「言わないこと」をそろそろやめる話
「イラッとしたポイントがあったか。あったとしたらそれはどんな場面だったか」というチェックを毎日仕事の振り返りでやっています。今日は感情のコントロールの効用と弊害についてです。
どうしてこれをやり始めたかという話はさておき、やり始めてからどうなったかということを書きたいと思います。
それをやり始めてから自分の大事にしてるものが徐々にわかるようになり、そして大事なものをより大事にしようと自覚的になっている感覚があります。
さて、さっぱり何を言ってるのかわかりません。それではお話を始めます。順を追う形になるので、長くなるかもしれません。
安全地帯であれることと好感度アップといううまみ
これまで自分は、バイトや部活や就労してからの数年の福祉の現場での仕事を通して、感情をコントロールする術を上達させ社会的なスキルをあげてきました。その結果、あらゆる場面で感情をコントロールして、口に出す言葉を選んで相手が受け入れやすいコミュニケーションを取るようになりました。
このスキル獲得の効用としては、やり取りをいつでもしてくれるという安定感をもたらし、それが相手にとって安全地帯となり、心地よいと思ってもらったり、好感度に繋がったりすることが挙げられます。
さて、ここからは個人的な経験による所感なのですが、この状態は若干危険です。自覚的にやっている場合はいいのですが、感情のコントロールに無自覚である場合には、その「うまみ」から抜け出せないようになります。というか、私はそうなってしまいました。
努力は最高の習慣だが最悪の目的。
Twitterでこのツイートが若干流行っていましたが、構造的にはこれに似ているのではないかと思います。感情のコントロールはもちろん社会で生きていく上でマストのスキルだとは思うんですが、それは伝えたいことを伝えるための手段であって、そこがいつのまにか目的にすり替わっちゃった場合には、どうなるか。
伝えたいことがなくなります。これは結構怖いことだなと思います。どういうことかというと、「相手に受け入れてもらえるコミュニケーションを取ろう!」と強迫観念のレベルで思い始めると、口に出す言葉の純度は下がらざるを得ません。言葉を選択し、「言わないこと」が増えるからです。
外に出すことの選抜に落ちた言葉は腐っていく
個人的な観念ですが、外に出さないこと、つまり「言わないこと」は内側に溜まっていき、その結果そこで腐っていくような感覚があります。言わなかったことをそのままの熱量で新鮮なままに体内に留めておくのは、エネルギー消費が激しいからです。それほど大人になった私たちには体力はありません。だから言わなかった「本当に感じていたこと」は「なかったこと」になります。
ただ、それを続けていくと多くの人から好かれ続けます。だって、嫌いようがないから。
なので、感情のコントロール×受け入れられやすいコミュニケーションを取ることは周りの人から好かれ、コミュニケーションスキルが高いように見えます。それは事実だと思います。
ただ、それが目的になってしまった場合、ゆくゆくは、あらゆる出来事に対して何にも感じない不感症になってしまう可能性があるなあと感じています。
自分の場合は嫌なことがあってもニコニコする以外の行動を獲得せず、ここまで来てしまいまして、その弊害に27歳になった今立ちあっております。
「自分が何を欲しているのかわからない」
「どう感じているのかわからない」
「相手に受け入れられるから嫌なこともYESと言う」
弊害はこんな感じです。
コミュニケーションをサボらない
ただ、今年はこういう自分があることをようやく自覚できたので変われるんじゃないかなと思ってます。
「言いたいこと言わなさすぎ。ちひろはもっと喧嘩したらいいよ」と社会人になって初めて立ち会った上司にそう言われたことがあり、その時は1年目で「…?」と思いましたが、今になってその言葉の真意がようやく理解できた気がします。
大事にしたいものがなんなのかわかんない曖昧さの中では大事な人達を守ることもできないし、守るために戦う土俵にすらいないんですよね。
今年は後輩も増えて立場が幾ばくか変わり守るものが増えていく年だからこそ、守るための力を養うために自分の怒りや感じた違和感から目を背けないようにしたいです。きっとそれによって、多少の衝突だって生まれることはあると思いますが、そこにまっすぐであろうと、そう思います。
そんな思いを持って、冒頭に書いた「イラッとしたポイントがあったか。あったとしたらそれはどんな場面だったか」というチェックは続けていく予定です。
これから1年も社会人としてまだまだ未熟だなと思うことは多いだろうけれども、人とのやり取りを恐れて動かないというのはもうやらない、感じたことは外に出して純度の高いコミュニケーションを取ることだけはサボらないようにしたいです。
今年は心ヘルシーに、身体健康に、楽しく働いてるところを家族や親しい人に見せられるようにしたいな。心の底から、働くのは楽しいんだよって、自信をもって言えるようになりますよう。
最後に宣伝を
そうだ、最後に全く関係のない宣伝をさせてください。2月28日、29日にお芝居に出ます。新年に恒例の行事「年賀状」をめぐる3人のお話です。
これから稽古が始まっていきますが、とてもとても素敵な役なので、自分がそれに見合う演技をできるか正直ドキドキしておりますが、きっといいものができるんじゃないかって思います。
詳細…
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みなさまの過ごす1年が充実したものになりますように。最後まで読んでいただいてありがとうございます。
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