになくならなかったりするじゃないですか。MDは無くなったのに。
カセットテープは無くなったかと思いきや、なんか令和の大復活を遂げたみたいですね。レディー・ガガもカセットテープで楽曲を販売していたとは知らなんだ……。
上記と同じアルバムのレコード版。カセットテープ版はもう売り切れていましたが、レコード版はまだ購入できるようです。
↓
「レコードなんて一部の愛好家が買っているだけだ」と言う人もいるでしょうが、それが本当にごく少数ならすでに存在が無くなっているはずなので、まだまだ少なくない人数の方々がレコードを愛用・愛聴しているから無くならないのだと思います。
紙の本も同じく、なのでしょう。“一部の愛好家”が購入する存在になりつつあるのかもしれないけど、完全に存在が無くならないということは、その“一部”はまだまだ多い数なのです。
◆紙の本(特に漫画)は、人に勧めやすい
紙の本派のかたはよく「紙の質感が…」「手触りが…」「インクの匂いが…」などと言われていますが、実は私、その辺にはあまり興味がありません。
職業柄、RGBカラーとCMYKカラーの違いには敏感です(意味がわからない人はGoogle検索で調べてください)。しかし紙に印刷された色のほうが好きというわけでもありません。どちらにもそれぞれの魅力があります。
私が紙の本を推す利点としてまず挙げるのは、「人に勧めやすい」ということです。
「良いものは独り占めしたい・好きなものは自分だけで楽しみたい」という人もいるでしょうが、私はどちらかというと「良いものは人に勧めたい・見てもらいたい」と思うタイプの人間です。
そういう時、紙の本だとパッと渡して読んでもらいやすいのです。
漫画だと特に。
こんな感じで、とりあえずぱらっとめくってみたりするじゃないですか?
「借りて帰っていいよ!」って言われたら借りて帰るじゃないですか?
電子書籍だと、「この本良かったよ!」ってURL送ってもらっても、「あとで読むね!」って置いといてそのまま忘れたりすることがあるんですよ。
もしくは、ダウンロードはするけど読むの忘れたり。
ないですか? 私はよくあります。
よっぽど今の自分に必要なテーマとか、好きな作風でない限りは即読むことはないんですよね。いや、紙の本でも、あんまり興味ないと借りてもそのまま置いといたりしますけど……。
あとご年配のかたとか、同世代でも「電子書籍よくわかんない、なんか苦手」という人には、圧倒的に紙の本がすすめやすいです。
実物を渡せばいいだけなんで。
私も過去、「この本好きそうだな」「この本のテーマ、今必要そうだな」と思った紙の本を友人にプレゼントしたり貸したりしたことが何度かあります。
◆紙の本が記憶に残りやすい
これはもう色々なサイトで言われていることなので私が今更言う必要もないかと思いますが、電子書籍より紙の本のほうが記憶に残りやすいんですよね。
電子書籍を読む際に使うスマートフォンやタブレットは「透過光」で、紙の本を読む際は紙に反射した光「反射光」でページを見ます。
透過光でものを見る場合は表示されたものをざっくり受け取るので、あまり細かい部分に注目できません。
一方、反射光でものを見る場合は、細部が気になって集中力が高まるのだそうです。
パソコンで作った制作物は、画面上で見た時はミスに気づけないのに、印刷してチェックするとミスに気づきやすいという、DTPデザイナーあるあるのアレですね。
集中力が高まるので、記憶に残りやすくなるという効果が生まれるのです。
散漫な時に見ているものって大して記憶に残りませんもんね。
といっても電子書籍リーダーの中には反射光で読めるものもあると聞いたことがあるので(どれかは知らない)、それを使えばあまり問題ないのかもしれませんが……ただ、一般的にはほとんどの電子書籍リーダーが透過光ですよね。
あと紙の本を読むときには触覚が多く使われるので(ページをめくる時の指先とか)、そのお陰で集中力・記憶力が高まるという説もあります。
確かに電子書籍ってあんまりめくってる触感ないですもんね。
そういえば私の書くWeb記事や、カウンセリングでお渡ししたPDFを何度も読んでいるってお話を色んなかたから聞くんですけど、たまに「この人そこに書いたこと全然覚えてないな?」と思うことがあるんですよ。
たぶん透過光で文字を読んでいるから、記憶に残りにくいんでしょうね。
特に文章の読解力・記憶力は、反射光(紙の本で見るほう)が高まりやすいと言われています。
とはいえスマートフォンやタブレットで見たものが全然記憶に残らないかというとそんなことはありません。何回も何回も死ぬほど繰り返し読んでいればさすがに記憶には残るはずです。
ただ、紙の本で繰り返し読む回数よりもっともっともっと多くの回数を読まないと、記憶には残りづらいのでしょう。
そこで次の、紙の本の利点が活きてきます。
◆紙の本は繰り返し読みやすい
もう表題通りなんですけど、紙の本、圧倒的に手に取りやすいし再読しやすいと感じるんですよ。
で、私が古い人間なのでそうなのかな〜と思ったのですが、面白い研究論文を見つけました。こちらです。↓
◎小学校高学年児童における漫画読書の実態および意識・態度に関する調査研究
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jaems/27/1/27_13/_pdf
大元の掲載ページはこちら↓
こちらのp18、表4に「マンガのメディア別の繰り返し読み頻度」というのがあるのですが、この人数比率が面白いのです。
単行本派の繰り返し読む率ヤバ!!
いや、でも自分も家にある単行本を何回も何回も読むタイプの人間だから気持ちはわかる……ッ!
というわけで中年や年寄りに限らず、小学校高学年でも紙の本のほうが2回以上繰り返し読む傾向が高いのです。
電子書籍は気軽に手に入るし部屋を圧迫しないのでいいのですが、内容を記憶しやすい点やパッと手に取って読みやすいという点でいえば紙の本が強いんですね。
◆私の本を紙ですすめてください、そして記憶に残せ
まあ何でこんな記事を書いているかって、もちろん自分の宣伝のためですけど(笑)。
私が今まで出した本……特に心の悩みが絡んでくる本って、「わかりすぎて泣いた」とか「すごくためになった」とか言われることが多いんですけど、それちゃんと必要そうな人にすすめてます? と思うんですよ。
ていうかどんなにためになっても、電子書籍で1回読んで「なんか役に立った」気分で満足していたらダメじゃないですか?
だって電子書籍は記憶に残りづらいんですから。
ということで、紙の本での購入をご検討いただきたいなと思ってこの記事を書きました。
◎私の本1:「疲れたら休めばいい、ということが何故こんなにもヘタクソなのだろう。」
以前、私の書籍を買ってくれたというかたが、「自分よりも、うつ病の友人のほうが必要そうだったので、その人にあげちゃいました」という話をしてくださったんですよね。
↑この本のことです。
もうそれこそまさに紙の本の醍醐味だと思うのです。
自分の持っている本を、もっと必要そうな人に渡す……ッ!
すばらしい!
「自分には必要なかった、無駄な買い物だった」とグチグチ言うより建設的だと思いませんか?
私も普段は「電子書籍のほうが手軽だし安いしな〜」と思って電子書籍をすすめがちなんですけど、身近な悩んでいる人にすすめやすいのは圧倒的に紙の本だし、そこに書いてある知識をちゃんと記憶して自分のものにするには圧倒的に紙の本が有利なんですよね。
先ほど挙げた本はちゃんと天下の学研様から出した本なのですが、まだまだ、必要な人に届いていない気がします。
心理学の知識がない、若くして苦しんでいる子どもさんとかには積極的におすすめします。なにせ出版社が子ども向け教材の代表といっても過言ではない、学研様ですし。いや別に若くなくても、今まで心理学に触れたことない大人のかたにもおすすめです。
こんな感じの表紙ですが中身はフルカラーだしイラストも漫画も山ほど描いたので、かなり読みやすい書籍となっております。
とある読者さんには「自己啓発本にありがちな心地よいだけのフレーズは皆無、本気で変わりたい人向けの一冊」と言われました。皆無て(笑)。
褒め言葉だと私は思っています(笑)。
◎私の本2:「おじねん〜おじさんとねんちゃん。〜」
次は同人誌なのですが、私が長年諦めていた漫画を再び描き始めるきっかけとなったエッセイ漫画です。
情緒不安定な人、恋愛がうまくいかない人、なんかすぐ死にたくなる人に絶賛おすすめ。いろんな女子から「うわ〜〜〜私もこうだ(った)〜〜〜〜!」と言われ続けて7年経ちます。最初に描いたの、2016年でしたからね…。
重い話が多々入っていますが、つい笑っちゃうギャグもふんだんに取り入れていますので、一般的な精神病エッセイ漫画より多分明るいと思います。
あと読者さんからは「おじさんもねんちゃんもどっちもかわいい」と言われることが多々あります。ただの中年カップルですけど、なんでや。
上記は私が運営しているオンラインショップのリンクですが、本だけ買うなら下記のメロンブックス様からご購入が断然おすすめです。
よろしくお願いします。↓
https://www.melonbooks.co.jp/circle/index.php?circle_id=108943
(メロンブックス様は販売期間が限られているので、見た時に「もう売り切れになってる!」という場合は上のリンクからご購入ください)
◎私の本3:「マンガでわかる!なぜあの人はキレ散らかすのか」
そして最後、こちらも同人誌。夏コミ用に出したのに、イベント会場での販売数よりも通販での販売数が4倍多かった本です。
たぶん全国で必要としているかたがいらっしゃるからでしょうね……。
理不尽にキレ散らかされて苦しんでいる人用に描いたのですが、なんとキレ散らかす当事者からも意外と人気なこの本。
おじねん(エッセイ漫画)よりも心理学解説に特化しております。
なので知識を身につけようと思うなら、先述したように電子書籍でちょっと読んだくらいでは記憶に残りにくいはずです。紙で読みましょう紙で。
こちらも本だけ購入するならメロンブックス様からのお買い上げを全力でおすすめします。↓
https://www.melonbooks.co.jp/circle/index.php?circle_id=108943
どうしても電子書籍で読みたいかたは下記リンクから電子書籍を購入してくださいませ。Kindle Unlimited会員は無料で全部読めます。
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その代わり、何回も何回も死ぬほど読んでくださいよ!
電子書籍は記憶に残りづらいんだから!!
というわけで、最後に全力の宣伝でした。
「巴さんの作品って良いのに広まりにくいよね」と多方面から言われるので、これを読んでいるあなたもぜひ拡散にご協力ください。
「私なんかが手伝わなくてももう有名だし……」とか思う人が多いんですけど、何を言っているのかさっぱりわかりません。
あなたの力がまだ必要なんですよッ、私は!!
そうじゃなかったら自分でこんな宣伝記事書かなくていいでしょうがァーッ!! ぜひ。
では本日はこの辺で。ごきげんよう、さようなら。
◎オンラインショップのご案内
どうしても私の運営するオンラインショップから直接買い物したい! という方はこちらからどうぞ。
(※学研様から出した書籍は購入できません。書店やAmazon・楽天・出版社様自体のオンラインショップなどからご購入ください)
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