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村人とドラゴン

新型コロナウイルスは思わぬ型で人々に「平等」を教えてくれた。
感染リスクの高い立場の方は無論いらっしゃる。それでも陽性と陰性、発症と無自覚は細かな場面の違い、つまり紙一重と言えるようだ。注目される立場の芸能人、スポーツ選手、政治家の感染がことさらニュースになるのは、感染リスクは誰にも等しくあると告げているかの如く。
もちろん不謹慎だが、行動が制限されている今こそ、私は秘かに、のびのびとした心持ちも少しだけ感じている。「なんだ、誰でも全員、避けられないことなんだ」全員が見方!倒すべき敵はひとつ、全国民どころか全人類が仲間なんだから、こんなに心強いことはない。ワンチームで足の引っ張り合いもない。これは楽しい。
また、不条理な疫病の前に宗教やら信仰の効用も考える。大震災や原発事故と同じく、人為を超える災厄だ。いやあのフクシマこそそうであってはならない、との正論もテレビの映像を見た限り底の見えぬ無力感を感じる。
不治の病や寿命に対するスタンスを宗教は持っている。
どうしようも出来ない事、諦めざるを得ない事をどう受け容れるのか、提示してきた。今、こうした宗教関係者からの提言が聞こえてこないのが寂しい。
誰もが等しく怖れ遠ざけ向き合う相手がいる。これは貧困や差別とは全く違うタイプの敵、団結しがいのある大規模ミッション、イベントをクリア、レベルアップしたい。