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『AbletonLive Rackを極める!!』その⑥サウンドデザイン編~OTT×5でバキバキサンドを作ろう!!~
1.はじめに
そもそも、何で私がAbletonRackを使ったTipsを公開しているのかと言うと、自分の覚書代わりなんです。また、素人でも頑張れば、ここまで出来るんだよってのを共有したい思いもあります。
そして、「Rackを極めて何をするのか?」ってのが一番大事ですよね。
最近X(ツイッター)でも紹介しましたが、最終的にはサウンドデザインや楽曲制作に生かしてこそなんですよね。
BuildUpって、
— おとですく@ableton やっぱりabletonだよね (@kijyoumusic) November 3, 2023
音楽的には同じことの繰り返しで
つまらないけど、
抜き差しや音量の変化で
盛り上げていく感じ、
嫌いではない。
最後のBreakBassだけはVital。
他はOperatorとSample使用(リズムパート)。
自作Rackも大活躍しています。
【問題】
この後のDropを作りなさい。 pic.twitter.com/4AcwIu50CX
これからも、自分で考えて(もちろん海外Tutorialとか参考にしてます)、色々工夫して作品を作っていく楽しさを共有できたらと思ってる次第です。
2.そもそもOTTって何だ?
お待たせしました。今回はオリジナル「OTT×5」を紹介します。
まずそのサウンドを体感してみましょう。
1周目は、ノンエフェクトで2週目はOn、3周目はOn/Offをしています。
ベースとピアノの音に『OTT×5』を挿しています。
どうでしょう?音がバキバキになる感じですかね。
海外Tutorialとか見てると、Mr.BillとかAU5とかVR辺りが音作りの際に、OTTを5個とか平気でぶっ刺してるとこみて、
「あ~、何でもアリなんだよな。クリエイティブな作業は開拓精神がないとダメなんだよね~」
っと刺激を受けた記憶があります。
そもそも、EDM界隈で絶大な人気を誇る「OTT」とは何なんだろう?
みんなエモい音になるって言うけど、、、
私の結論は、
「決して万能エフェクトではない、ソースによる。」
です。
先ほどの海外の達人たちは、
「過剰なコンプレッションを後段に置くことで、僅かなモジュレーション量の変化が、サウンドに劇的な変化を生むことを期待している」
と思われます。
ですので、われわれアマチュアは、音が良くなるものではないし、魔法のエフェクトではないということを心に留めておく必要があると思います。
OTTについての詳細は、HYLEN LABさんという方がサイトで取り上げているものが読みごたえもあり分かりやすいと思いますので、紹介しておきますね。
3.『OTT×5』の作り方
a)構成
基本は、OTTを直列に5個並べるものになりますが、『OTT×5』は、調整用のEQ・ステレオ感を付与する「FilterDelay」・このシリーズでも紹介した「MoreDrive」(Saturator)を加えています。
![](https://assets.st-note.com/img/1699062460494-tkt4SNz8AB.jpg?width=800)
![](https://assets.st-note.com/img/1699062515387-13HhItnsKf.jpg?width=800)
b)手順①OTTの設定
まず、「MultibandDynamics」のプリセット「OTT」を挿します。グループ化したら、中高クロスオーバー・低中クロスオーバー・Output・Time・Amountの計5つのパラメータをマクロにマッピングします。
![](https://assets.st-note.com/img/1699062855739-WE1IbY7o1w.jpg)
その後、4回複製する(Ctrl+D)。
※それぞれのOTTの名称をOTT1、OTT2、OTT3としておくと後で分かりやすくなります。
ここでポイントとして押さえておいてほしいのは、OTTが5つだとサウンドが破綻することも多いということです。
私は対策として、通常用(OTT1~3)とBoost用(OTT4~5)に分けて、必要に応じて調整できるようにマッピングし直しました。
具体的には、OTT4とOTT5の「Amount」パラメータのマッピングを一旦解除して、新しいマクロ(名称はBoost)にマッピングすることで、OTT4とOTT5は必要な時に使えるようになります。
![](https://assets.st-note.com/img/1699063658614-a6vhZbi1MB.jpg)
![](https://assets.st-note.com/img/1699063778493-ANpsrIOUWM.jpg)
![](https://assets.st-note.com/img/1699063839261-i25F1j9BqR.jpg)
c)手順②EQ8の設定
つづいて、調整用のEQ8を挿入する。これはなくても構わない。
![](https://assets.st-note.com/img/1699064020390-JBsV3ShoQW.jpg)
![](https://assets.st-note.com/img/1699064129076-xWoWu2Tg8l.jpg)
d)手順③FilterDelayの設定
サウンドによっては、ステレオ幅を調整したいこともあるので機能を付加した。このトリックは、Mr.Billが多用しているので覚えておこう。
![](https://assets.st-note.com/img/1699064378976-8Ywr9b6ATE.jpg)
マクロを動かしたときにFilterDelayがOnになり、徐々にPanが広がる設定にしている。
![](https://assets.st-note.com/img/1699064484284-pJxl7Irwml.jpg)
自作Rackでは、頻出のテクニックなので覚えておいて損はない。
Panはセンターから左右に徐々に広がるように設定しよう。
e)手順④Saturatorの設定
最後にSaturatorを配置して終わりだ。前に紹介した「MoreDrive」と一緒です。
![](https://assets.st-note.com/img/1699064737791-tU1O2aWsZN.jpg)
![](https://assets.st-note.com/img/1699064800690-iiLtXKjIx3.jpg)
5.おわりに(ダウンロード)
今回は、複雑なRackに挑戦してみましたが、いかがでしたでしょうか?
最初に構成を考えて、名前を変更したり、色分けすることで、意見複雑そうに見えても簡単に作成することが出来ると思います。
もっとOTTを足したり、EQの場所を変えたり色々工夫してみてください。
ちなみに、『OTT×5』は、最初のデモ動画のように、単純なベースやピアノに挿しても、効果はイマイチなことも多いです。
その絶大な効果は、ワブルベース、グロウルベースなど過激な音色を作成するときに実感することができます。その辺りについては、またの機会に紹介しようと思います。では。
完成した.adgファイルを置いておく。
【注意事項】
・使用は自己責任
・当方制作環境はAbletonLive11.3.4
・互換性チェックはしておりません
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