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告白はポカリスエット

4
高校を不登校になる前後の出来事を、フィクションで綴った物語。 ※生々しい性表現が含まれます。
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記事一覧

告白はポカリスエット4

告白はポカリスエット4

4

 割り勘で会計を済ませると綾乃は「ちょっと待ってて」と言いケータイを掛ける。

 「もしもし、お母さん。あたし今晩は彼氏と泊まって来るから大丈夫だよ。

うん、うん、そう今日できた彼氏!うん、じゃあねー」

 そう言い電話を切った。

 優しい夜風がふっと吹き綾乃の甘い髪の匂いを運び、

おれは堪らなく甘苦しくなった。

綾乃はおもむろに言う。

 「浩二!オッケー出たから、これから飲み直そ

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告白はポカリスエット3

告白はポカリスエット3

3

 地方都市の居酒屋に入る。

 “村さ来”という居酒屋。

 「わぁ、居酒屋って初めてなんですよ」

 「マジ?清水くんって育ちがいいんだね」

綾乃さんが店員に二名である旨と個室を頼むと快く通される。

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告白はポカリスエット2

告白はポカリスエット2

2

 おれは河川敷を後にして駅前のショッピングモールへ行く。

 おれは書店でカフカの“変身”を買う。

 すっかり夕方を過ぎているが帰る気はしないので、

マックでダブルチーズバーガーセットを買い“変身”を読む。

昆虫になったグレゴール・ザムザが少女達に船に乗せられ水に流される所で飽きた。

つまらない小説だ。

 コーラもポテトも心許ない。

買いに行くか……。

其処に聞き知った声に話し

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告白はポカリスエット1

告白はポカリスエット1

1

 おれは僕とは言わない。

 僕とはへりくだる下僕と言う意味を皆知っているのだろうか?

おれは俺と呼称しないのは中島らもが自らをそう呼称するから、其れに習ってそしている。

(俺という呼称はオラオラしている感じで嫌いだ)

 おれは高校二年になった。

正直この不気味な清潔感の風紀に支配される学校がうんざりしている。

所属している美術部はおれ以外、皆女の子であり、皆非常に発育が良いが魅力

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