【短編小説】魔法使いになりたかっただけ その1【連載】
玲子が行方不明になった。そんな話を聞いてからどのくらい経っただろうか。少なくとも一年以上は経っているだろう。
携帯に電話しても通じず、一人暮らしのマンションに行っても留守。そんなところから始まり、彼女の務める会社から彼女の実家に連絡がいったらしい。玲子のご両親はひどく心配をしてあちこちを探していたと聞く。しかし全くもって手がかりがつかめないそうだ。もちろん警察にも捜索願を出したが一向に手がかりがつかめないと、そんな話だっただろうか。
電車がニ時間に一本という田舎で育