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第5回 単独ライブ「20000」(ダウ90000)


どうも。自家焙煎珈琲パイデイアです。

先週は、普段、作業に使っているタブレットが不調で何も出来ませんでした。
まあ、だからと言って、別に誰が待っているわけではないですし、私の備忘録ですので、まあ、いいでしょうね。

今回残しておくのはダウ90000の単独ライブ「20000」です。
チケット当たったのに、仕事で行けなくなって、配信を見たら、最高に面白くて、行けなくなる原因をこしらえた後輩の臓器を東南アジアに売り飛ばそうとさえ思いました。
ダウ90000を初めて聞いたって方は申し訳ないですが、ご自分で調べてください。
本当はちゃんとダウ90000についても書きたいのですが、おそらく大河ドラマが書き上がってしまうので、腱鞘炎を考慮して、やめておきおます。
簡単にいうと、男女8人組のグループです。劇団とも芸人とも名乗らず、それをいいことにコントも演劇も、バラエティもドラマもラジオもやっている、8人組です。

今回は8本のコントからなる「単独ライブ」形式でした。どのコントも秀逸で、蓮見翔という人間がものを書くたびに、必ず前作の面白さを超えてくるのはなんなんでしょう。

本当はそんなコント一つ一つをあーだこーだ残したいのですが、それこそ、大河ドラマの長さなんて比じゃなくなりますし、公演中にも蓮見さんに「素人の考察ほど、聞いてられないものはない」と言われてしまっているので、やめておきます。
好きに観させろよ。

ネタバレとかを気にされる方で、この後配信をご覧になる予定のある方は先に配信をご覧になってからお読みください。もっとも、あれを見た後に、他人のあーだこーだなんか読む気がしないと思います。
そんなものを読む時間があるなら、もう一度見返したり、余韻を反芻する方がよっぽど時間が有意義です。

蓮見くんの書く「くすぐりの手数」がどんどん増えて、しかも、それがどんどん安定してきているのが新作を見るたびに思うことです。
「くすぐりの手数」っていうのは私が今作りました。笑わせ方、みたいなことだと思ってください。じゃあ、わざわざ新しい言葉を作るなよ、って話でしょうけど、なんか響きがそれっぽくって良さそうだから、使ったんです。見逃してください。

笑わせるというのは、いろんな手法があるんです。その辺は桂枝雀師匠が落語を分類したり、劇作家の別役実さんがコントを分類したりして、それぞれの著書で仰ってます。
固有名詞を使った手法、転ぶとか叩くなどの物理的な手法、状況を掻き回すような手法、会話を交錯させる手法、ダジャレなどの言葉遊び的な手法など、分類する人にもよりますが、大体、こんな感じで分類されています。

中でも蓮見くんは状況設定という点、固有名詞の使い方において、抜群に優れています。

まずは状況設定の上手さ。
例えば今回のライブの最後のネタは、薄っぺらい恋愛講演会の途中で派遣バイトのドアマンが舞台に上がって、完全に論破しながら、さらに意地悪な一捻りのある展開を見せます。バイトのドアマンが舞台上に上がって言い返す状況を違和感なく、自然に作り出す状況設定の上手さは見事です。
2022年の演劇公演「ずっと正月」では、物語の中心が街中のショーウィンドウの中で繰り広げられます。ショーウィンドウの中と外を違和感なく繋げて、物語を畳み掛けるように展開させます。

そして、固有名詞の使い方にも抜群のセンスを見せつけます。
固有名詞は認知度を正確に把握することも必要ですし、例えとして共感される状況にあてがう能力も必要になります。内輪のお笑いファンだけがわかればよかったり、一定の世代だけが認知しているものを選択せず、なおかつ、観ている人間が共感できる例えや言い換えとして使っている、ということにかなり長けています、蓮見くんは。本人も東京03のラジオに登場した際に、「固有名詞の使い方に定評があります」と笑いを誘っています。

違和感なく設定するおかしな状況のなかで、固有名詞を上手く使った要所要所の笑いをはずさず、なおかつ、蓮見節とも言える彼の視点でしか吐けない毒も相まって、ちょっとシニカルなコントを魅せます。私は本当にこのシニカルな感じが好きです。最高です。

スズナリに行きたかった。スズナリで観たかった。

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