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SNS分析で見えてきた若者世代が直面する“恋愛クライシス”とは? 〜マッチングアプリがいまできること〜

Pairs(ペアーズ)はホワイトデーの3月14日に、ソーシャルメディアの投稿データを分析した「SNSトレンドから見える若者の恋愛・結婚意識に関するプレス向け説明会」を実施。世界15か国で消費者調査を行うMatch Group(MG)のリサーチディレクター工藤彩乃が登壇し、令和の結婚観や動向を発表しました。本イベントは、MGが定期的に実施しているSNSトレンド調査や世界各国で実施している消費者調査から得られた定性・定量データを分析し、令和の若者が感じている恋愛や結婚に対するハードルやマッチングアプリに対するニーズについて解説をした様子をお伝えします。

Match Group リサーチディレクター 工藤彩乃
恋愛・結婚や人間関係・コミュニケーションにまつわる消費者インサイトを各種市場調査で
明らかにし、事業戦略やUX戦略へアドバイスを行うリサーチディレクター。
ペアーズの親会社であるMatch Groupに所属し、これまでに世界15か国以上を対象に
恋愛・結婚やマッチングアプリなどに関するリサーチを推進。

「若者の恋愛離れ」という誤解

昨今「若者の恋愛離れ」と話題ですが、MGによる自社調査では「7割以上は異性と何らかの関係性を望んでいる」ことがわかっています。これは調査を開始した2016年から大きくは変わっていません。また国が実施する出生動向基本調査(結婚と出産に関する全国調査)でも、自身の将来の結婚について「8割以上が将来の結婚希望有り」を示しています。これについて工藤は、「『若者の⚪️⚪️離れ』とは、そのものへの関心が無くなってきたことを指しているが、恋愛への関心は変わっていない」と分析。

恋愛・結婚はしたくても、できていない。その一方で、交際相手を持たない人の割合は、男性で7割以上、女性で6割以上であり、「交際相手を持たない人は増加傾向にある」ことが判明しています。工藤は、「恋愛をしたいと思っている人は多くいるけど、彼氏・彼女がいないという人が増えてきている」と現状を解説しました。

”普通の恋愛って難しすぎる”

多くの人が、いずれは「普通」に恋愛して「普通」に結婚するであろうと自分自身に抱いていた「普通」のイメージが、実際に実現するのが難しくなってきています。物価が上昇する一方で、賃金は据え置きなどの現代の経済状況により「普通の恋愛」「普通の結婚」のハードルがあがっていると感じているようです。工藤は、「アンケートやインタビューでは、現代の若者は自身をとりまく社会情勢や不景気を伝える報道に多く触れてきたせいか、お金がかかることを心配する声が多い」と説明しました。

結婚はリスク?

その結果、現代社会において生活の安定性を求める声が増加し、さらにこれまでの「普通」に囚われない結婚や恋愛に関する価値観の多様化が起きていると説明。工藤は、「結婚や子育ては生活の変化であって、それをリスクと捉えている人もいる。日本の若者の置かれている状況はシビアだ」と話しました。
ちなみに「他の国ではどうか?」というと、タイやインドなどの経済成長国では将来に対してポジティブな傾向があり、スウェーデンなどの北欧諸国では手厚い社会保障制度を反映して将来のリスクは低いと考えている傾向があることがわかりました。

”遺伝子を残したくない” という強い言いわけ

普通の恋愛・結婚のハードルが上昇した結果、「自分の遺伝子を残したくない」という投稿がソーシャルメディアに増え、「人生は“生まれで決まる”という意識」が広がってきていることも浮き彫りになりました。「自分の親が経験してきた『普通の恋愛と結婚』を、自分自身ができていないことに『あきらめ』を感じている人が多い」と工藤は解説しました。本調査では、恋活・婚活トピックにおいて「遺伝子」や「DNA」が含まれる投稿数が2022年と2023年の比較で約11%上昇したことがわかっています。

現代の若者世代を取り巻く“恋愛クライシス”

今回の調査のまとめとして、若者世代は、恋愛はしたいと思っているが、恋愛や結婚においてイメージしていた「普通」のハードルが非常に高く、結果的に恋愛や結婚はタイパが悪いと考え、優先順位を下げざるを得ない状況にあると捉えています。
現代の若者世代を取り巻く“恋愛クライシス”において、マッチングアプリがそのソリューションの一つとして利用者を増やしています。工藤は、「マッチングアプリは決してニッチな一部の人たちだけでなく、多くの若者世代が活用しています。また、その親世代においても認知度を高めており、一般的な『結婚のきっかけ』になりつつあります」と紹介しました。
ペアーズは、この若者世代が直目する“恋愛クライシス”の課題解決に向け、マッチングアプリがテクノロジーでできることを支援していきたいと考えています。

恋活・婚活の迷子

恋活・婚活に取り組んでいる若者世代はマッチングアプリに対して、無駄な出会いを避け、“相性がピッタリ合う人”とだけ出会いたいというマッチングアプリのパフォーマンス(マチパ)と、見た目や条件だけではなく趣味やライフスタイルを受け入れてくれる人と出会いたいという内面や価値観を重視する声が多くなっています。
工藤は「(このようなニーズがある中で)自分自身が好きなことはわかるけど、それを受け入れてくれる人をどうやって探したらよいかわからないという恋活・婚活の迷子が最近増えています。そのニーズに応えることがマッチングアプリのこれからの課題」と話しました。

効率的な相手探しのための新しい機能

ペアーズでは効率的に相性ピッタリの人を見つけるためのさまざまな機能を充実させています。その中で最近開発された「ペアーズクエスチョン」は立正大学の心理学の先生との共同開発で、何気ない質問への回答でその人の普段の行動や人柄を映し出すというものです。その他にも、他人には伝えにくいけど譲れない希望や要望などを、ペアーズにだけ伝えることでマッチングの向上を図る機能を鋭意開発中であることなど、ユーザーの声や意見を取り入れながら機能拡充に日々取り組んでいます。

ペアーズは、真剣に恋活・婚活に励むユーザーが求める効率性や内面性重視、多様な価値観などのニーズに対して、新機能の開発を推進しながら今後もさらに貢献していきます。

【調査概要】