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ひとりごとのコーナーこぼれ話1~ベンゾ離脱症状で困ったこと編

この記事は、あくまで一個人の体験談記です。ベンゾジアゼピンの離脱症状で現れる症状や進行の仕方などは人により様々であり、誰一人として同じではないことをご理解いただいた上で、「こういう人もいるんだな~」って感じでお読みいただければ幸いです。

医療関係者による監修は入っておりません。「私の身にこんなことが起こりました」という情報にすぎず、医学的・薬学的なアドバイスをするものではありません。私は医療者ではありませんので、医学的な質問にお答えすることはできません。また、この記事で得た情報からいかなるトラブルが発生しても私は一切責任を持ちませんので、ご了承ください。

だいたい月に1回更新している、ベンゾジアゼピン減薬記録(下記マガジン収納)には、私の超個人的つぶやき・体験談を「ひとりごとのコーナー」として付録しています。

この記事は、そこに入りきらなかった「こぼれ話」たちをまとめてみたものです。

センシティブな内容もあるかと思いますので、読むことで不安な気持ちになりそうであれば、ここでブラウザバックしてくださいませ。

読み手の皆さまには、読まない自由があります。

お読みいただく際は、ぜひ、冷静に読んでいただけますと幸いです。

以下は、あくまで私の体験談です。ベンゾジアゼピンの離脱症状でお悩みの方は自己判断せずに、まずは専門の医師に相談してください。

離脱症状がひどいときは、ひとりぐらしが辛かった

激烈な離脱症状に襲われてから、日が経つほど日常生活に支障が出るようになり、ひとりぐらしの限界を感じるようになった。だから、実家に電話した。遠方の母に1か月ごとに来てもらっていた。

母に2週間ほど家事全般をお願いして、私は会社に行けそうな時はそれのみに神経を使う。家を出て半日もせずヘロヘロで帰ってきて布団に埋もれ、辛さのあまり、母にキツくあたることもあった。

母が帰ってひとりになったときに離脱症状がひどくなると、孤独感と絶望感に襲われた。私は犬の形の抱き枕(ぬいぐるみみたいな)を抱きしめて泣いた。ぬいぐるみをよしよししながら「大丈夫だからねー がんばってるねー きっと良くなるよー」と自分を励ました。ぬいぐるみに話しかけるなんて、35年生きてて初めてのことだった。そうでもしないと、おかしくなってしまいそうだった。


離脱症状で私が体験した不安感、焦燥感、恐怖感

抗不安薬の離脱症状で不安などの精神症状が出ている時に「じゃあ、不安にならなきゃいいじゃん」みたいに周りから思われているとしたら、ちょっと待ってくれと言いたい。私は不安に思ってないんよ。私は焦ってないし、恐怖してない。

例えば。明日の会議で社長に企画提案しなきゃなんだよなあ… と想像して不安になるなら、「私は」不安に思ったになるんだけど。離脱症状の精神症状はそうじゃない。「脳が」不安になってる。主語が違うのよ。

離脱症状は、「私が」不安に思う理由は特にないのにゾワゾワし始める。不安になるような、怖がるような状況を想像すらしてないのに、そう考えさせるような周囲の状況もないのに、急に不安感に襲われる。恐怖感に身が縮こまる。「私が」不安に思っているんじゃないのです。私は、何が不安なのかが、わからないのだから。

抗不安薬の効果が切れて、リバウンドが強く出てるのが離脱症状。不安モードを無理やりOFFにしてた反動でONになっちゃって、不安感が逆噴射してる、脳の困った誤作動なんだよね。じゃあ、どうすりゃいいのかっていうと、誤作動が収まるのをジッと待つしかない。だから、しんどいの。脳が、不安モードをいつになったらOFFにしてくれるか、私にはわからんから困るのよ。


お笑いが見れなくなった

私、お笑い番組が大好きなんです。漫才、コント。めちゃイケ、ワンナイ、笑う犬、ピカル… お笑いライブにも毎月通っていました。DVDもたくさん持っていました。

ベンゾを急減薬してしまって離脱症状が出て以降、お笑いが一切見れなくなりました。テレビもNHKのニュースのみ。バラエティで笑ってたり、つっこんでたり、どついてたり、声が大きかったり、そういうのが苦痛で仕方なかったです。

苦痛の理由のひとつは、人の笑っている姿が、当時の私には暴力的に見えたから。笑う人を見ると怖かった。本来、動物にとって歯を見せて笑うという行為は威嚇、攻撃だったのですから、私の脳は原始的なところに敏感になり、不安や恐怖感を強めて荒野をサバイバル、生きようと必死だったのかもしれません。


嗅覚過敏

離脱症状のうちのひとつ、感覚過敏の症状。視覚、聴覚、嗅覚、味覚、皮膚の感覚、私はどれも敏感になった。

嗅覚過敏で驚いたのは、毎週買い物に行ってたドラッグストアが、めっちゃ臭く不快に感じて、吐き気が出たこと。お店に1歩入った瞬間、芳香剤の強烈なにおいが漂ってきて、お店の中にいる間は鼻をつままないといけなかった。のんびりと買い物をするどころではなく、最短最速で買い物をして店から脱出しないと気を失ってしまいそう。離脱症状でめまいや体の重さがあるのに、においで追い打ちをかけられて、心は号泣。

離脱症状が出る以前は、ドラッグストアで匂いを感じるのは、芳香剤コーナーに近づいたときだけだった。まぁまぁ臭いとは思っていたけど、不快ではなかったし、体調不良になることもなかった。でも、お店全体が強烈に臭く感じるようになると、これが過敏症の人たちが感じている世界なのかもしれないと思うようになった。

それからというもの、においから可能な限り逃げるようにしている。特に柔軟剤がキツくてオエ~ってなるから、使うんだったら無香じゃないと無理になった。好きだった香りを、急に受け付けない体になっちゃったのね。

嗅覚過敏が良い方向に活かせることが1つだけあった。それは仕事。商品に、においのクレームが出たとき。100人中100人がクレームとなったにおいが分かるようなら、誰でも問題なくクレーム対応できる。だけど、少数派からのクレームだとすると… においなんてしないよと言う多数派に対し、嗅覚過敏の私はだいたい少数派に入る。いやいや、何をおっしゃるの。これは確かににおうし、お客様の表現しているようなにおいだよ~体調不良になるよ~と、顧客に寄り添うことができた。嗅覚過敏のメリットは、これだけだったな…


離脱症状で私に出ていた攻撃性、疑心暗鬼

2020年2月に「ストレスで病気になった」マガジンの記事たちをアップした。その後8月に、この記事が入っているマガジン「離脱症状」をアップした。

ネット上にアップした順番は上のとおりなんだけど。実際は「離脱症状」のほうを先に書いていた。けど、途中ですごく疲れて、筆が止まった。気分転換にストレスシリーズを書き始めた。こっちの方がすごく楽に書けたし、全体的に暗くなりすぎない文章になったと思う。

それから、離脱症状のシリーズを再び書き進めようと思い、下書き保存してあったものを読み直した。そしたらば、記事には強い言葉がいっぱい並んでいた。私は、めっちゃ怒っていた。ガチギレ。全体的に攻撃的な文章になっていた。驚いた。これ、私が書いたの?

思い返せば。急減薬以降、私はなんだか変だった。怒りのコントロールができなくなっていた。ずっとイライラしてて、キレてた。疑心暗鬼もめちゃくちゃ強くなっていて、周囲を疑いの目で見ていた。誰かが世間話をしていても、私のことを陰で悪口を言ってるんじゃないかと強く強く思いこんでしまう。

例えば、家族に対して、私のいないところで楽しそうに話をしているのを見ると、今 私のことを悪く言っていただろう! と思いこんでしまっていた。そして、いちいち確認する。「全然私のことなんて話してない」って答えが毎度帰ってくる。でも、それもまた信じられなくて、しばらく頭の中は「絶対私のこと言ってた… 言ってた… 嘘ついてる… 言ってた…」って状態に。ベンゾ離脱を起こす前は、家族への疑心なんて全くなかったのに。

普段の私なら、仮にそう想像したとしても、そんなことはないか~と、すぐに頭を切り替えられるのに。「そうだ」としか考えられなくなってしまう。頭の中が「あの人絶対私の悪口言った」っで いっぱいになり、執着し始めるのだ。そのくらい強烈な感情で頭が支配されてしまっていた。

アシュトンマニュアルの離脱症状一覧には「攻撃性」ってある。ベンゾで鎮静され、押さえ込まれていた情緒が、減薬で反対に働くことで噴出して、さらにコントロールできないんだとしたら。イライラ・興奮・激怒・妄想などが私に現れたのは納得できる。

怒りの感情がぶつけられた記事をいったん下書き保存して数か月間寝かせていたことで、客観的に攻撃的な自分を認識して、少し冷静になれた。記事は最初から書き直した。だいぶ柔らかな表現に変わったと思う。

この強烈な攻撃性、疑心暗鬼がかなり薄まったなと思えるようになったのは、減薬率が90%を超えたくらいから。つい最近まで、コントロール不可な疑心の鬼だったのかもしれない。


離脱症状がひどすぎる時、軽くしたくて私が試したこと

急減薬による激しい離脱症状(ベンゾショック)が起きて以降、さまざまな離脱症状が続いて苦しんでいるときに、症状を緩和させたくて私はいろいろ試しました。

●漢方薬 → 病院で処方されたものは、どれも吐き気が出てきて飲めなかった。試すたびに離脱症状はむしろ悪化した謎。離脱症状がひどすぎるときに飲むのは、私には合わなかったみたい。

●サプリ → 生まれて初めて飲むサプリは、吐き気と胃痛でギブアップした。混乱している体に新しいものを与えて、余計混乱したのかもしれない。ひどい離脱症状への可及的速やかな効果は、まったく感じられなかった。

●マッサージ → リラックスできるときもあれば、そうでないときもあった。日による。

●鍼灸 → めまいが酷すぎるときに鍼をうってもらったら、ピタッと治まって驚いた。でも、効果は数時間しかもたなかった。毎日うてってこと!? お財布と要相談だわ…

●酸素カプセル → 足先指先までぽかぽかしたり、ブレインフォグの状態で1時間くらい入ると、頭がスッキリする気がした。その気も、効果は数時間しかもたなかった。体調によっては閉所が耐えられない。

●岩盤浴 → 体温が上がって汗をかいて、スッキリする感じ。でも、家のお風呂でいいという結論。

●アロマ → ストレスの緩和と思って、精油を試してみた。嗅覚過敏が出ているときは臭すぎて吐き気に見舞われた。

●森林浴、日光浴、散歩 → 寝たきりの状態ではまず無理。無理過ぎ。動けるようになったらの話。どれもプライスレス。