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カナリアのまったり時間

カナリア時間・スペイン時間

今日は、時間感覚のお話をしようかと思います。わたしの住んでいるカナリア諸島はアフリカ大陸の左肩にあります。タイムゾーンとしてはイギリスと同じ標準時(夏時間を除く)です。つまり、スペインに対して1時間遅れているのです。スペインとカナリア諸島に時差があることは意外と知られていないのではないでしょうか。時差があるということはそれだけ地理的にも離れているということですね。
ただ、世界地図を見てみるとスペインのマドリッドのほうが経度0度に近いことがわかると思います。なぜこんな奇妙なことが起こっているのか?これは実はかの有名な独裁者フランシスコ・フランコによるものらしい。1940年にフランコがドイツに合わせるために、標準時だったものを中央ヨーロッパ時間に変更したとのことです。そして、それに合わせる形でカナリア諸島も1時間シフトした、というわけです。

スペインの食生活

スペインの食事のタイミングが特殊だということは有名な話ではないでしょうか。ただ、わたしはこちらに来るまで知らなかったので、とても驚いたことを覚えています。だいたい、昼食は午後2時〜4時、夕食は午後9時〜10時という感じです。レストランやカフェは1時に開店するのが普通で、その前にレストランなどで食べることはほぼ不可能・・・(観光地は外国人に合わせて営業していたりする。)公務員などでは、朝7時から働きだして昼2〜3時に終業、家で昼食という生活スタイルの人が多いです。また、小学校も基本的にお昼までで終わるという感じです。日本人的には、お昼ごはんで折り返しというような感覚なので、スペインの生活スタイルは歪なようにも感じますよね。ただ、このような生活をすることで私生活を楽しむ時間を確保できるようです。
なぜ食事の話をしたか?それは、このタイムゾーンが大きく関わっているのではないかと思うからです。最初に話したとおり、スペイン時間は太陽の動きと1時間ずれています。つまり、太陽が真上に昇るのが午後の1時、さらに夏時間では午後の2時ということになります。そう考えると、日本の12時〜2時に昼食をとる感覚なので意外と遅くないと思えるのではないでしょうか?

健康的?

たとえば、日本で0時に寝て、7時に起きるような生活をしていたとして、同じような生活をカナリア諸島でするとどうなるか考えてみましょう。夏時間では太陽時間で夜10時〜朝5時に寝る感じになります。つまり、自然と早寝早起きが習慣化できてしまう・・・!日本では朝日とともに目覚めることは殆どなかったですが、こちらでは夜明けの前後に起きます。朝日を浴びるのは本当に気持ちがいいです。スペイン人は長寿でも知られていますが、もしかしたらスペイン時間が健康の鍵だったりするのかも知れません(個人の感想です)。ただ、スペイン人は夜も遅いイメージがあるのでどのくらいの人がこのような生活をできているのか分かりません。
睡眠の話でいうと、スペイン人のシエスタが有名でしょうか。こちらは、暑くて仕事・勉強が捗らないということで導入されたようです。しかし、上記のような理由でスペイン人の睡眠時間は短くなりがちなので、シエスタとも相性がいいのかもしれませんね。

日本との時差

テレワークが多い最近では、このスペイン時間がありがたい効果を発揮します。もし太陽に準じたタイムゾーンを採用するとJST-10時間ですが、スペイン時間では9時間差になります。日本の夕方がこちらの朝なので、少しでも長く寝られるのは嬉しいですよね・・・

こぼればなし

太陽時間とスペイン時間のずれについて最初は気づいていなかったのですが、ふと立ち寄った科学館の日時計を見て「はっ!」となりました。2時間もずれていたとは・・・時間は人工的なものなのだなと改めて感じた瞬間でした。

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