![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/78826287/rectangle_large_type_2_3106a996ef35f00f7d3d2d2274ce21e3.jpg?width=800)
ウルトラマン未体験の黒ギャルがシン・ウルトラマンを見たら予想以上に面白かった話(※ネタバレあり)(※5月25日追記あり)
はじめに
こんにちは!平成最後の黒ギャルことPakkyです!
樋口真嗣総監督/庵野秀明企画・脚本ということでエヴァに続き勿論鑑賞しようと思っていたシン・ウルトラマン。当然オリジナルのウルトラマンとは全く世代が被っていないし、あたしの幼少期の頃のウルトラマンシリーズもほとんど見たことがありません(というかあたしは小さい頃から特撮は守備範囲外だった)。庵野氏がメガホンをとる次回作のシン・仮面ライダーのような仮面ライダーシリーズもそうですが、特撮そのものを全く通ってきてないので逆に変な先入観無しで見れたと思います。
結論からいうとすごくすごくすごーく楽しかった!!!!!
最初の方は「あれ?こんなもんなのかな?」という感じだったんですが、徐々に徐々に引き込まれていく世界観や外星人の魅力、そしてなんといってもウルトラマンのカッコよさが素人のあたしにもビンビンに伝わってきて終盤なんかは「ヒェ~~~~~wwwww」って感じで手に汗握りながら見てました! ラストは自分も子供に還って「がんばれウルトラマ~ン!負けないで~!」って心の中で応援してましたもん。プリキュアを応援する幼女たちや大きいキモヲタクたちの気持ちはこんな感じかと実感しました。
特撮ヲタクの両氏ですが、ヲタクに物を作らせてうまくいったパターンだったんじゃないかなと思います。
そんなシン・ウルトラマンを素人の目線でレポしていきますよ!勿論ネタバレ有りで進めていくのでよろしくお願いします!(というか既に放送されてる作品のリメイクなので今更ネタバレもなにもないんですが)
総評
前置きですが、あたしのウルトラマンの知識はほぼゼロで、それまでに知っていることといえば
「3分しか戦えない(カラータイマー)」
「スペシウム光線という必殺技がある」
「バルタン星人だけは顔と名前が一致する(V)o¥o(V)」
ということぐらいでした。あとはジャミラ、カネゴン、ダダ、ピグモン、ゼットンくらいはぼんやりと見たことがある、くらいのもんです。
流石に何も知らなすぎると映画を見ても何も消化できずに終わってしまうのかなと思い、事前にYouTubeなどで予習動画を見ておきました。
事前に公開されていたPVから登場が予想される怪獣(今作では禍威獣ですが面倒なので怪獣)や〇〇星人(外星人)について、オリジナルではこんな感じの能力を持ってたりこんな話の内容ですよ~的なざっくりとしたイメージだけ頭に入れておいたという感じです。
そんな状態で臨んだのですが、シン・ゴジラをイメージして足を運んだ人は悪い意味で「ちょっと違うな・・・」となったのではないでしょうか! かくいうあたしもその一人で、全体的な感想としては
シン・ゴジラよりは一般層にウケないけどヲタクにはめっちゃウケる作品
ってイメージです。
シン・ゴジラはかなり政治的な要素を含んでおり、作品の骨子をしゃぶるには大人向けの作品だなという感じでしたし、実際そうだったと思います。
一方で今作のシン・ウルトラマンはゴジラほどの普遍性は無い反面、子供が楽しめる作風に寄せてきてると思います。作中の大人たちがやっているのは「怪獣相手だろうが星人相手だろうが日本の立場として政治的優位に立ちたいが、みんな失敗する」に終始しているのでゴジラよりももっと単純明快に「愚かな政治」を見せてくれていて、今作においてはそこはあまり重要じゃない。
怪獣や星人の怖さ、そしてそれと戦うウルトラマンのカッコよさ。そのスポットだけで十分楽しめるし、それを大事にして作ったんだと思います。
あたしはオリジナルを見ていないのであとで分かったことなのですが、今作はオリジナルの回の小ネタのオンパレードらしく、知ってる世代の人ほど楽しみが増えるとか。ですので、これから見に行こうか悩んでいる人には是非あたしと同じようにほんの少しだけでもYouTubeなどで予習動画を見ておいてもらいたいですね。たった10分見るだけでも吸収率が全然違うと思いますよ!
そんなわけであたしが点数をつけるなら80点! 元々そんなでもないんだろうなとハードルを下げていたこともありますが、そんな予想は軽く超えてきてくれたので十分高得点をあげてよろしいかと!
ただどうしてもあの量を2時間に納めるのがキッツキツなので前半とかは特に荒い印象はありました。大まかにいうと前半が怪獣、後半が星人との戦いになってくるので後半の方がより内容が色濃くなってくるためどうしても前半が薄れてしまうかな~という印象でした。その分後半は期待していいですよ!
感想(※以下ネタバレ注意)
事前に予習動画を見ていたのであたしなりの予想をしてはおいたのですが、まさかゼットンがあんな使われ方をするなんて!ということに尽きますね。
あとはメフィラス星人を演じた山本耕史氏の完璧なキャスティング。
ザラブ星人登場からの流れは概ねオリジナルと同じようなんですが、メフィラス星人との戦いの終わり方も納得のいく形でしたし、ゾフィーの声が山寺宏一氏だったのも衝撃でした。印象深かったシーンを登場したキャラと共に振り返りましょう!
①ネロンガ
いきなりで申し訳ないんですがあんまり印象ありません・・・・・・
こいつの登場と共に光の巨人(ウルトラマン=本名はリピア)が地球に落着して物語が始まるわけですが、食べ物である電気の供給を止められて怒って暴れてたのがかわいかったです。直後に対峙したウルトラマンに電撃を放つんですがウルトラマンが電撃を白刃取りで防いでたのはすごく面白かったです。物理的に電気を手に挟むな。電撃をポキッて折るな。
※(5月25日 追記) 5月23日に2回目を見てきたんですが、上記の部分間違ってましたね。電撃をポキッと折っていたのはメフィラス星人の光線で、ネロンガの電撃は普通に体で受け止めて終わってました。なにか印象的なシーンを思い出せないかな~とうんうん唸っていたのですが、メフィラスに上書きされてしまうくらいには印象に残らなかったようです。お詫びいたします。
最初に登場した敵との戦いでいきなり必殺技であるスペシウム光線を見せてくれたりしたから盛り上がったはずなんですが、なにせウルトラマンに攻撃(電撃)が全く効かない。弱い。ウルトラマン登場に際してのかませ犬的ポジションでしたね。
②ガボラ
ウランを食べる怪獣のようで、核廃棄施設に現れます。ウルトラマンが地中に埋められた核廃棄物に攻撃が及ばないように身を挺してドリルを往なしていたのがかっこよかったです。ただあのシーン、カメラを変えて何度も見せすぎじゃない? 右に避けては左に避け、また避けては・・・をカメラを変えて3回くらい見せられた気がします。面白かったです。
・・・・・・面白いといえばこのガボラとの戦いの中で衝撃的なシーンがありませんでしたか?
グルグルグルグルグルグルグルグルグルグル・・・・・・ドーン!!!!!
見た人は絶対分かってくれると思います。あぁアレね、って。あれちょっと衝撃的でしたね。あれはもしかしなくてもオリジナルで当時そういう風に撮られてたからそれを再現したとかなんでしょう。きっとそうに違いありません。そうであってくれ。多分人形をがっちり固定してグルグル回したんですよね。何も知らない人が見たら「は?」となってしまいそうなシーンですが、いい歳した大人ならオリジナルリスペクトなんだろうなってすぐ分かります。ずっとこの攻撃してたら誰にでも勝てそう。
他にも面白いのは、最後は正拳突き1発で倒しちゃうとこですよね。いきなり顔にパンチして倒れて終わってしまうある意味衝撃的な終わり方。
そのまま倒れたガボラをウルトラマンが持ち帰ってましたね。多分ガボラが放射線を出すから危険なので宇宙に持ってってくれたってことなんでしょうか。優しい。
・・・・・・って今これを書いてて気づいたんですけど、なるほど、だからパンチで倒したのかな? スペシウム光線でバーン!って破壊しちゃうと放射線がヤバいことになっちゃうからそうならないようにしたと。そういう解釈にしておきます。
そしてこのガボラを持って飛んでいくシーンであたしは「あれ?」って思うことがありました。ですがこの疑問は後にザラブ星人が解消してくれたので劇中で自己解決したんですよね。そこらへん優しいなって思ったので、これは後述したいと思います。
余談ですがこのガボラ戦で主人公の神永新二がこっそり作戦本部を抜け出してウルトラマンに変身しに行くんですが、その後神永不在のまま普通に業務を進めていく禍特対はそれはそれでどうなんだ。
③ザラブ星人
CV:津田健次郎 キタ~~~~~~~~~~~~!!!!!!
もうこの事実だけで見たくなるから不思議! ツダケンちゅっちゅ♥♥♥
メフィラス星人同様、紳士的な物腰で日本に接近してくるんですがその一方でニセウルトラマンとして「ウルトラマンは味方」だと思い込んでる人々を欺こうと画策します。神永新二を拉致し、世論の後押しもあって日本政府に「ウルトラマン抹殺計画」を提案するのですが、なんとか救出された神永の手によって倒される流れです。体の後ろ半分がないデザインが好き。
このザラブ星人(ニセウルトラマン)との戦いが現代でウルトラマンという作品を作り直したとき最大の享受があったシーンだったなと思いました。
初代ウルトラマンって放送が1966年とかだったそうじゃないですか。その時代に現代のような高層ビルが立ち並んでるわけないし、そもそも特撮だからスタジオにジオラマを作ってそこで人間の大きさに合わせてセットを作ってるわけですよね。それを今映像化することで現代の東京の街並みの中で戦うウルトラマンを再現できたわけです。
このシーンが本当に素晴らしくて、ビルの隙間を低空飛行するウルトラマンがハチャメチャにカッコいい。ビルだらけの場所で地上戦をやるだけなら当時も撮影できたでしょうけど、あんなにカッコよく飛行する映像は無理でしょうからね。現代の街並みに合わせて作られた映像がとてもよかったです。
実際の戦闘においては、ウルトラマンがニセウルトラマンにチョップをお見舞いした直後に思ったより硬かったのか「いっっっっっっっっっっっっっっっっっってぇ!!!!!!!!!!」って感じで腕を振るシーンが面白くて笑えました。多分そういう元ネタがあるのかなと思ったのですが、どうやらそのようでオリジナルでも全く同じ動きをするみたいです。
ウルトラマンがニセウルトラマンのスーツの目の部分(硬い素材だったようです)にチョップを当ててしまってアクターの古谷敏氏が思いっきり痛がった結果の画だそうですね。※wiki参照
古谷敏が後年のインタビューで明かしたところによれば、ウルトラマンがマスクをチョップした直後に手を振って悶絶する姿は、古谷がマスクの固さに思わず悲鳴を上げるほど本当に痛がったことによるものであり、彼はカットの声がかかるまで小指の痛みを我慢していたという[27]。
よく見るとウルトラマンのチョップでニセの目が割れてる。
— ニセたけし(仮名) (@nito_takeshi) April 22, 2022
そりゃ痛いはずだ。 pic.twitter.com/CbJ22z3H0l
ザラブ星人との戦いはそれはまぁ~~~面白かったです! 殴り合いするわチョップ食らわせるわその手がめっちゃ痛いわビル群を飛行するわのとてもボリューミーな映像でお腹いっぱいです! なのに最後は必殺技の「八つ裂き光輪」なる技(物騒なネーミングですね)を食らったらあっさり真っ二つに裂けて負ける、という急転直下の幕引きでテンションのジェットコースターが過ぎる。個人的にはこの戦いが一番好きでした。何度でも見たい。
※ガボラの部分で触れた疑問について※
ウルトラマンが飛び立つ時って全然衝撃みたいなのが生じてないんですよね。あんなにデカい図体してて瞬く間に消え去るスピードなのに音もなくジャンプしたかと思えばフッと加速して消えていく。なんでなんだろうな~って疑問に思ってたんですが、ザラブ星人が日本政府と話をしているときに答えてくれてました。
スペシウム133?とかなんとかいう元素を変換して重力すら思いのまま、みたいなこと言ってました。一応そういう設定があるみたいです。特に大事なことではないのですが。
④メフィラス星人(※超重要)
キャスティングがマジで神。
これ。これに尽きる。ツイッター見てもYouTube見てもこれだけはみんな同じこと言ってる。山本耕史のキャラクターがこれ以上ないってくらい合致してて、「紳士的だけどどこか胡散臭い」「腹の内で何を考えてるか分からない」「理由のない"裏切りそう"感」「"こいつ絶対黒幕だろ"感」が見事にマッチしてました。
そして何と言っても「ヲタクにウケる感」が強いんですよね。これみんな好きになるキャラクターだと思います。
#シンウルトラマン
— イギリス連合AAR作者(南軍メスガキ) (@DixieTooArms) May 15, 2022
メフィラス星人、オタクの好きな要素である
・強い
・大人の余裕がある態度
・カッコいい
・単純な暴力を嫌う独自美学
・こだわり
・悪い
を詰め合わせているのでオタク抹殺兵器のように刺さる、強すぎる
山本耕史のメフィラス星人を観るためだけにシンウルトラマンを観る価値はあるよ(マジで画面に出てきてる時は完全に主役の座を奪ってたからな……)
— ソーヤ (@sawyer1876) May 13, 2022
シンウルトラマンの感想をまとめようとすると、どうしても山本メフィラス耕史が大半を締めそうになるくらい「人間社会に馴染んでるけど所々の言動が人外を隠しきれない人外ブーム」が本当に完璧で打点高かった
— 七瀬祐 (@yuu_nanase) May 14, 2022
この人がもう本当にすごかった。あたしの拙い語彙では表せないくらいすごい。この作品内で一番光り輝いてた。見終わったあと友達も「メフィラスめっちゃ良くなかった?」って言ってたし。ぶっちゃけこの山本耕史氏のメフィラス星人だけであたしの80点のうちの50点くらいある。
普段映画見ててあまりキャストについてどうこう言うことないけどそんなあたしが言及するくらい魅力的だったってここに書いておけばこれを読んでくれた人はそれなりに気になってくれると思います。
そんでもってこの人が出す劇中での空気感の緩急がいいんですよね。
まったりとした雰囲気で酒を飲みながらウルトラマンに地球独占のための悪だくみをスラスラと話し、思いつめた神永と決裂したかと思えば「割り勘でいい?」と一気に緩和させてきたり。パリッとしていながらもどこか掴めない感じ。
特徴的な喋りもいい。「〇〇、私の好きな言葉です」「××、私の苦手な言葉です」は映画を見た後みんなマネしたくなります。今現在ツイッターでもちらほら見ますね。とにかく誰よりもキャラクターが立ってる。
彼との決戦も良かった~!けど興奮しすぎて何も覚えてない!BGMが滅茶苦茶カッコよかったことだけは覚えてる! スペシウム光線がメフィラスの攻撃に劣っててどんどん追い詰められていくんですけど、ここマジで心の中で泣きながら応援してた。「お願いウルトラマン負けないで!!!!!(:_;)」
ってずっと叫んでた。
※(5月25日 追記) ウルトラマンの八つ裂き光輪がことごとくはじき返され、一瞬静まってからの両者同時に光線を放つシーンは「おほぉ^~~~~~♥♥♥♥♥」ってなっちゃうくらい興奮しました。
そもそもオリジナルでも決着つかずに帰っていくそうで、シン・ウルトラマンの場合どうなるのかな~と思ってたらなるほどそうきたか。
ここから雲行きが怪しくなってきます・・・・・・
⑤ゾフィー&天体制圧用最終兵器ゼットン
【天体制圧用最終兵器ゼットン】!?!?!?
なにそれカッコいい。なるほど~~~そうきましたか~~~!!!!!
まさかウルトラマン側がラスボスとしてゼットンを用いてしまうと!!!
あたしはオリジナルのゼットンとの戦いがどういう感じか知らないので、これは普通に面白いなと思って見れましたね。アニメ版ゴジラを見た時のメカゴジラ的なやつだ。あれはちょっと肩透かし感ありましたけどこっちはかなり絶望感あって好きです。人類滅亡へのカウントダウンが始まります。地球の衛星軌道上で成長していくゼットンが地上からはっきりと見えるのでかなり大きいですね。
ゾフィーはウルトラマンのお兄さんらしいです。何人かいるらしいウルトラ兄弟の長男だそうで、宇宙警備隊の隊長。声が山寺宏一氏でした。
— 山寺宏一 (@yamachanoha) May 14, 2022
本日、無事に
— 映画『シン・ウルトラマン』公式アカウント (@shin_ultraman) April 30, 2022
関係者用初号試写会を迎えました。
制作状況をご心配くださった皆様。
ご安心ください。
写真は本隊撮影当時の#禍特対 メンバー記念写真と
樋口組集合写真。
ご期待ください。
※集合写真の日付は撮影日であり
クランクアップ日ではありません。#シンウルトラマン #5月13日公開 pic.twitter.com/sGdmWzzibR
今思えばこの写真2枚目の黒塗りの人物は氏だったのかもしれませんね。
地球に落着した弟(ウルトラマン=リピア)を追ってきたんですが、何故か弟が人間(神永新二)と命を共有してるわ人間とかいう下等生物のために戦ってるわでワケの分からん状態。話を聞いても弟の考えに賛同できず、「人間という生物は他の外星人に見つかると兵器として利用されることが分かっちゃったから今のうちに消滅させるしかないよ・・・・・・なのになんでそんな生物のために戦ってるの・・・・・・?( ;∀;)」って感じ? そこで登場したのが【天体制圧用最終兵器ゼットン】さんということでした!
途中、神永新二は「ゾフィー」ではなく「ゾーフィ」と呼ぶんですが、これも元ネタがあるようです。※詳細
ゾーフィとは、ウルトラマン放送当時に発売された書籍に掲載されていた「ゾフィー」の誤った説明文である。放送前、各種メディアにはゼットンの写真と、ゾフィという宇宙人の存在、そして「ゼットンは宇宙人に操られている」という情報のみが与えられており、詳細は全く不明だった。そのためいち早く情報を載せたいがために「ゼットンを操っている宇宙人=ゾフィー」という情報を雑誌や書籍(初出は「週刊朝日」昭和42年(1967年)4月7日号とされる)に掲載してしまったのだそうだ。劇中描写ではゼットンを操るのはゼットン星人(ただしこの名前は後付けで、1968年の地方局向けパンフレットが初出とされる)であり、ゾーフィ改めゾフィーは宇宙警備隊の隊長として命を失ったウルトラマンを助けに来る役目であった。つまりゾフィーの姿+ゼットン星人の情報、そしていち早く情報を載せたい気持ちがウルトラフュージョンした結果宇宙人ゾーフィが誕生してしまった、ということである。
どうやらゾフィーの設定を間違えたまま色んな媒体で「ゾーフィ」が広まってしまい、当時の子供たちの勘違いが多発したようです。罪深いですね。
庵野氏はこれを逆手にとって、「この嘘設定をそのまま使っちゃおう」としたようですね。逆転の発想!
ゼットンはオリジナルでもウルトラマンが勝てなかったラスボスとして有名らしく、今作でもド派手に負けてました。ゼットンに傷一つつけられてなかったように見えました。ていうかスケールが違いすぎる。
しかしこの設定には驚かされました。こういう展開好き♥
ゾフィーがウルトラマン(リピア)と違い地球を滅ぼそうとしてしまうのは
「ウルトラマンは絶対的な味方ではない」
ということを示していると思うし、ウルトラマンが負けてしまうのも
「ウルトラマンは神でもない」
ということなのかもしれません。
「最終的には自分で頑張らなくちゃ!」
を教えてくれる作品なのかもしれないですね。
とにかく最後のこの展開はとても熱くて、最後のタイムリミットが刻まれる場面はもう心臓バクバク。
そして遂に・・・・・・
この映画の最高潮の瞬間が訪れます! ここマジで声出た。絶対ここでおしっこ漏らした人いる。これから見る人に漏らしてほしい。
なんだかんだ言ってここですよね!一番興奮するシーン!敢えて触れないので劇場で実際に見てきてください!この瞬間のためだけに見る価値あり!
⑥ウルトラマン&神永新二
回るウルトラマン、面白かったです。ザラブ星人のとこでも触れましたがスペシウムなんちゃらとやらを転用して重力を操ることができるそう。それ無敵なのでは?
放射線を無効化したり(厳密には無効化ではないのかもしれませんが)、光線を出したり、敵を真っ二つにする光輪を出したり、バリア出したり。そんな人智を超えた能力があるのに必ず肉弾戦に訴える姿がいい。いや殴るんかい。そりゃ言っても聞かない相手だったらやるしかないんですけど。
とにかくオリジナルの小ネタ満載だったらしく、見終わってから色んな文献を読み漁るのが楽しかったです。つまり2回目、3回目と見れば見るほど面白くなっていくスルメ映画と言える思います。
そして彼が教えてくれたことは「ウルトラマンは地球人にとって都合のいい絶対的なスーパーヒーローではない」ということ。たまたま地球にきたあの光の巨人=リピアがたまたま人間に興味を持ってたまたま怪獣や星人から守ってくれてたってことを忘れてはいけないですね。
最終回、ウルトラマンはマジで手も足も出ず完敗を喫するというヒーロー番組としてあるまじき展開なんですけど、でもそれは「神の如き救い手」という神聖をウルトラマンから剥奪し、彼を「地球人を愛して助け続けてくれた、親切な宇宙人」という等身大の姿に戻し、役目から解放する意図があったと思う
— 違法バタピー (@batapys1) May 16, 2022
ちなみに作中で明らかにされる彼の本名リピアはヒメイワダレソウという多年草の別名で、そのリピアの花言葉が誠実・絆を意味してるらしいです。まんま彼を象徴する名前で泣いちゃった!
途中、神永が「野生の思考」という本を読んでいるシーンがありました。
ざっくりとこの本について説明すると、
西洋諸国で文明が発達して現代的な生活を手に入れた一方で、未開の地で民族的な暮らしをしてるやつらって野蛮人だよねって考え(これを実存主義というらしい)を否定する考えである「構造主義」について書いてある本だそうです。どちらも同じく文明であり、どちらも素敵だしどちらからも学ぶことはあるよね、って感じ。
優れた文明を持つウルトラマンが未開の地である地球(笑)に生きてる人間(爆笑)とかいう虫けらについてスラスラと勉強してるシーンでした。人間を理解しようとしてくれてる姿に心が温まりますね。メフィラスもこうやって勉強したんでしょうか。
そんなウルトラマンと命を共にする神永新二を演じた斎藤工氏。
喜怒哀楽があまりなく、鬼のような形相になったりボロボロと泣き叫んだりしない。淡々と自分(人類)の置かれている状況を思案し、答えを出すという冷静な人物。メフィラスの企みにも真っ向から否定せず、とりあえず相手の言葉に耳を傾けるという大人な対応。口数も多くないのにはっきりとした正義感がその瞳からうかがえるのは斎藤氏の確かな芝居があってこそでしょう。メフィラス星人の山本耕史氏のハマり役っぷりがすごすぎましたが、あまりに表情がうるさい人だと情熱・闘志を静かに、でも確かに内に秘めたタイプの彼が演じたウルトラマンにはなれなかったと思います。あっぱれです!
⑦その他感じたこと
【ゴジラよりも強いエンターテインメント感】
この映画の製作が発表されたときのキャッチフレーズにこうありました。
「混迷の時代に生きるすべての日本人に贈る、
エンターテインメント超大作。」
その言葉通り、ゴジラよりもエンターテイメント感が強い仕上がりになってたと思います。シン・ゴジラのときは空想特撮映画なんて文言は付いてませんでした。シン・ゴジラでは徹底したリアルを求めていたように見えたけど、今回はとにかく特撮ヲタクが原作に最大限のリスペクトを込めてリメイクした映像って感じです。大人にしか伝わらない政治のあれこれとか、そこは重要じゃない。製作陣が初めてウルトラマンを見たときの「なんだこれ」感を大事にし、純粋にカッコいいウルトラマンを現代に蘇らせようとする気持ちが伝わってきました。大人が童心にかえって楽しみ、本当の子供も純粋にウルトラマンに憧れ、楽しめるエンターテインメント感。鬱屈した今の世界に生きる私たちに向けて作った映画だと。個人的にはゴジラよりも娯楽感がより強まってた印象でした。
回るウルトラマン、シン・ウルトラマンで初めて見た人には絶対に意味不明で格好よくないんだが、でもウルトラマンのオタクも初めて見た時「???????」って満天の疑問符に包まれたから、「ウルトラマンを初めて見た時の気持ちを味わってもらいたい」というコンセプト上は大成功では???
— でるた (@delta0401) May 16, 2022
【シン・ゴジラの世界観との繋がり】
完全に同じ世界ではなく、並行世界っぽい演出にしてましたよね!
シン・ゴジラで登場してた政治家の赤坂先生(竹野内豊氏)がそのまま重要な政治家として登場してましたし、自衛隊の人とかその他所々シン・ゴジラのポジションをそのまま維持したままこっちでも登場してた人が数名いました。
今後『シン・ジャパン・ヒーローズ・ユニバース』と銘打ったフランチャイズ作品を展開していくという報もあったので、もしかしたら同一世界という設定もあり得るのかなとか考えてましたけど、今後色んな展開に対応しやすいようにしていた感じでした。今後マジのマルチバースになっていくのかは不明ですが、個人的にあたしはいわゆる『越境』が嫌いなので、「それはそれ、これはこれ」の精神でお互いの領分を犯さずにやっていってもらいたいなというのが本音ですね。でももしそうなっても楽しもうとは思いますよ!
【バルタン星人が未登場!残念!】
ちょっと期待してたんですが登場しませんでした・・・・・・無念・・・・・・。
バルタン星人ってウルトラマンの敵の代表みたいなイメージ。みんな知ってますよね。おまけでいいから見れないかな~と思ってました。これには新条アカネちゃんもがっくり。
・・・・・・余談なんですが、滝明久役の有岡大貴氏。他の役者陣に比べてあまりにも芝居が酷くて見てられませんでした。他はマジの役者さんだからそれとジャニーズを比べてやるなよと言われそうではありますが、う~ん。これは単に若い女性の集客のためのキャストだったなという印象でしたね。あんまりいうとファンに怒られそうだから少し触れるだけにしておきます・・・・・・。
おわりに
長くなってしまいましたが、要するにとても満足いく映画でした!
近々2回目を見てこようと思っているので、そこでまた新たに思うことがあれば加筆していこうと思いますので、今回このnoteが面白かったと思った方は是非シェアしてくださいね!
寝ぼけまなこを擦りながら執筆したので誤字脱字乱筆乱文申し訳ありません。今は校正する気力もありません。
とにかくあたしが言えることは特撮に興味がない人でも、一人でも友達とでも家族とでも、老若男女問わず、誰でも見て損はしない出来なので是非見てきてほしいということです。最後の変身シーンでおしっこ漏らしてきてください。あ~~~~~~~~~~~~~~楽しかった!!!!!
まぁこの映画で一番面白かったシーンはスタッフロールのモーションアクター的な欄に並んでた庵野秀明の文字を発見したときなんですけどね。
お前がやるんかい。
おわり
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?