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イスラーム教第三の聖地と「岩のドーム」

こんにちは。パレスチナ代表部です。

パレスチナについてのニュースやSNS投稿、本をご覧になった時、この金色のドームを見かけられたことはないでしょうか。そして、その美しさに惹かれながら、これは一体何なのだろう、と思われたことはありませんか。

これは「岩のドーム(the Dorm of the Rock)」と言います。よく「アル=アクサー・モスク」と混同されがちですが、この金色のドームは「岩のドーム」という名前で、「アル=アクサー・モスク」とは別物なんです。(アル=アクサー・モスクについてはまた別に記事にしたいと思います)

岩のドーム3

「岩のドーム」は、イスラーム教第三の聖地であるエルサレムの東部(東エルサレム)にある「ハラム・アッシャリーフ(ユダヤ教では神殿の丘)」と呼ばれる広場の中に建っています。

「岩のドーム」がパレスチナのランドマークとしてよく取り上げられるのは、金色が特徴的な荘厳な外観のためだけではありません。「岩のドーム」は、エルサレムがイスラーム教第三の聖地となった出来事と密接な関りがあるのです。

西暦621年頃のある夜、現在のサウジアラビアのメッカにいた預言者ムハンマドは、大天使ジブリール(ガブリエル)に導かれ、ブラークという天馬に乗って一夜でエルサレムまで旅をしました。その後、ムハンマドは到着したエルサレムから天上に昇り、過去の預言者たちやアッラーに謁見するという奇跡を体験します。

天上に昇る際、預言者ムハンマドが足をかけた岩を「岩のドーム」が覆っているのです。この奇跡は「イスラー الإسراء(夜の旅)」や「ミラージュ المعراج(昇天)」としてムスリムたちに知られ、預言者ムハンマドが天上に昇ったエルサレムは、メッカ、メディナに続いてイスラーム教第三の聖地となりました。そして、この奇跡を記念して、7世紀後半ウマイヤ朝の時代に建てられたのが「岩のドーム」です。

「岩のドーム」は、現存する最古のイスラーム建築と言われています。

岩のドーム2

「岩のドーム」はパレスチナの人々の心の拠り所であり、中で祈ったりクルアーンを読んだりと穏やかな時間を過ごす人もいれば、ドームの周りに腰掛けて話をし、楽しい時間を過ごす人々もいます。

テレビやSNSなどでこの金色に輝く「岩のドーム」を見かけられた際には、これまでパレスチナの人々に大切にされてきた歴史を思い出していただけると嬉しいです。

ご拝読ありがとうございました。


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