「お母さんのせい」にすることで「甘える」を取り戻す、私たち
オリジナル記事掲載日:2021年8月29日
カウンセリング等をしていると、
「お母さんのせいにしたいんだな」
と感じることが多々あります。
過去の自分もそうだったのですが。
ほとんどが「子供の頃、お母さんが
甘えさせてくれなかった」方たちです。
「本当は甘えたかった」気持ちを
取り戻そうとしているのかな、
と私は感じるんですね。
* * *
はっきり覚えていないのですが、
たぶん10代後半くらいのとき、
母親にこんなことを言われたんですよ。
「あんたはちびキャラの
ほうが才能がある」
って。
でも私はいわゆる「ふつう」の
6〜7頭身の絵で活躍する
イラストレーターや漫画家に
なりたかったので、
その言葉に対して
「そっちの才能はないよ」
と言われた気分になったのでした。
今思えば、
「そっちも良いけど、
ちびキャラのほうがより良いよ」
という意味だったと思うんですけど。
これ、カウンセラーの勉強
(交流分析)をしていたときに
学んだのですが、
「大人の発言の意図と、
受け取る子どもの捉え方に
ズレが起きる」
のはよくあることだそうです。
大人のほうはまさかそんな風に
捉えているとは思いもしないし、
子どもの方は無意識に悪いほうへ
受け取っているから、気づかないし。
でもその「お互いに気づいていない」
部分が精神的不調・不安定の
原因のひとつになっているのは
よくあることです。
* * *
で、心理学を少しでもかじると、必ず
「幼少期の体験や養育環境が
今の自分に影響を与えている」
という理論に行き当たります。
そうすると多くの人が
「ああ、お母さん(またはお父さん)の
アレで、自分はこうなったのね」
と思うようになります。
で、ここから先問題なのは、
「私の〇〇がうまくいかないのは、
お母さんのアレが原因なんだ」
と考えてしまうことです。
私も例に漏れず、
「私が6〜7頭身のイラストや漫画で
うまく行かないのは、お母さんが
『ちびキャラのほうにしか才能がない』
とか言ったからだ」
と思っておりました。
ええーーーーーと(笑)。
今はハッキリ言えるのですが、
私が6〜7頭身のイラストや漫画で
うまく行かなかったのは、
「それが本当にしたいこと」であり
「本気でチャレンジするのが怖かった」
からです。
母の言葉はひとつのきっかけでは
あったかもしれないけれど、
根本的な原因とか
致命的な原因ではないんですね。
でも「お母さんのせい」にしたかった。
それはなぜか? と言いますと。
「お母さんになかなか甘えられなくて、
本当はずっと甘えたかった」
からだと私は考えています。
* * *
私の母は、見た目も喋りも
超ふわふわしてて
友人に「妖精」って
言われたこともあるし
動物占いはペガサスなんですけど、
超自立系女子なんですよ。
父の浮気を知った途端
置き手紙ひとつで
1歳の私を連れて
家から出て行くし(笑)、
実家に帰っても
仕事をバリバリやって
私の養育費を稼いでおりました。
(父が支払いを拒否したしね)
で、子どもとのスキンシップが
苦手だったので、私にあまり
ベタベタしなかったのです。
いつのまにか幼少期から
「お母さんに甘えてはいけない」
「いつもしっかりした娘でいなきゃ」
と思うようになっていました。
で、中高生くらいから
「お母さんのせいだ!」
が爆発したんですね。
そこから20年近く、
母を責めるのに人生を使って
いたんじゃないでしょうか。
あなたに想像できうる限りの
3歳児や5歳児を想像して
いただきたいんですけど、
母親によく
「ママのせいで!」
「おかあさんのせいだ!」
と叫んでる子、
見たことないですか?
あれは本当に責めている
のではなくて、
「甘えたい」気持ちの表れ
なんでしょうね。
私はもう幼児の頃に
帰ることはできないし、
お母さんにベタベタ抱きついたり、
ナデナデしてもらったり、
たくさん褒めて甘やかしてもらうことも
もうできない。
だから「お母さんのせいで」を
使うことで、
甘えられなかった幼少期の私の
「甘えたい」を取り戻そうと
したのだと思います。
最近私は、「お母さんのせいで」と
1mmも思いません。
なぜなら、普通にお母さんを
甘えられるように……というか、
頼れるようになったからです。
「車で迎えに来て」とか(笑)。
* * *
人は嫌いな人間に「甘えたい」
とは思いません。
なので「甘えたい」気持ちが
大きければ大きいほど、
「その人への愛情」が
大きいのではないでしょうか。
つまり「お母さんのせいで
私はこうなった」と思っている方は、
その気持ちが強ければ強いほど
お母さん大好き人間ということです。
お母さんのせいで私はこうなったので
死にたい、という子どもさんは
「お母さんにこれ以上迷惑を
かけたくないので死にたい」
場合もあります。
(ま、復讐もあるんですけどね)
好きって認めるのはなかなか難しいけど、
自分の中にあるバカでかい愛情に
気づけると、人ってわりと変われますよ。
私は子どもの頃
「おかあさんなんかきらい!」
と思っていたのですが、
今はもう自分が完全に
マザコンだと認めておりますので(笑)、
「子どもの頃からお母さん
だいすきだったんやな〜(今も)」と思います。
そうじゃないと母親をパンダ化して
キャラクターにしないでしょ(笑)。
↓
こちら2012年に同人誌で出した
絵本なんですけど、まだ在庫あります。
残部極少&再販しませんので、
気になる方はぜひ!
上のリンクからどうぞ!(笑)
(宣伝!!)
ちなみにこのパンダかあさんは
現在発売中のわたくしの書籍でも
登場しておりますので、
そちらもぜひともよろしくお願いします。
(ダブル宣伝!!!!)
ということで綺麗に宣伝が
まとまったところで、この辺で。
いや、宣伝が目的だったんじゃなくて、
ほんと「お母さんのせい」と思っている方は
気をつけてくださいね、という話でした。
まず「せいにしている」のに気づくこと。
その後、「それも愛情」と気づくこと。
ごきげんよう、さようなら。
◎パンダかあさんも出てくる、書籍のご注文はこちらから
KindleUnlimited会員の方は無料で電子書籍読めます!
◎わたくしのウェブサイト
漫画家(イラストレーター)と心理カウンセラーを兼業しております。
カウンセリングのお申し込み・イラストや漫画のご依頼等は以下のサイトからどうぞ。↓