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不思議で奇妙な話

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わたしが体験した奇妙な出来事、わたしが聞いた不思議な世界の話を、おひとついかが。
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#体の不思議

1ヶ月後の夜に【不思議で奇妙な話】

わたしは大のおじいちゃん子だった。祖父の葬式では「あんたはおじいちゃん孝行だったけぇね」と遺影を持たされて霊柩車を見送った。 ちょうどその頃、わたしは日々の肉体労働に疲れきって泥のように眠る日々が続いていた。 祖父が亡くなって四十九日も迎えていない、1ヶ月後。(月命日と言いたいところだが四十九日を迎えていないので、1ヶ月後と表現する) オルゴールの音でわたしは目が覚めた。 音は頭を向けている方向から聞こえてきた。 そこには押し入れがあった。片方が開けっ放しの押し入れ

腕の傷痕【不思議で奇妙な話】

私の左腕、手首から下に約5cmのところに、傷痕がある。 それは腕と同じ方向、つまり縦方向に長さ7~8cmにわたっている。 イメージで言うと、鬼滅の刃の悲鳴嶼行冥さんの額の傷痕によく似ている(あそこまで大きくはないが。) 物心ついたときには、すでに私の腕にあったそれに対して、ふと疑問に思ったのは高校生になってからだった。 いつ、どこで、このような傷痕がつく怪我をしたのだろうか。 それまでは、「怪我をしたから痕が残っているのだ」と勝手に思い込んでいた。痕があるのが当たり前