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『AbletonLive Rackを極める!!』その⑫ Max For Live編~Borrasca Sidechainer 3~

1.はじめに

 今までの「サウンドデザイン編」ではなく、「Max For Live編」ということで、今までと趣を変えてみます。
 Rackを極めるには、Max For Liveデバイスの利用法も知っておくと幅が広がります。また、Rackを使わないにしても単純に便利なモノも沢山ありますので、色々遊んで楽しんでみてください。
 今回紹介するのは、AbletonLive Suiteにある純正(純正というのか分からないが)!?のものではなく、世界の変態たちが作った、私がお勧めしたいMax For Liveを紹介したいと思います。

2.とにかく一推し「Borrasca」さん!!

 偶然Xで見つけたフィンランド人のBorrascaさん。このお方は無料のMax For LiveをGumroadに公開しているんですけど、この人が作ったSideChainデバイスが超使いやすくて、すっかり惚れ込んでしまいました。
https://x.com/borraxca?s=20

 最近流行りののRM SideChain(リングモジュレーションを使ったサイドチェイン)も搭載しており、MidiトリガーでもAudioでもSidechain入力を受けつける代物でございます。
 RM Sidechainは、簡単に説明すると、周波数帯域が被っている所を打ち消して、それ以外を鳴らしてくれるのでオケとボーカル等に使ったりすると、両者の音を住み分けて鳴らしてくれるのでミックスとかにも使えると思います。
 もちろん、電子音楽やEDM等においても、KickとSubの超低音が被るときにも、Kickが鳴っているときはSubの超低音を削るみたいな使い方も可能です。
 しかも皆さん、このデバイス、無料ですよ?
 信じられないですよね。
 一応DLサイトの説明文の翻訳を載せておきます。

特徴
正確なオーディオ/MIDIトリガー
ボリューム・シェイピングとRMサイドチェイン
0msから10msまでのプリフェードとレイテンシー
オシロスコープにオーディオ・トリガーと最終的なボリューム・エンベロープを重ね合わせて表示
メイン入力をオーディオトリガーとして使用するには "SC Input "をオフにします!
MIDI Input "を有効にすると、MSEGはMIDIノートによってのみトリガーされます。オーディオ入力はオシロスコープとRMのサイドチェインに使用されます。
"Gate "ボタンを押すと、RMサイドチェインが反転し、ダッキングの代わりにゲーティングが実行されます。

https://borrasca.gumroad.com/l/sidechainer3?layout=profile

3.実際の音を聞いてみよう!!

 百聞は一見に如かず。ドラムループとコードループで実験です。ドラムループをコードループにサイドチェイン入力してRM SideChainをしてみます。
 聴覚上の錯覚を防ぐためGainMatchプラグインを使用して比較してみます。

設定例。
どういうふうに調整するかはソースによっても変化するので、
自分の耳でしっかり聴いて調整しよう。
主にダッキングのカーブとLengthを調整した後、
DepthやRMSmooth、Pre-Fadeで微調整しようね。

自然な感じで良いですよね。もちろん従来のVolumeSideChainも使えるし、両方かけることも出来るから、多様な音作りに使えます。

4.補足

 このnote読んでるレアな人は、AbletonLiveを使っている人が多いと思うけど、AbletonLive以外のDAWを使っている人向けに無料のVSTも紹介します。

『RMSC』というVSTになります。詳しい使い方は、「Chillout with Beat」さんがサイトで詳しく説明しています。

5.さらに補足

 RMを使ったSideChainについて調べていたら、他にも使いやすそうなMax For Liveを発見しました。Slynkさんのデバイス『Erasure』です。正確にはRMによるSideChainなのか分かりませんが、Gumroadのサイトの翻訳を載せておきます。

Erasureとは何ですか?
ErasureはMaxforliveのスペクトル減算エフェクトです。別のチャンネルのスペクトル・コンテンツを聴き、それを青写真として入力信号からスペクトル・コンテンツを減算します。減算したいチャンネルにErasureを置き、減算ソースを選択するだけです。
どのような用途に使用できますか?
このデバイスは基本的に、DIYアカペラクリエイターの間で人気のあるKn0ck0utとして知られる非常に古いデバイスのリミックスです。このアイデアは、オリジナルトラックにこのデバイスを配置し、インストゥルメンタルトラックを減算の青写真として使用するというものです。ボーカルだけが残る。しかし、ミックスダウンにも使用でき、ほとんどスペクトラル・サイドチェイン・コンプレッションのように、競合する周波数だけを取り除くことができる。でも、違う音がかかったときに、減算した音がほとんど溶けて無になるような、クリエイティブなエフェクトとしては最高のサウンドだと思う。シンセのコードからヴォーカルを引いて、ヴォーカルが入ったときにコードが溶けてなくなるようにする。複数の音を重ねて、それぞれが別の音を溶かしていく。

https://slynk.gumroad.com/l/erasureより

 Borrasca Sidechainer 3は設定が複雑で難しいけど(そこが柔軟で色々な用途に使える)、Erasureは簡単に使えて素人の方でも使いやすいかな。
 こちらも無料なので楽しんでみてください。

次回もBorrascaさんのデバイスを紹介したいと思います。
ちなみにMaxForLiveは、有料のものまで含めると沼ですので、お気をつけて。





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