キャッシュフロー計算書(個別/連結)


基礎知識

提出義務(会社法)
・上場企業は必須
・非上場企業は任意

キャッシュフロー計算書の読み方



個別CF


①営業CF

増やす活動/減らす活動
・売上債権の回収(資産の減少)/仕入債務の支払い(負債の減少)
・前受金の受け取り(負債の増加)/前払金の支払い(資産の増加)
・前受収益の受け取り(負債の増加)/前払費用の支払い(資産の増加)

・保険金の受け取り/―
・―/損害金の支払い

②投資CF

増やす活動/減らす活動
・貸付金の回収/貸付け
・有価証券の売却/有価証券の取得
・固定資産の売却/固定資産の取得
・子会社株式の売却/子会社株式の取得(連結範囲の変更を伴う場合)

③財務CF

増やす活動/減らす活動
・借入れ/借入金の返済
・社債の発行/社債の償還
・株式の発行/自己株式の取得
・子会社株式の売却/子会社株式の取得(連結範囲の変更を伴わない場合)
・―/配当金の支払い

利息と配当金の扱い方

IFRSの方が自由度が高い

https://globis.jp/article/8212/

IFRS
・受取り:営業CFを増やす or 投資CFを増やす
・支払い:営業CFを減らす or 財務CFを減らす

受取利息と受取配当金は「金融収益」
支払利息と支払配当金は「金融費用」
で、どちらも営業利益より下部で足し引きされる要素だから、営業CFには含めないほうがいいのでは?と思う

日本基準
2つの方法のいずれかを選択する
「配当金の支払い」が財務CFを減らすことのみが共通している

CFの作成方法(直接法と間接法)

・営業CFの算出方法が異なるだけ


営業CFの計算方法(直接法)

総勘定元帳を書いて求める方法

営業収入
・「売掛金」勘定
 ・増える要因:売上
 ・減る要因:現金による決済、受取手形による決済、貸倒れ、売上割引
・「受取手形」勘定
 ・増える要因:受取手形による決済
 ・減る要因:現金による決済、手形売却損
・「前受金」勘定
 ・増える要因:売上
 ・減る要因:現金の受け取り
・現金売上
・償却債権取立益:過去に貸倒れ処理したものが当期に回収できた

仕入支出
・「買掛金」勘定
 ・増える要因:仕入
 ・減る要因:現金による支払、支払手形による支払、仕入割引
・「商品」勘定
 ・増える要因:仕入
 ・減る要因:販売(売上原価として費用化)
・「支払手形」勘定
・「前払金」勘定
・現金仕入

利息の受取り
・「未収利息」勘定
 ・増える要因:利息の受け取り

利息の支払い
・「未払利息」勘定
 ・減る要因:利息の支払

営業CFの計算方法(間接法)

①税引前当期純利益から営業利益まで戻す
 特別損益と営業外損益(IFRSの場合は金融収益費用)を取り消す
 ・受取利息および受取配当金:受け取った分を引き戻す
 ・為替差損益:益の分を引き戻す
 ・持分法による投資損益:益の分を引き戻す
※そもそも税前利益からスタートするんじゃなくて、営業利益からスタートすればいいのでは?と疑問だったけど、そうすべきという議論もあるらしい

非現金支出費用を足し戻す
 ・減価償却費
 ・無形固定資産の償却費(のれん等)
 ・各種の引当金繰入額

債権債務(BS項目)を調整する
 ・仕入債務の減増:仕入債務が減った分、支払ったキャッシュを減らす
 ・棚卸資産の減増:棚卸資産が減った分、回収したキャッシュを増やす
 ・売上債権の減増:売上債権が減った分、回収したキャッシュを増やす

仕訳
・300円分仕入れて、そのうち100円分を仕掛品にした(キャッシュの増減は無し)
仕入300 / 仕入債務300
棚卸資産100 / 仕入100
→営業利益は-200円だが、打ち消すために+200円が必要
 ・仕入債務が増えた分(キャッシュを支払ってない分)を足す:+300
 ・棚卸資産が増えた分(キャッシュを回収できてない分)を引く:-100
 合計で+200となる

・200円分を掛け販売した(キャッシュの増減は無し)
売上債権200 / 売上200
→営業利益は+200円だが、打ち消すために-200円が必要
 ・売上債権が増えた分(キャッシュを回収できてない分)を引く:-200

④小計する

⑤投資CFや財務CFに含められない項目を調整する
 ・利息および配当金の受取額
 ・法人税等の支払額


連結CF

連結決算の全体(CF以外)はこちら


原則法と簡便法は作成方法が違うだけで、どちらで作成しても理論的には同じ結果となる

連結CFの作成方法(簡便法と原則法)


簡便法

原則法(直接法)

原則法(間接法)












営業CF(間接法)









連結



連結CF


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