見出し画像

【体験談】離脱症状で体験した悪夢【ベンゾジアゼピン減薬】

私は子どもの頃、知らない人に追いかけられる夢をよく見ました。他には...足を恐竜に噛み千切られたり、生首が飛んでいたり、人が燃えたり、事故に遭ったり。これらは、典型的な悪夢だと思います。

ちなみに、夢はそのほとんどが悪夢で、生き延びるために危機回避のシミュレーションをしている~なんて、本当がどうか分からない話を小耳に挟んだことがあります。子どもの頃に悪夢が多く、大人になるとその頻度が少なくなるのも、そういうことなのかもしれないですね。知らんけど。
悪夢を見るのは、生存本能なのでしょうか。

・・・

この記事は、あくまで一個人の体験談記です。離脱症状で現れる症状や進行の仕方などは人により様々であり、誰一人として同じではないことをご理解いただいた上で、お読みいただければ幸いです。

私が実際に体験したベンゾジアゼピンの離脱症状については、▼下記マガジンにまとめています。※センシティブな内容なので「読まない選択」をしていただいても構いません※


精神科、心療内科のみならず、内科、整形外科などでも処方される睡眠導入剤、抗不安薬のベンゾジアゼピン系薬。その離脱症状の中に「悪夢」があります。

ベンゾ減薬による私の悪夢体験はと言うと…


私が「これは離脱症状の悪夢だ」と確信しているのは、今のところ2回。
1回目は、初めてベンゾを急減薬してしまった直後。
2回目は、ゆっくり漸減での減薬7回目直後。


1回目の悪夢について。
それは、視覚体験を伴っていませんでした。
どういうことかと言うと、夢の内容が全くなかったのです。
夢は「見る」と言いますが...「見てはいない」ということ。変な話でしょ?

なのに、私がこれは悪夢だと言える理由は、目が覚めた時点で「ある感情」があったから。
飛び起きた瞬間の私は、今まで生きてきて味わったことのないほどの【強烈な恐怖感】を味わっていました。全身から血の気が引いたような感覚に襲われていました。

何が怖いのかは分からない。なぜなら、夢の視覚体験がなかったから。
でも、とてつもなく怖くて、跳ね起きたのです。
怖くて怖くて、気がおかしくなりそうでした。
ベンゾに離脱症状があるなんて、まったく知らずにのんびり寝ていた当時の私は、意味のわからない強烈な恐怖感と共に、朝をむかえる体験をしたのです。


2回目の悪夢について。
この時も、今日は悪夢を見るかもしれないなんて これっぽっちも思わずに、普段通りに就寝しました。
この時の悪夢は、視覚体験を伴っていました。一般的に言う、ちゃんとした夢です。

夢の中で、私は自分の部屋のベッドに寝ていました。
そこへ、母と亡くなった祖母がやって来て「大丈夫かい?」と心配そうに様子をうかがってきました。祖母は、懐かしい優しい声で、私の背中をよしよしと擦ってくれました。

こう書くと とても良い内容ですね。
しかし、当の私は夢の中で、これは悪夢だ! と思っていました。
感情は恐怖、恐怖、恐怖でいっぱいだったのです。

その後、夢のシーンは4つ展開されました。いずれも【まるで現実のように鮮明】でした。
視覚内容自体はまったく怖くなかったんです。追いかけられるとか、血が出るとか、そういう典型的な怖い内容ではなく。
遠くに座っているイケメンを見て「ねえねえ、あの人かっこよくない?」という会話をしている、非常に ほのぼのとしたものでした。

しかしやはり、恐怖していました。
視覚情報と情緒が矛盾している状態。

そして私は恐怖感を引きずったまま目を覚まし、天井を見つめて、しばらくボーっとしていました。
これは、現実? それとも夢?
起きてもなお、夢と現実の区別がついていませんでした。
恐怖感は徐々に治まっていきましたが、夢と現実の境を見つけられずに ずいぶん混乱していたように思います。

普段なら目が覚めた時に、ああ良かった、夢だった、ひどい夢だったなと現実との区別が割とすぐにつきます。減薬期間中に金縛りあうことが何回かありましたが、その時ですら あれは完全に夢だったとすぐに分かりました。
しかし、2回目の悪夢からの目覚めは、これは現実だとしっかり認識し、納得するまでに約1時間かかりました。1時間、ツイッターのタイムラインを見ながら現実感を少しずつ取り戻した感じです。

・・・

夢は深層心理がうんぬんとも聞きますが、離脱症状の悪夢は果たしてそういう性質でしょうか。前述の私個人の体験からすると、深層心理とはあまり関係ないと私は思うのです(あくまで、一個人の見解ですよ。)”私が” 恐怖を感じているのではなく、 ”脳が” 勝手に恐怖している、”脳が” 暴走してパニック状態に陥っているということ。私個人はそう捉えています。

抗不安薬を減らした直後の悪夢だから、強烈な恐怖感は反跳性不安かもしれないですね。根拠のない不安感が、服薬以前より悪化してしまうというのは周知の事実です。
夢が非常に鮮明というのも、ベンゾに限らず、アルコール等の離脱症状でも聞く話です。

まったくもって不可思議な離脱症状。
脳の中で大きな嵐が吹き荒れているんでしょう。
嵐が過ぎ去ったあとは、空に虹がかかってくれるはず。そう信じたいです。