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超夜型・不規則睡眠のINTP女が、睡眠の質を上げた4つの方法


本記事が役に立つかもしれない人

超夜型人間の人!!!!!

  • 夜の入眠に困難を抱えている人

    • 夜になると目が冴えてきて、全然眠くならない人

    • ベッドに入ってもスマホを弄って全然寝られない人

    • スマホを弄らなくても全然寝られない人

    • そもそもベッドに入ろうという気持ちにならない人

  • 朝の起床に困難を抱えている人

    • 朝起きるのがものすごくしんどい人

    • 「朝起きる」ことを考えただけで死にたくなる人

    • 目覚まし時計の複数セットやスヌーズ機能によって、毎朝死ぬほどストレスを抱えている人

    • 休日はたっぷり寝て、起きたら外が暗くなっている人

  • 睡眠リズムが安定しない人

    • 朝同じ時間に起きて、夜同じ時間に寝るというリズムが守れない人

    • 一般的な生活リズムに合わせようとすると、昼寝や夕寝が断続的に必要になる人

  • 定期的な運動やストレッチや食事や入浴にストレスを感じる人

    • 読書やネットサーフィンといった文字情報の取得に特に幸福を覚えるタイプの人

    • プライベートな時間はできる限り趣味に費やしたい人


長年抱えていた、睡眠に関する課題

 近年、柳沢正史氏という偉大な睡眠学者が脚光を浴びたことで、長年日本を蝕んでいた睡眠に関する誤った常識が覆されようとしており、夜型かつ不規則睡眠に悩まされた私には嬉しいブレイクスルーが訪れようとしている。

 彼によると、生体のリズムには大きく分けて朝型と夜型があり、これは遺伝子によって生まれつき決定されている。これをクロノタイプという。そして、自分のタイプに合った生活リズムを整えることこそが、心身健康に生きる秘訣だという。

 思い返せば、小学校高学年頃には既に朝型の社会に合わせることに辛さを感じ始めていた。朝はギリギリまで眠った挙句に朝食もとらずに学校へ走り、午前中は常に眠気を抱えて過ごし、体育では時に吐き気を催し、午後になって漸く調子が出てきたのにもう下校、溢れる体力は放課後に読書したり通学路で寄り道したりして発散する日々だった。特に大学に入学してからは夜型体質が顕著になり、社会人になって悪化した。夜という時間帯はこれほど楽しく生産的なのに、一体誰に合わせてこれほど辛い生活を強いられなければならないのか、ずっとわからないでいた。

 睡眠の専門医にかかったわけではないが長年の経験から推測するに、私は入眠に困難を抱えるタイプである。おそらく体内時計の周期が24時間より長く、睡眠時間も人より多い。一度眠ってしまえば睡眠を継続することが可能なのでおそらく不眠症ではないのだが、問題は夜に全然眠くならないことだ。私の頭が冴えて活動意欲が出てくるのは早くて15時以降、遅いと19時以降で、0時を超えた時間帯からは仕事の意欲も創作意欲も好奇心もどんどん湧き上がる。集中力や生産効率が高まるのもこの時間帯だ。

 当然の帰結だが、私は起床にも困難を抱えている。ただ、夜遅い時間に寝れば朝起きられないのは当たり前であり、起床困難については、夜早く寝ることで睡眠時間を確保すれば解決するかのように見える。だが個人的により大きな課題感を感じるのは、たとえ夜早く寝て朝早く起きられたとて、午前中は活動の意欲が湧かないことだ。睡眠時間を確保しようが朝スッキリ起きられようが、午前中は集中力も生産効率も上がらない。そもそもやる気が全く起きない。

私の睡眠課題まとめ

 MEQ-SAというセルフチェックによって、自らのクロノタイプを知ることができるそうだ。柳沢氏によると、この質問紙の精度はかなり高いとのこと。

 ちなみに私は「超夜型」だった。

 まとめると、私の抱える睡眠に関する課題は下記である。

  • 夜眠くならない。

  • 朝起きられない。

  • 睡眠リズムが安定しない。

  • 午前中には活動意欲が湧かず、生産効率が低い。

 これらの課題を解決すべく長年様々な工夫を凝らした結果、効果のあった解決策は下記だ。

  • 夜眠くならない。睡眠リズムが安定しない。

    • → 意思ではなく薬効によって、意図した時刻に強制的に入眠するようにする。

  • 朝起きられない。

    • → 睡眠の質を上げる。糖質の代謝を上げる。

  • 午前中には活動意欲が湧かず、生産効率が低い。

    • → 午前中はできるだけ睡眠に充て、生産活動をしない。

 上記対策を講じた結果、ここ数年はようやく睡眠に抱えていた困難が軽くなった。夜のうちに眠りにつくことができるようになり、朝起きられるようになり、平均睡眠時間は7.5~8時間前後で安定した。
 これらの詳細を下記に記述する。私と同じく入眠と起床に困難を抱えている方には、ぜひ参考にしていただきたい。


入眠困難&起床困難に効果のあった秘訣

1. 睡眠薬を服用する

 「夜眠くならないなら薬で眠ればいいじゃない」とは実に合理的な思考であり、手段としても最も簡単なのだが、実生活に取り入れるに当たって実は、非合理的な壁が立ちはだかっている。
 睡眠薬の頓服には、心理的なハードルと社会的なハードルがある。睡眠薬には兎角精神病だのメンヘラだのといった負のイメージが付き纏い、それを自身が服用することに心理的な抵抗を感じる人は少なくない。さらに、依存や耐性といった副作用も気になるところだ。
 また社会的なハードルとして、睡眠薬の処方が社会的信用に大きく影響するという問題がある。住宅ローンや保険加入を考える人は絶対に避けたいだろう。特に若い人は、将来に残る瑕疵を抱えるくらいなら、睡眠が多少しんどくても我慢しようと考える人が圧倒的に多いのではないだろうか。
 夜型人間として産まれたのは仕方ない。朝型に最適化された社会も不本意ながら受け入れよう。だが、朝型社会に適合するために最も効率的な方法として睡眠薬という手段が目の前にあるのに、それを手にすれば偏見によって社会的信用を失うという不条理は本当に解せない。この偏見が一刻も早く解消されることを願う。

 ちなみに私は、団信や生命・医療保険に加入しない人生を歩んでいるため、普通にメンタルクリニックにかかって睡眠薬を処方してもらっている。社会的ハードルによって睡眠薬に手を出せない諸君の参考になれず誠に申し訳ないが、話を進めよう。

 現在、私が頓服として利用しているのは「デエビゴ」という睡眠薬だ。「オレキシン受容体拮抗薬」という種類で、かの柳沢大先生が発見した神経伝達物質オレキシンに作用する薬である。オレキシンは脳の覚醒状態を維持するためのホルモンであり、この受容を阻害することで自然な睡眠を作り出す…らしいが、詳細は各自でググっていただきたい。睡眠薬として従来使われていた「GABA-A受容体作動薬」と比較して耐性がつきにくいため、依存性が圧倒的に低く、「安全性が高い」と謳われている。
 私の場合、「デエビゴ」1mgを服用すれば、通常30分程度で入眠に至る。もちろん脳がガンガンに覚醒している夜は3~4時間効かないこともあるが、概ね有効なので愛用している。

 ただ、「デエビゴ」は服用時刻が遅いと翌日眠気が残る傾向がある。在宅勤務の私は眠気があるとまったく仕事にならないので、気づいたら0時を過ぎてしまっていた場合などは「ルネスタ」を用いることもある。
 「ルネスタ」は「GABA-A受容体作動薬」の一種だ。効果はまちまちで、1mgで入眠に至ることもあれば、3mg飲んでもパッチリしたまま朝を迎え、そのままパッチリ1日を過ごしてしまうこともある。ただ、翌日に眠気が残ることがないのが大きなメリットだ。
 さらに、デエビゴが新薬なのに対し、ルネスタはジェネリックが開発されているため、個人輸入が可能なのが嬉しいところだ。但し経験上、薬局での処方で得られるジェネリック品の方が、効果が高く副作用が少ない傾向があるように思う。

 「夜型を直すために」と題した記事をよく見かける。朝型は直す必要がないのに、夜型は病気のように「なおせ」と言われるのは納得がいかないが、そこはひとまず置いておこう。だが、これらの記事で提言される方法が悉くプライベート時間を奪うものばかりなのには閉口する。夜は運動や入浴をしろ、早めにベッドに入ってじっとしていろ、朝はストレッチや食事をしろ…朝型の社会に適合するためにどれほどプライベートを犠牲にしなければならないのか。さっさと睡眠薬を飲んで眠ってしまうのが最も効率が良いのは明らかだ。


2. 午後から始業するフルリモートの仕事に就く

 午後から仕事を開始する
 これだけで、夜型人間の睡眠の課題は綺麗さっぱり片付くと言っていい。始業時間が遅ければ、夜眠れずに朝遅くまで寝ていてもいいし、集中力も生産効率も高まった午後の遅い時間帯に仕事に取り組むことができる。

 現在、私はITエンジニアとして働いている。会社における職種区分は技術職だ。ビジネス職や一般職も在籍しており、職種によって労働時間制度が異なるのだが、技術職の始業時間はなんと12時。しかもフルリモートなので、11:55に起床すれば仕事に間に合ってしまう。つまり、午前4時まで起きていても、8時間の睡眠時間を確保できるのだ。
 フルリモートなので、自宅には常に仕事用のPCがある。基本的に15時以降にならないとやる気が起きない私は、気分が乗ってきてそのまま日付が変わるまで仕事をすることもザラにある。その後、午前4時まで目を爛々と輝かせながら好きなことに没頭する。明け方寝る。翌日、11:55に起床して仕事を開始する。最高すぎる。
 この職に就いてから、私のQOLが劇的に向上したのは言うまでもない。

 私の場合、始業時間が遅いこと、フルリモートであることの他に、他人との連携が少ない仕事であることも大きい。調査や検証、実装が主な仕事内容なので、一定の段階まで一人で黙々と進めることができる。Aさんと一緒に進めなければならないだの、Bさんとの細かい調整が必要だのといったことがないのだ。
 これほど自由度が高く、身体を動かす必要も着替える必要も化粧する必要もなく、超夜型向きな仕事を、私はITエンジニア以外に知らない。他に良い仕事があればぜひぜひ教えていただきたい。

 ちなみに大学時代の私は、1限目の授業はできるだけ取らないよう調整していた。
 1限目は9時から始まる。9時に教室に入るためには、8時半に家を出る必要がある。8時半に家を出るには、少なくとも8時20分には起床する必要がある。だがたった10分では、着替えて顔を洗ってすぐに飛び出さなければならない。私の髪質は非常に乾きにくく寝癖がつきやすいため、朝シャワーは欠かせない。さらにメイクのための時間も一定必要だ。動作性IQが低い私は素早い動作が苦手なため、朝の準備には少なくとも45分欲しい。
 つまり朝9時の授業に出るためには、7時45分に起床しなければならないのだ。当時の私は、生活費を稼ぐために放課後は深夜までアルバイトをしていた。帰宅は0時だ。それから寝る準備をして7時45分に起床する生活など、特に長い睡眠時間を必要としていた20歳前後の私の身体は保たなかっただろう。


3. 夕方以降、カフェインを摂取しない

 まずは、WIRED Japanに投稿された柳沢正史氏の動画を参照してほしい。6:31から、睡眠の質を上げる方法について触れている。

 最初に申し上げたいのは、睡眠の質の中で一番大事なのは睡眠の量です。まず、睡眠時間をちゃんと確保すること。量を確保せずに質を云々するのは殆どナンセンスですね。
 第二点は(略)、睡眠は減点法だと思ってください。これをやると睡眠の質が悪くなるというのが幾つかありますので、そういう要因を取り除いていくことですね。
 夕方以降の時間帯はカフェイン飲料はコーヒーなど飲まないほうがいいし、ディナータイム以降はお酒も実は飲まないほうがいい。
 それから寝室の環境。「暗くて、静かで、朝まで適温」と私は言っていますけども…
 それから三番目なんですけど、睡眠の質って自分では実はわからないんですよね。だから一度は、ご自身の睡眠の質を「見える化」してみるっていうのも方法です。

睡眠学者、柳沢正史だけど質問ある? | Tech Support | WIRED Japan - YouTube

 この動画を見るまで、私はカフェインの認識を誤っていた。「カフェインを摂ると入眠を阻害される」と思っていたのだ。
 
この誤った認識の要因は、「眠眠打破」「強強打破」という製品だ。学生時代から20代まで、眠ってはいけない場面で度々お世話になったこの製品にはカフェインが多量に含まれており、一定の眠気覚ましの作用があった。この経験から、「カフェインを摂ると入眠を阻害される」、即ち「入眠を阻害しない程度のカフェイン摂取は、睡眠に影響を及ぼさない」と考えていた。

 しかし柳沢氏の動画を見て、認識を改めた。
 カフェインやアルコールは睡眠の質を下げるため、摂取後に入眠できたとしても、睡眠の量に相当する効果を得られなくなってしまうのだ。

柳沢)
 自分はカフェイン飲んでもいくらでも眠れるって人はたくさんいます(略)けど、たとえ眠ったとしても、とっても睡眠の質は悪くなります。これはもう証明されてるんで、カフェインは夕方以降は絶対やめた方がいい。

成田)
 じゃあ、カフェインが睡眠の質に影響を与えない人っていうのは殆どいないと思った方がいいんですかね?

柳沢)
 まずいないですね。代謝速度が速い人遅い人っていうのはいますけれども、万人にとってカフェインは睡眠を悪くします。

【中編】次期ノーベル賞候補×成田悠輔 「失われた30年の原因は国民総寝不足?」「日本は自覚できていない睡眠障害者であふれている」世界的権威柳沢正史教授と成田 研究者同士のガチ対談! - YouTube

 私はアルコールは摂取しないが、長らく結構なコーヒー中毒者だった。と言ってもカフェイン中毒者だったのではない。ドリンクは温かいものを飲みたい。フリーズドライ製法のインスタントコーヒーは、最も手軽で美味しく、コスパも良く、お茶より簡単に淹れることができる。ただそれだけの理由だった。

 というわけで、18時以降のカフェイン摂取を一切やめた。
 そもそもの理由がコスパでしかなかったので、実績ある睡眠学者が「睡眠の質を下げる」と明言したのは、やめるのに十分な理由だった。

 カフェインを含む食品は、コーヒーの他に紅茶、緑茶、チョコレートがある。緑茶以外は常食常飲していたが、これらも18時以降の摂取をやめた。

 代わりに、ノンカフェインのハーブティーを飲むようになった。ノンカフェインのハーブティーは一般需要が高いため専門店も多く、独自ブレンドなど飲みやすい商品も多い。インスタントコーヒーをがぶ飲みしていた頃よりコストはグッと上がったが、飲むのは18時以降と決め、1日1包をたっぷりのお湯で淹れて飲むようにすることで、心の平穏を保った。

 ちなみに今飲んでいるのは、 enherb様の甘くて美味しい檸檬カミツレ茶

 その他、柿の葉茶や甜茶なども試している。どちらも甘味のあるまろやかなお茶だ。甘味があるお茶を選ぶことで、甘いお菓子を一緒に摘みたいという欲求も低減した。

 さて、実際に睡眠の質向上への効果を得られたかどうかについてだが、これに関しては正直なところ全く実感がない。研究で証明された実績があるという知識によって気休めを得ているにすぎない印象はある。
 次項に挙げた行動が発揮した圧倒的な効果に比べると、プラシーボ効果のようなものではある。


4. 糖質の代謝を促進する

 これは正直入れるか迷ったが、明確に効果を感じたので入れておく。
 「リゲイン トリプルフォース」を飲むことで、起床時のダルさが大幅に解消された。

 上記リンクはアフィリエイトではないが、気になる方は「リゲイン トリプルフォース」で検索してほしい。

 公式サイトによると、余分な糖の代謝を促進する成分が配合されているらしい。ついでに脂質の代謝を促進する成分も配合しているとのこと。つまり、糖質をよく摂取しがちな人への効果が高いと思われる。

 これは驚くほど効果があった。飲んだ翌日、脳内で「スキッ」と音がするくらいスッキリと起床したのだ。
 前述したように、現在は入眠もスムーズだし、睡眠時間は基本的には足りてはいる。だが、どうもスッキリ起きることができない。目覚めた時間が何時であろうと、「起きたくない…」という思いが溢れてベッドの中でボンヤリしてしまう。睡眠時間が足りないわけではないし、精神的に落ち込んでいるわけでもなく、起きて活動を開始しさえすれば何となく日々は流れてはいく。ただ、朝の起床が不快なだけ。
 この「何となくイヤな感じ」が「スキッ」と解消されたのが「リゲイン トリプルフォース」の服用だった。


*追記* (2023/12/28)
 本サプリを飲み始めて2ヶ月弱経った頃、月経が来なくなった。考えられる原因の一つがこのサプリなので、一旦服用を停止している。


 要は糖質を代謝すれば良い話なので、このサプリに頼らずとも運動をすれば解決する問題ではある。だが、ここでINTPの悪い面が顔を出す。運動がつまらなくて長続きしないのだ。運動する時間があれば本を読みたいし、調べ物をしたいし、趣味の情報収集をしたい。
 それでは糖質の摂取を控えれば良いが、ここでもINTPの悪い面が顔を出す。常時脳が回転しているためか、甘いものがどうしても食べたくなるのだ。特に仕事中は、ついついお菓子に手を伸ばしてしまう。食べる。夕飯は絶対に白米が欲しい。食べる。序でに言うと、私は冷凍餃子が死ぬほど好きで、2週間で120個ほど食べる。消化しきれない糖質が溜まっていく…。
 そんなズボラで意志の弱い私に、このサプリは非常に有効だった。同時に、糖化の弊害を強く実感した。運動しなければ。

 余談だが、この話を上司にしたところ運動を勧められ、外出が嫌いだと言うと踏み台を勧められたので、早速購入してみた。

 これでさらに健康的な起床を手に入れたい。


最後に 

 最近、柳沢正史氏の睡眠に関する動画がたくさんYouTubeに流れてくる。
 睡眠に対する正しい知識を得ることができ、自身の睡眠の質を上げる契機になると同時に、朝型に有利な社会構造の歪みと、我々「超夜型」人間への理解が少しでも広まったことが本当に有難い。

 最後に、柳沢正史氏の出演動画をありったけ貼り付けて本記事を終わる。

 朝型も夜型も手を取り合って、良い睡眠ライフを!