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移りゆく心と去りゆく秋 〜ナオ編 エピソード23〜


2018年9月25日(火)

この日私は、軽率にだいちをふった。
たった1ヶ月弱だったけど、
これ以上はだいちの幼稚さに付き合ってられなかったため、はっきり伝えることにした。


だいちみたいな男には
理由を有耶無耶にせずにズバッと伝えた方が傷つけることなく後腐れなくキッパリ縁が切れると分かっていたから、
この際ハッキリ言ってやった。

「傷つくかもしれんけど、ちゃんと言うね」


だいち「おう」


「私はもっと賢い人がいいの。
だいちはボキャブラリーがないし、知識話題性狭いし、会話のノリやボケるって面でふざけて笑わせるのは得意かもしれんけど、私はもっと1つのテーマで色んな観点から話を深く掘り下げて楽しみたいタイプやし、もっと色んな話題で盛り上がりたいって思うの。
だから彼氏にするならもっと賢くて、いろんな話題に精通してる人がいいの。そういう人は一緒にいて楽しいって思うから。だいちと一緒にいてもそう思えんかった。
あとだいちは筋肉バカやし、興味ないことには興味ないってシャットアウトするのが嫌!
だからつまらん!って思った。
楽しくないって思っちゃった。」


だいち「…ありがとう。そないしてストレートに言ってくれる方が助かる」



あまりにも清々しく思ってること全部伝えたため、逆に感謝されてしまった笑

だいちも徐々に開き直っていった様子。


「...要は俺はしょーもない男っちゅうことやな。笑」



もうマッチングアプリで彼氏を作ろうなんて
思うことはやめようと思った。
今回は確実に私の見る目がなかったのだけど。


実はだいちと別れたのはもう一つ理由があって、彼はなんとなくAmweyやってる感じがしたからだ。

つい最近大学で仲の良かった友達から、よくわからないセミナーに誘われたり、ホームパーティーに誘われたりして、何も知らなかった私は参加してしまったことがあり、その異様な一体感、空気感にドン引きしてしまい、嫌気が差していたところだった。

たぶんだいちも過去か現在進行形かは分からないけど、会員であったと思われる。
部屋に置いてあるものを見てそう悟った。


後からめちゃくちゃ調べたけれど、
まだそれについて知識が浅かった時に
うっかりそのことに触れてしまった瞬間、
「なんでそれを知ってるの?」って声色と
表情が一変したことがすごく怖かった。


"口にしてはいけないタブーワード"
かのように、
あ、これ以上の深追いはヤバい!と慌てて口を噤んだことがあった。



そんなこんなで彼との関係は
あっけなく終わった。




だいちと別れてからの日常は
特に何も変わらなかった。

ナオのことは、あれから深くは考えることはなかった。
一度自分の中で終わりにしていたから。

あの日、12日に西尾に会いに行ったのは
きっと魔が差しただけやろうって。


そんなことより、9月は、大学の友達とお泊まり女子会したり、映画を見に行ったり、母と共に父の単身赴任先の大阪に遊びに行ったり、休みの日はそんな風にして過ごした。
楽しいことが多くて、仕事も忙しく、
あまり考えずに済んだのかもしれない。 


そして1人アプリで出会った人で
夜、ドライブデートに行く仲の男の子ができた。

仕事終わりに拾ってくれて、
約1時間半ほど、名古屋高速を走るドライブに連れて行ってくれる。


夜の高速は好き。
特に夏の夜のドライブは気持ちいい。
窓を開けて、音楽をかけて、爽快に風を切り、現実を忘れられる。

歌ったり、お喋りしたり、無邪気にはしゃいだりする時間がすごく楽しかった。


そうやって3度ドライブしたけど、
彼とはプラトニックな関係だった。

そこが心地よかった。
ちゃんと家まで送ってバイバイしてくれる。
いつも別れる時は22時を回っていたけど、
ちゃんと健全な関係でいられたから、
何度も会えたのかも。


気づけばナオのことを
あまり意識しなくなっていた。




しかし、9月27日。
私はまた思い立ったかのように、
ナオのいる西尾へと向かうべく
終電に飛び乗っていた。

それには理由があったのだ。
(いや、本当は理由なんて何でも良かった)






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